露に値踏みされる安倍首相

皇紀2676年(平成28年)10月13日

 昨日発生した東京大停電。都内在住で大変な思いをした方もおられたでしょう。霞が関でも一部の省庁で停電したそうで、最初はテロリズム(破壊活動)を疑った職員もいたようです。埼玉県新座市にある東京電力送電用の地下ケーブルが経年劣化で燃えた結果、これだけの停電を起こしたというのなら、政府はやはり水道管やガス管などと同様に「国家的社会基盤再整備事業」を打ち出し、大規模な財政出動をすべきではないでしょうか。

 さて、日露講和交渉について、十一日記事で取り上げたいわば「腰砕け」の兆候を、六日記事で安倍晋三首相と岸田文雄外相の国会答弁から察知していたわけですが、そもそもなぜこれほど官邸主導から外務省ペースになってしまったのでしょうか。

 どうやら九月八日に予定していた日米首脳会談の直前中止が響いているようです。ラオス(寮国)にて開催された東アジアサミット(東亜首脳会議)で、事実上最後の安倍・オバマ会談を開くはずが、首脳会議が長引いたことを理由に米国側から中止を申し入れてきたため、これを外務省のみならず首相官邸も「日露接近を嫌悪する米国のサイン」と受け取っています。

 さすが現行憲法(占領憲法)行政とも申せますが、関係の深い国との事前調整は、事務方の職務であり、それすらしないからこうなるのです。特にシリア問題があるせいで、世界に与える影響も極めて大きい日露講和がどれほどの偉業か、わが国側がまるで分かっておらず、ほとんどの職員が「日露二国間協議」程度の認識でいるのかもしれません。

 十一月、十二月の日露首脳会談の「がっかりさせられる結果」は、このほど訪仏を中止したウラジーミル・プーチン大統領のせいではなく安倍首相側に原因がある、と先に申しておきます。驚くほど覚悟を決めない安倍首相に、プーチン大統領が不信感を抱き始めてもおかしくないレヴェルの話だからです。

 http://www.sankei.com/west/news/161004/wst161004……
 ▲産經新聞:【今週の注目記事】「奪われた領土」極東ロシアに流れ込む中国人…“スーツケースで侵略”は危険な火ダネ

 その上で、この産經新聞社記事をお読みください。以前から露中の「蜜月」はないと申してきましたが、外国人(カール・マルクスもウラジーミル・レーニンもユダヤ人)による共産主義革命で乗っ取られた「祖国」を取り返すことに執心してきたプーチン大統領が、そうやすやすと習近平国家主席なんぞを信用するなどありえません。

 プーチン大統領は、もちろん安倍首相のことも様子を窺ってきました。どこまで「愛国者」なのか、安倍首相が試されているのです。だから首脳会談の結果が……。

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『露に値踏みされる安倍首相』に4件のコメント

  1. 心配性:

    最近、シリアの惨状やウクライナの混迷に深く関わるプーチン大統領に接近する安倍総理はよろしくない、距離を置くべきだという意見が多く聞かれるようになりました。
    安倍総理に目を覚まして欲しいのか、必死に訴えている方もいらっしゃいますね。
    昨日は、反米のドゥテルテ大統領と仲良くするのはけしからんという報道も目にしました。

    とは言っても、それを真面目に実行しているストイックな国は少ないでしょう。

    トルコの様に大っぴらにロシアとの関係改善を進めている国や、フィリピンの様に指導者が「ロシアとの貿易同盟」を口にする国もありますが、水面下で着々と交流を進めている国も沢山あるでしょう。
    相手がロシアでなく、中国や北朝鮮であったとしても、各国ともしたたかに「国益」を追及している事と思います。

    ロシア・トルコ首脳会談、ガスパイプライン建設で合意
    http://jp.reuters.com/article/putin-erdogan-idJPKCN12B06I

  2. 打倒共産民進自滅:

    何故露に値踏みされるか
    答えは簡単
    国内に足を引っ張る連中がいるから
    日本の力が半分しか出ない
    そら~、足元見られる罠~。

  3. きよしこ:

    今回の大停電が、設置から35年も経過したケーブルの切断が原因と聞いて、もう4年も前になりますか、笹子トンネルの崩落事故を思い出しました。あれも経年劣化と杜撰な設備点検が原因でしたが、今も日本中のインフラは建築から相当年数が経過しており、いつ崩壊してもおかしくないような状況です。私はむしろ、今回の大停電がさらに大きく問題意識を喚起してくれないかと密かに期待しています。そしてインフラ再構築のための財政出動も、おそらく五輪前の今回がラストチャンスでしょう。またぞろどこかの嘘吐き党首や「党名出戻り政党」がばら撒きだのと主張しそうですが、次の補欠選挙の心配でもしてろと言いたいです。

    さてつい先ほど、タイ王国のプミポン国王崩御の報に接しました。実は私の父がたびたび出張で現地を訪れており、普段は政治の話などしないのですが、「国王はすごい人気なんだけど、息子は不人気なんだよなぁ」「どっちかの眼が義眼なんだよ」と言っていました。いずれにせよ、度重なる政治的混乱やクーデターに見舞われながらも70年の永きに亘り国を治めてきた国王陛下の御霊に、ただ御冥福の祈りを捧げるばかりです。

    それでも明日以降も、不敬千万な「天皇の生前退位」を既成事実化しようとする我が国のメディアはそのことで「特別措置法を制定すべきか」などといった世論調査を敢行したり、例えば沖縄の高江で行われている「反対運動」という名の単なる破壊活動の隠蔽を続けたりするのでしょう。それらに振り回される天皇陛下や皇族の皆様方を思うたび、占領体制の恐ろしさと、自分の無力さにため息をつくことしかできません・・・

  4. miku:

    日韓合意も移民受け入れも消費税増税も。。。
    全ては安倍総理の悲願である憲法改正を
    妨害されないための布石

    こう考えると、安倍さんの動きが全て1本の線でつながります。

    言うまでもなく憲法改正にもっっとも影響が大きいのが
    アメリカの意向。プーチンよりもオバマを優先するのも然り

    英霊を侮辱されようとも、デフレで経営者が自殺をしようとも、
    増税で庶民がいくら苦しめられようとも、
    移民受け入れで社会が混乱しようとも
    憲法改正をするためには仕方がない

    これが安倍総理の「真意」ではないでしょうか?