米軍が韓国側に「NO」

皇紀2673年(平成25年)7月21日

 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/19/……
 ▲朝鮮日報:統制権 米軍統合参謀議長「移管は予定通りに」

 十六日記事で取り上げたように、二年後の十二月に米韓連合軍司令部が韓国軍主体に改組(事実上の解体)することで本年六月一日、米韓両政府は合意していましたが、そもそも盧武鉉元大統領が言い出して始まったこの構想に、韓国政府は今頃になって何とかして米軍を韓国に置いたままにしようと別の要求を次次にし始めています

 米韓の軍事同盟に穴が開けば「日韓戦争」を起こそうという虚妄の類いを書き立てる韓国人がいれば、一方で国防部は戦時作戦統制権の韓国軍移管を先延ばしにしようと米国側に提案していましたが、マーチン・デンプシー統合参謀本部議長は十八日、連邦議会の上院軍事委員会の公聴会で「予定通り進める」と語りました。

 かねてより「在韓米軍の撤退行程は予定通りだ」と申してきた私に対し、日韓の歴史問題などで安倍晋三首相を牽制するような米政府に「実はそのつもりがないのでは」といったご疑問を複数の方から頂戴していましたが、決してそうではありません。米軍はもはや朝鮮半島に対して著しく興味を失っています

 北朝鮮の金正恩第一書記の体制に不満のある中共がいわば「再傀儡化」を模索している件でも、米国は中共に騙されるつもりではなく、北朝鮮の管理を中共に任せ、中共に擦り寄る韓国を見逃し、朝鮮半島の全てが事実上中共のものになっても太平洋防衛に影響がない、或いは予算規模の縮小からそこまで手が回らないのでいっそ潔く諦める、人民解放軍や中共の体制そのものにも必ず限界がくる、という方針に落ち着いているのかもしれません。

 だからこそ米政府は安倍首相に対し、当面の金正恩体制と日本国民拉致事件の解決を話し合わないよう要請してきたと見るべきです。現に飯島勲内閣参与の訪朝で進みかけた日朝交渉が頓挫しています。

 朝鮮日報は、韓国軍の資金面に問題があると指摘したデンプシー統参議長の答弁書に「この部分は、韓国側の要求によって統制権の移管時期を調整できる余地を残したもの、と解釈されている」と書いていますが、とんだ勘違いでしょう。

 これは韓国経済そのものが危機的で、財政破綻寸前であることの懸念を背景にしたもので、目下行なわれている在韓米軍駐留経費負担(思いやり予算)交渉でも、韓国は米政府の信用をほとんど得られていません。

 よって、一時は米軍から上がったとされる「連合戦区司令部」の創設案(司令官を韓国軍大将、副司令官を米軍大将とする異例の案)も、連合軍司令部や統制権の行方に関わらず、実現はないものと考えられます。

 私たちは、いよいよ占領憲法(日本国憲法)を「憲法」としてきた占領統治体制の保守では太平洋防衛が極めて困難になるということを思い知らなければなりません。

 石原慎太郎東京都知事(当時)が米ヘリテージ財団のような「ゴリゴリの米保守派」の組織が主催する場で、沖縄県石垣市尖閣諸島の購入とともに占領憲法の無効を口に出来たのは、まさしく日米関係の今後決定的、且つ現実的な変化、または求められるわが国の能動的な変化の前触れに違いないのです。

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あとがない国どうしの対話

皇紀2673年(平成25年)7月20日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130719/chn130719……
 ▲産經新聞:【田村秀男の国際政治経済学入門】 米中戦略対話で見えた中国の“危機”
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130719/amr130719……
 ▲産經新聞:【デトロイト破産】 「偉大な都市が…」企業も人も去り ゴーストタウン化
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130718-OYT……
 ▲讀賣新聞:日本に「再交渉、蒸し返し認めぬ」…TPPで米

 自動車産業を象徴する大都市として知られてきた米中西部ミシガン州のデトロイト市が十八日、連邦破産法第九条の適用を申請し、財政破綻しました。負債総額は百八十億ドル(約一兆八千億円)で、史上最大規模です。

 こう聞きますと、私なんぞはつい映画『ロボコップ』を思い出してしまいますが、破綻した自治体を巨大企業体「オムニ社」が事実上乗っ取ってしまうというのが物語の基本でした。

 もう何年も前から申してまいりましたように、製造業でわが国に勝てなくなった米国がこれを諦め、金融賭博で経済をまわし始めた結果、これも破綻して(いわゆる「リーマン・ショック」)、雇用を守るためにやはり製造業への回帰を宣言したオバマ政権でしたが、慢性化した産業都市の荒廃はもはや致命的だったのです。

 これに先立って首都ワシントンD.C.で開かれた米中戦略・経済対話は、究極的に伸びしろを失った中共が米国に尊大な態度をとり、ゆとりのない米国は必死にこれを突っぱねて終わりました。産經新聞社が指摘するほど、危機的なのは中共だけではありません。

 とはいえ、中共が或る案件を巡って尊大な態度をとる時は必ず彼らにとって「あとがない」せいであり、田村秀男氏の解説を要約しますと、米連邦準備制度理事会(FRB)に量的緩和を縮小されれば実のところドル依存の人民元札が刷れなくなって、市中の銀行による融資が止まり、国策経済の一切が機能停止します。

 わが国に対し、沖縄県石垣市尖閣諸島の問題で異常な態度をとり続けるのも、資源の確保に於いて「あとがない」中共の焦燥感が露わになっているだけであり、米国はこれらを知っていますから、中共が米国債を大量に引き受けていても、いえ、そうだからこそ彼らの脅迫には屈しません。

 しかし、米国にもゆとりがありませんから、自国や欧州もやり続けてきた金融緩和策を安倍政権になってやっと日本がやり始めた途端、これをやらせないよう、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の中でわが国に突きつけようという稚拙な思惑が連邦議会内に発生しています。

 これはデトロイト市の財政破綻と無関係ではありません。わが国政府は、このような各国経済の情勢と思惑をよく読み取って、TPPへの参加の判断を慎重にすべきです。それは私が反対派だから申すのではなく、中共を意識してTPPに参加すればかえって守るべき日米関係が悪化していく可能性にまで考えが至っているか否か、ということに尽きます。

 小泉政権下でわが国の地方都市もかなり疲弊してしまいましたが、それでもわが国ほど資源、食糧、製造業のいずれに於いても多くの伸びしろを未だ有している国家は他にありません。少なくとも欧米諸国はそうと知っているのに、知らずに怯えるがごとく暮らしている私たちは、安倍晋三首相が取り戻そうとしている日本の姿を(ともすれば首相自身も)全く想像出来ていないのです。

 占領憲法(日本国憲法)こそが自分たちの「憲法」だと思い込んできたのですから無理もありませんが、そのような偽りの保守体制からの脱却こそ、安倍首相が目指す「戦後レジームからの脱却」である、と私たちが容易に想像出来て初めて政治が変わるのです。

海保長官人事で見えた覚悟

皇紀2673年(平成25年)7月19日

 http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130718/……
 ▲zakzak(産經新聞社):首相、尖閣死守人事 海保長官に初の「制服組」を起用

 安倍内閣は十七日、八月一日付で北村隆志海上保安庁長官を退任させ、後任に佐藤雄二海上保安監を充てる人事を決めました。海保長官はこれまで国土交通省から出向する官僚が務めてきましたが、海上保安大学校出身のいわゆる「制服組」が長官職に就くのは初めてのことです。

 この人事は間違いなく安倍晋三首相の強い意向によるもので、首相は同日、沖縄県石垣島の海上保安部を訪れ、中共の公船らによる領海侵犯などに対応する巡視船「いしがき」に乗船し、保安官たちの前で尖閣諸島を断固守りぬく姿勢を示しており、航空自衛隊宮古島分屯基地でも同様の演説をもって隊員たちを激励しています。

 私は六月三十日記事で各省の新しい事務次官人事を取り上げる中、外務省の斎木昭隆新次官の登用について、唯一「大いに歓迎します」と評しました。それは斎木元亜大洋州局長が北朝鮮による日本国民拉致事件の解決に携われるようになってから、一貫してわが国の立場を特に中韓朝に対して強く主張してきたからです。

 彼ほどの外務官僚はそういません。何度も申してまいりましたように、安倍内閣の方針に関する情報が即時中韓に漏洩している可能性が極めて高いのは、自民党内にいる親中、親韓の議員が、わが国の私たち国民によって選ばれた国会議員が、「せっせと日本を裏切って中韓に貢いでいる」疑いがあるためであり、外交の主導権をこのような「売国議員」に奪われないよう、安倍首相にとっては斎木次官という布石を打っておく必要があったのです。

 国交相は公明党(創価学会)の太田昭宏元党代表にその地位を譲っているだけに、中共による対日武力侵略に捜査権限をもって対抗する最前線の海保長官には、やはり現場の佐藤海保監という布石を打たねばなりませんでした。

 今回の極めて重要な人事で示された安倍首相の覚悟は、すなわち私たち一人一人の覚悟でもなければなりません。占領憲法(日本国憲法)を「憲法」として未だに有効とし、その下位の自衛隊法を遵守する限り、たとえ中共公船が発砲してきても「防衛出動」を閣議決定することは実のところ不可能ですが、このままでよいのか否かが、まさしく私たちに問われているのです。

 私たちが「ぼんやり」したままでは、安倍首相しかり佐藤新長官も事態に対応出来ないまま「強がり」を言うだけの無能者にされてしまうでしょう。だからこそ私たちの覚悟なくして政治は動かないのです。

韓国は最終段階に入った

皇紀2673年(平成25年)7月18日

 http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130717/……
 ▲zakzak(産經新聞社):韓国、末期症状 経済悪化で治安崩壊! 朴大統領の身辺に重大懸念
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130714/kor130714……
 ▲産經新聞:【アシアナ機事故】 「客観的で公正に」韓国、事故調査で米に抗議 操縦ミス説拡大を警戒

 ジャーナリストの加賀孝英氏は、致命的な経済危機が始まった韓国で治安が崩壊しつつあり、特に私たち日本人に対する暴力が横行していると警告しています。

 全てが事実だと断言は出来ませんが、既に在釜山日本国総領事館の領事が日本人であるという理由だけで暴力事件に巻き込まれており、日本人留学生が島根県隠岐郡隠岐の島町竹島を「韓国領」、或いは日韓併合下の朝鮮半島で慰安婦としてはたらいていた女性を「従軍を強制された慰安婦」と答えなければ不当に単位を与えられなかったり、大学教授から「工作員容疑で告発する」などと脅迫されるという事態にまで発展しているようです。

 さらに、これは私も数日前、某氏に話したことなのですが、どうやら朴槿恵大統領が亡父に反して「反日」路線に突き進んでしまった理由の一つは、かつて暴漢に襲われた心的外傷もあって、朴正煕元大統領のように暗殺されてしまうかもしれないという恐怖に駆られている可能性が極めて高い、と。加賀氏もそのことに言及しています。

 朴大統領は米国と中共を訪問しただけで未だわが国を避け、ほとんど青瓦台(大統領府)から出て来ないのは、李明博前大統領が着火してしまった「反日の過激化を端緒に韓国経済が崩壊する時限爆弾」の導火線にもう後がなく、それでも、いえ、だからこそ「反日」でも言わなければ国民の不満が直接自分に向けられると気づいているからに他なりません。

 実のところ今日の顛末の責任は、よって李前大統領にあるのですが、不運なことに朴大統領は国家の死に水を取らされることになるでしょう。まさに「八方塞」のまずい時に、ただ怯えるだけの人物を一国の為政者にしてしまった国家の運命がどうなるのか、私たちは決して他人事ではなく、あまり関わらないようにしてよく見ておく必要があります。

 米国の桑港国際空港で事故を起こした韓国のアシアナ航空機に関する米運輸安全委員会(NTSB)の事故調査に対しても、韓国世論のみならず韓国政府までもが調査や機長らへの取調べを妨害し、むしろザ・ボーイング社に問題があるかのような言動を繰り返しています。

 生存する乗客八十三人がなぜかアシアナではなくボーイングを提訴すると発表したり、NTSBが韓国人に対して「差別的扱いをしている」などと抗議しようとしたり、最近の韓国および韓国人の態度は異常を極めていると申して過言ではありません。

 そのくせ十六日記事で言及した通り、韓国は米国に対し、米韓連合軍司令部の改組(事実上の解体)を延期するようお願いし、一方で中共に擦り寄って自ら朝貢の歴史を繰り返そうとしています。

 私は「彼らはもともとそういう人種だ」といった意見に賛同するつもりなど、例えば拓殖大学の呉善花教授らのお話を伺えば伺うほど、一切ございませんが、金泳三または盧武鉉政権下にも増して狂気の沙汰としか思えない「反日」をはじめとする韓国人の排外行為と自己弁護、虚勢の類いに、なるほど「日本人狩り」が始まったと聞いても驚かなくなりました。

 以前にも警鐘を鳴らしたように、わが国の企業は一刻も早く韓国や中共から撤退すべきであり、私たちは残念ながら彼らの国を訪ねる機会を諦めねばなりません。私自身は訪韓時に大変親切にしていただいた体験がありますが、国家の崩壊が目の前に迫った「終末の国」は、このような断末魔の様相を呈します。

 ますますわが国は亜州全域の安定に果たすべき役割が増すのだという覚悟を、私たち一人一人がしなければならないのです。

元首相が安倍首相を提訴?

皇紀2673年(平成25年)7月17日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130716/stt130716……
 ▲産經新聞:菅元首相が安倍首相を提訴 原発事故めぐり「メルマガで中傷記事」
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130715/crm130715……
 ▲産經新聞:民主・鈴木寛氏が女に殴られ軽傷 吉祥寺駅前で街頭演説中、ボトルの液体かけられ

 菅直人元首相は十六日、国会内で記者会見を開き、東京電力福島第一原子力発電所事故について、安倍晋三首相が「海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だった」とメールマガジンに記載し、現在も閲覧出来るようになっていることに対し、安倍首相を名誉毀損で提訴したと発表しました。

 この兆候は十三日記事でも申した通り、菅元首相が今月十日、ブログやツイッターで安倍首相が「大陰謀」を企んでいるように騒ぎ立てたあたりで現れていましたが、同時に吉田昌郎元所長がお亡くなりになり、海水注入の中断について東電本社や政府に遠慮なく証言出来る人物がいなくなってしまったことで、顕著になったとも申せます。

 菅元首相は、同日付で出した「名誉毀損の訴えを起こすにあたって」という文書に於いて、「参議院議員選挙期間中のネットを使った悪質な名誉毀損行為」などと提訴に踏み切った理由を書きたてていますが、総務省の公職選挙法に関する解説では、過去に配信されたものまでその対象とはしないとあり、ゆえに名誉毀損という別の罪を安倍首相に被せる手を思いついたのでしょう。

 インターネット上に事実ではないことを書かれ、それが今もって全く削除されないという不当な現象は私に対してもあることで、多くの国会議員や地方議員、或いは文化人や芸能人もほとんど泣き寝入りの状態にありますが、首相経験者が自身の行いを批判されて現職の首相を名誉毀損で訴えるなど聞いたことがありません。或いは、菅元首相はわが国の首相だったという自覚がないのでしょうか

 前出の十三日記事で私は、海水注入を中断させたのが菅元首相だったことを自身が平成二十三年五月三十一日の衆議院震災復興特別委員会で発言していることを控えめに紹介しましたが、一般的に破壊活動派(日本左翼)が保守派の言動を非難する時は徹底的です。

 その書き方は概ねいちいち人格否定に及び、そのくせ「人権」が大事であり、「平和」を愛するのだと謳うのが彼らであることに、私たちは何度でも驚かされます。

 菅元首相による今回の提訴騒ぎも、極めて破壊活動派的手法です。このようなことを書くと私までお叱りを受けるのかもしれませんが、彼は今回の参院選候補者ではありません。為政者だった者の歴史的政治決断を批判して、どうして安倍首相が提訴されるのでしょうか

 このようなことですから、実際の民主党候補者が街頭演説で酷い目に遭うのです。

 選挙の候補者から握手を求められて拒絶したいがあまりに殴りかかったというのは決して許されない行為ですが、楽天の三木谷浩史会長兼社長に期日前投票で投票されたらしいこの候補者が報道各社の取材に対し、「日本は言論の自由が守られている国だったが、改めて自由にものが言える社会にしていかないといけない」などと語ったのは、「言論の自由」の「責任」を説くと同時に、そのまま菅元首相に向かって訴えるべきことではありませんでしたか。