「国連」というデタラメ
UN(俗称・国連)の内部査察室を仕切ってきたインガブリット・アレニウス事務次長(瑞国=スウェーデン出身)が、潘基文事務総長(韓国出身)を「彼の行動は嘆かわしいだけでなく厳しく非難されるべきだ」と批判して退任しました。
http://mainichi.jp/select/world/
news/20100721dde007030045000c.html
▲毎日新聞:国連 幹部、異例の事務総長批判 査察室トップが退任
日本では、かつて存在した国際連盟になぞらえて、第2次世界大戦の連合国組織である「United Nations」を中共のように「?合国」とは直訳せず、「国際連合=国連」と呼称しています。しかし、これでは組織の性質を正確に捉えられませんし、連合国ではなかったはずの中共が安全保障理事会の常任理事国であるという出鱈目をそれと指摘することもできません。
正確な言語表現をあえて封じる思考停止の仕組みは、日本国憲法が大日本帝國憲法のもとに講和条約として有効でありながらも、国家の基本法たる憲法としてはまったく無効であるという法理原則にも気づかせないわけです。
で、UNというのはあくまで連合国中心の組織ですから、彼らの利益のために存在していると言っても過言ではなく、発展途上国(現在は韓国)から事務総長を選出するというのも、彼らなりの偽善的措置なのでしょう。
そこはまさに独善的な利益誘導の戦場であり、内部監査など機能するとは思えません。アレニウス次長が査察体制の強化に乗り出したところ、潘総長と彼の側近たちが横槍を入れ、別組織を立ち上げて対抗しようとしたそうです。よほどバレては困るような何か汚いカネの動きでもあるのでしょうか。次長はUN(連合国)の透明性促進を諦め、辞めていきました。彼にもまた、意固地にならざるを得ない何かがあったのかもしれません。
このような報に触れますと、私はどうしても平成16年製作・18年日本公開の南ア英伊合作映画『ホテル・ルワンダ』(テリー・ジョージ監督)を思い出します。本作の日本公開には「『ホテル・ルワンダ』日本公開を求める会」(当時)が立ち上がるほど難条件(内容が暗い・配給権が高いなど)が重なりましたが、平成6年に発生したルワンダ紛争で連合国は何をしたか、いえ、いかに何もしなかったかがよく分かる映画を観ることができてよかったものです。
ルワンダの旧宗主国ベルギーは、同じバントゥー系人種であるにもかかわらず、農耕民のフトゥ族と統治階級のトゥチ族に分別する最低な植民地政策を敷き、それがこの紛争の元になってしまいました。大日本帝國が台湾や朝鮮に敷いた皇民化政策とは違い、現地からただ搾取するための欧米型植民地政策というのは、こうしてアフリカ諸国に今日の貧困と火種の原因を残していたのです。
当時ソマリアへの軍事介入に失敗したばかりの米国はもちろん、定めし連合国の本音は、内陸の小国ルワンダで発生した120万人以上もの虐殺に介入したところで自分たちに何の利益もないというものだったに違いありません。
決して平和維持軍司令官として現地に入ったロメオ・ダレール氏個人の責任だったとは言えないでしょう。本作では、氏をモデルにしたオリバー大佐(『48時間』のニック・ノルティ)が登場しますが、彼は連合国本部の積極的な後ろ盾もなく、混乱した現地でなすすべもありません。
そんな中、1人でも多くの同胞を救おうと命がけで自身が副支配人を務めるホテルに約1200人を匿うのが、ポール・ルセサバギナ氏(ドン・チードル)です。ドン・チードルと言えば、私が好きだった米テレビドラマ『ピケット・フェンス』(テレビ東京や毎日放送の深夜枠でかつて放送)で真摯な地方検事を演じていましたが、本作でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。ほかに『レオン』のジャン・レノも出演しています。
未見の方には是非とも本作をご覧いただいて、「国連」の決定は「全世界共有の意志」的な虚構、UN平和維持活動・平和維持軍という「対日占領憲法第9条と日本自衛隊の関係」ほど出鱈目な行為と組織について、よく知っていただきたいと思うほどです。民主党の小沢一郎前幹事長は、例えばこのルワンダ紛争の顛末を知っていてなお、いわゆる「国連中心主義」なんぞを掲げたのでしょうか。