日本産禁輸?台湾の事情

皇紀2675年(平成27年)5月15日

 http://www.sankei.com/world/news/150515/wor150515……
 ▲産經新聞:台湾、産地証明で譲歩 輸入全面停止は回避 日本食品規制強化で

 台湾の衛生福利部食品薬物管理署が通告してきたわが国産食品の禁輸騒動。ともすれば馬英九総統による「屈中」としての「日本外し」の一環かと思われるかもしれませんが、以前にも申したように現在の馬総統にそのような力すらありません。

 直接的な問題は、本年三月二十四日公表の産地偽装事件です。東京電力福島第一原子力発電所の事故後に輸入を禁じている福島、茨城、千葉、群馬、栃木の五県産の食品が、産地を偽って輸入されたということでした。

 そもそもこの禁輸措置がもはや科学的根拠を欠くものとして、政府が撤回または措置終了を要請していなければならなかったのです。

 しかし、食品薬物管理署は四月十六日、一方的に日本産品の輸入規制強化を発表し五月十五日より実施するとしていました。それが今回の騒動です。

 一方で台湾にも問題があり、それが昨年九月に発覚した廃油豚脂(餿水油)事件でした。食用油製造大手「強冠」が摘発されるも、揚げ油をよく使う料理文化の台湾で衛生福利行政への不満と不信が募り、「次に何かあったら承知しない」というような大衆の雰囲気に食品薬物管理署が呑まれていたのは事実です。

 食の安全に対して過敏になっている台湾人の事情を理解した上で、食品薬物管理署の措置がどれほど不当か丁寧に説明して解きほぐす努力がわが国に求められています。日中優先・日台断交の弊害は、このような時に最大化してしまうのです。

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