手術の成功と医療

皇紀2672年(平成24年)2月19日

 天皇陛下は十八日午前、予定通り東京大学医学部付属病院で、心臓の冠動脈迂回手術を受けられました。

 術後に会見した順天堂大学医学部心臓血管外科の天野篤教授と、東京大学医学部心臓外科の小野稔教授らによりますと、執刀時間は三時間五十六分で終わっており、ほとんど出血もされなかったことから、陛下の御体力をできるだけ奪わない手術としては成功したといえます。

 昨日記事で私が指摘していた懸念の一部は、ひとまず払拭されたと申してよいでしょう。

 特に、天野教授はいわゆる外科医師界の「非主流」でありながら、ここまで手術実績でたたき上げてきた方ですから、左右の内胸動脈の縫合処置にくわえ、不整脈を防ぐための左心耳の処置も施しており、これを想定していたこととして、それでも執刀時間を短くした腕はさすがです。

 しかし、重ねて申しますが「神の手」など存在しません。私がわが国の医療に対する国民的誤解と無知の拡大を恐れるのは、わが国に蔓延してきた「医師を権威として患者がそれにただひれ伏すという形骸」が、決して私たちの幸せな人生の歩みを助けはしないからです。

 たとえば今回でも、何らかの想定外の事態が発生した場合、執刀時間が長引いた可能性はあります。それでも日本の医師は、下した診断による症状を「治すこと」を絶対的な目的とし、患者に対して有形力を行使し続け、結果やたらに長い時間を病院で過ごさせる傾向が強いのです。これはもう「医療」とは呼ばず、本来医師にとってもよい環境とはいえません。

 政策研究所の代表として私は、医療現場と増大する医療費の問題に取り組む中で、この誤った現場哲学が、辿りつつある日本の医療と社会保障の崩壊の一翼を担ってしまっていると気づきました。

 私が陛下の御年齢と御体力を心配申し上げたのは、想定されるこの「医師の独善」ともいえる有形力の行使が、たとえ患者の症状を改善したとしても、逆に寿命を縮めることになる場合があるためです。

 陛下は、医師の説明を受けられ、すべて御自ら御納得をされたと伺っています。これから術後経過を見られることになりますが、望ましいのは、いたずらに陛下の御安静を周囲が強制するのではなく、一日も早く普段の祭祀を執り行っていただくことです。それが、陛下の御体力の回復にもよい作用をもたらすと願ってやみません。

 皇尊弥栄。

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『手術の成功と医療』に1件のコメント

  1. 読者:

    小生も心より、陛下のご快癒を祈念しておりますが、
    やはり手術チームの副リーダーが大逆教団の幹部だったと言う事は極めて問題と思います。宮内庁の意図を問わねばなりません。
    残念ながら良識的識者の指摘通り、陛下のご容体については完全に大逆教団とその後ろ盾である特亜三国に筒抜けになるでしょうね・・・。