「米が日本外した」の誤解

皇紀2680年(令和2年)1月28日

米外資新規制、日本「ホワイト国」外れる 強まる安…(写真=AP)

米財務省は安全保障の観点から対米投資を規制する対米外国投資委員会(CFIUS)の届け出を免除する「ホワイト国」のリストを公表した。2月13日施行の外国投資リスク審査近代化法(FIRRMA)の新規則か

(日本經濟新聞 電子版)

 すべては、この日本經濟新聞社配信記事が元凶でした。あたかも「韓国をホワイト国から除外した安倍政権が、あの『日米は完全に一致しました』でお馴染みの安倍政権が米国にホワイト国から外された」というような論調で、まるで他人事のように「日本ざまぁみろ」と喜ぶ国内の異常な声がこの数日沸き上がっています。

 実際「どういうことでしょうか」との問い合わせがありました。お答えします。

 まず、これは貿易や輸出管理の話ではありません。米財務省のプレスリリースで、対米外国投資委員会(CFIUS)が新設した例外外国(excepted foreign states)制度に、日本が含まれていなかったというだけです。

 では、どこが「例外」に選ばれたかと申せば、かつて大英帝國の植民地だった「ファイヴ・アイズ」と呼ばれるUKUSA協定締結国(英・豪・加・新・米)のうち、英国と英連邦加州・豪州のたった三か国であり、むしろ外されたのはニュー・ジーランド(新州)でした。

 すなわち、これに初めからわが国が指定してもらえると考えるのは無理があり、含まれていなくて当然なのです。それを「ホワイト国から外された日本」というように報じた日經は、対日ヘイトスピーチ(日本憎悪差別扇動)記事を書いたようなもので、実態とはあまりにかけ離れています。

 ただ、この制度に於ける例外外国の対象は今後拡大しますが、恐らくわが国はどの段階に於いても当分指定してもらえないでしょう。なぜなら、いわば「中共人民は共産党指導の下で日本の不動産を取得し放題」というような投資環境を、或いは半導体や原子力分野の安全保障にかかわる日本企業への出資が極めて緩く認められ放題になっている現状は、明らかに「日本とは情報共有できない」と判断されてしまうものです。

 安倍政権は、一刻も早く技術流出防止のための出資規制を強化しなければなりません。よく「諸外国に開かれた投資環境を」など「開国」というような言葉を使って説明する出鱈目な評論家やジャーナリストがいますが、これらは中共の共産党と手を組んでか国民的危機意識を持たせないよう誘導するものです。

 今回の煽情的報道といい、不正確な意見や情報に踊らされてはならないのです。

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