甘利氏辞任とバズーカ発射

皇紀2676年(平成28年)1月30日

 http://www.sankei.com/economy/news/160129/ecn160129……
 ▲産經新聞:日銀、マイナス金利導入 当座預金に0・1%手数料、物価目標達成は先送り

 私は十八日記事で、黒田東彦総裁が今月末の日本銀行金融政策決定会合で追加の量的金融緩和(いわゆる「黒田バズーカ第三弾」)を「恐らく決める」と申しました。

 しかし、いわゆる「経済の専門家」たちの間では、追加緩和を決めれば市場に金融政策の「打ち止め感」を与えるといった理由から、否定的な見解が多く飛び交っていましたが、黒田総裁は中央銀行としてできることはすべてやる人です。

 欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁が二十一日に追加緩和に踏み切る可能性を示唆し、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを落とすようだと分かった以上、日米の金利差が開き続けることへの懸念を払拭しつつ、いわば「ドラギ越え」をも視野に入れたようなものでしょう。

 史上初となるマイナス金利の仕組みは、皆さんももうお分かりのことだと存じますが、予測される最悪の展開は、日銀への預け損を転嫁するために銀行が企業などへの貸出金利を引き上げるかもしれないことであり、ECBが既にマイナス金利にして景気がよくなったとは言えないことが批判材料に上げられると思います。

 とはいえ黒田総裁の目論見は、会見では否定しましたが、長らく続いた以前の異常水準ではないにせよ円高に戻ってしまうのを避けることと、消費や投資を活性化させ、市中にお金が回るようにするための考えうる施策を恐れずにやると全世界に示すことに他なりません。

 さて、この会合の日程はもちろん定例ですから決まっていたもので、甘利明前経済財政政策担当相が辞任を発表する日をその前日としたのは、見事でした。

 他紙も逃げた筋の悪い「告発話」を週刊文春が掲載してしまってから約一週間を要したのは、全て安倍内閣の経済政策のためでしょう。黒田バズーカにより後任の「置物」などどうでもよい、まさに「あなた(石原伸晃新担当相)はただの置物」と言われたようなものです。

 日銀は独立機関ですが、安倍首相と黒田総裁の意思疎通は今も変わらず良好な状態であり、第一次内閣の反省点について申せば、かなりのレヴェルで現在の安倍内閣のすることは恐ろしいと思ったほうがよいでしょう。中韓は聞こえていますか?

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『甘利氏辞任とバズーカ発射』に1件のコメント

  1. ゆき:

    すれ違いですいません。甘利氏も時の人だが、イランがこのところ欧州で外交を繰り広げている。是非動向について知りたいと思う。今日の池上氏の時事―中東解説はー私がよく見る高橋和夫さんのブログでの専門家達が書き記したこと、それも数か月前に。ただ真似をしているだけで番組が流行るなんて甘い世界だ。イラクのバース党を米国が追い払ったことがイスラム国家成立につながったことなど。日本は戦後官僚機構が生き残ったのが大きな違いだが。民主、共和党やイランイラクの違いもわからないような芸能人ばかり集めて得意がる今も昔も変わらぬ日本。