甘利大臣辞任で救われた?

皇紀2676年(平成28年)1月29日

 http://www.sankei.com/politics/news/160129/plt160129……
 ▲産經新聞:【甘利氏辞任】与党に衝撃 国会審議控え「格段に影響違う」の一方で「驚いたが安堵した」との声 後任人事には当惑も

 甘利明経済財政政策担当相が二十八日夕、辞任を表明しました。各社報道が「驚き」を表現していますが、ここでは、二十一日記事で「甘利担当相がこのまま辞任ということもあるらしい」、またはその翌日記事で「甘利担当相は事態のまずさを十分把握しているようで、安倍晋三首相が彼の「辞任覚悟」をどう処理するでしょうか」とお伝えしてきました。

 と申しますのも、この時点で既に甘利担当相は安倍首相に対し、辞表を預けていたのですが、二十五日記事で取り上げたような倒閣工作の怪しい臭いが漂い、本人自らもそれに言及するなどしたことから、辞任を回避、または環太平洋経済連携協定(TPP)の調印式までは辞任しない、といった憶測が飛び交ったため、報道各社も迷ったのでしょう。

 しかし甘利担当相は、極めて利口に振舞ったと思います。ここで「嵌められただけだよ」の甘言にのって意地をはれば、安倍内閣に於ける風格を失い、何かにつけて「甘利問題」と言われ、政治生命そのものも失っていくだけでした。

 自分たちも出鱈目な政治資金規正法上の問題を数多起こしている民主党ら野党は、いわば「一強」と言われてきた安倍内閣の潮目が変わったなどと言っているそうですが、甘利担当相が予定通り辞任したことにより何ら変わりません。嫌な変化を起こさぬようにといって甘利担当相が辞めたのです。

 それに、二十八日の会見で甘利担当相が読み上げた文章は、東京地方検察庁特別捜査部の元検事が書いたものなのか、とてもよくできていました。問題が清島健一公設第一秘書の三百万円の使い込みだけだと分かり、斡旋利得処罰法違反に問えるような代物ではないことも判然としています。

 あとは、この重要閣僚を甘利代議士以外にやらせたくなかった安倍首相が、いわゆる「置物」を後任に据え、決して(後任の噂があった)林芳正参議院議員なんぞにはやらせなかったことで、TPP参加協議に参加してからの経緯がますます分からなくなるのです。

 甘利代議士以外に答弁の適任者はいませんから、林議員のように誤魔化す能力のない人が後任では、案外安倍首相の思惑通りに事が進んでいるのかもしれません。

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『甘利大臣辞任で救われた?』に1件のコメント

  1. 心配性:

    全力で詐欺の片棒を担いでしまった週刊文春に対し、心配する声や批判する声が高まっているようですね。
    当たり前ですが。

    是非とも薩摩興業、一色氏、文春側の「闇」ものぞき見したい、背後に蠢く「陰謀」を知りたい、というのが国民の偽らざる好奇心と切なる願望でしょう。
    今回の事件は、まさにスリルとサスペンスですから、その辺の「好奇心」に応える週刊誌が出てくると、もっと売れるでしょうね・・・

    あと、案の定宜野湾市長選挙の際には、「甘利疑惑」を持ち出して佐喜眞氏を叩く動きが活発化していたそうです。(結果はご存知の通りでしたが。)