大津虐め自殺事件と人権

皇紀2672年(平成24年)7月10日

 http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120707……
 ▲産経新聞:自殺練習”の衝撃 事実隠す市、沈黙続けた女性市長 大津の「いじめ死」で新展開

 滋賀県大津市で昨年十月、同級生から暴行や自殺の練習、万引きの強要、銀行口座から金銭を引き出させるといった犯罪行為に遭っていた市立皇子山中学校二年生の男子生徒(当時十三歳)が飛び降り自殺し亡くなったことが、にわかに政治的な問題へと発展しています。

 まずは亡くなった男子生徒に衷心よりお悔やみを申し上げます。ここでは、ご遺族のご希望を確認していないうちに本名を公開することはしません。

 しかし、すでにインターネット上では被害者のみならず加害者およびその家族の名前まで出ていますが、現行法では未成年犯罪者の本名を公開できませんので、たとえ不本意でも私刑になるようなことは避けたいと考えます。

 さて、平成二十二年に公開された映画『告白』(湊かなえ原作、中島哲也脚本監督)を観た時に私が感じたのは、今の大人たちが自己愛に目覚めた思春期の、すなわち自己の確立に向けて動き出した子供たちに対する潜在的恐怖を拡大させているということでした。その心理をつくように存在価値を持つ原作であり映画であり、最大公約数的に子供とは何を考えているのか分かったものではない存在である、と。

 子供をそのように捨て置くことは、私が心理学者や精神分析学者ではない学術的興味から大学で複数の心理学の単位を取り終え数冊の専門書を読んだ程度であることを断った上で端的に申しますと、つまるところ他者の未知と化した個性に対する恐怖であり、教育能力に対する自己不信であり、もっと申せば自己否定だと思うのですが、これは日本人自身が極度に個人の自由を放置し、対外的自信を失った状態からくる一種の病的症状かもしれません。

 その上で、大津市教育委員会がそもそもなぜアンケートをとったのか、或いはその結果をなぜ無視したのかを考える必要があります。大人が子供をまったく信用していないのです。

 私が十年以上進学塾で子供たちと向き合ってきた経験から申しますと、自分がそうであったように、子供はいろいろなことを自身の得ていく知識を総動員して考え、早くも社会的調整能力を身につけようと必死でもがいています。だからこそ、市教委ともあろう組織が子供たちの声を無視して十分な虐め実態調査もせず、簡単に打ち切ったことは許されません。

 いや、もっと許されないのは学校の担任です。彼は韓国語講座も担当していた滋賀大学教育学部附属中学校から転任したてで、いわゆる「人権教育」にも熱心だったと仄聞しますが、彼は一体「人権」の何を理解していたのでしょうか。日教組の政治活動に執心する一部教職員にも同様の事例がありましたが、彼らは声高に「人権」を言うくせに「虐め」という名の犯罪行為をなくすことに積極的とは思えません。

 極端な「虐め」にせよ「児童虐待」にせよ、これらは立派に犯罪を構成しているのであって、とかくうやむやにしようとして児童相談所に無理をさせたりしてきました。また、加害児童・生徒を警察に突き出すことが「人権」に反するという考え方は、被害児童・生徒の「人として生きる権利=これが『人権』の定義」をことごとく踏みにじっているのです。本当に自分たちの不利になることを言ってきた相手ならば、平気で警察に突き出すくせに。

 大津市の事件では、加害生徒の家族に(未確認情報であることをおことわりしておきますが)元滋賀県警関係者がおり、学校と市教委が「行政側による組み手」を作って事件そのものを隠蔽しようとした(六日には学校が校内放送で生徒に「箝口令」を敷いた)形跡があります。よって被害生徒のご両親が三回にわたって大津警察署に被害届を出そうとしたにもかかわらず、なぜかすべて受理されませんでした。

 このような行政権力の恐るべき行動を沈黙のうちに後押ししたのが、日教組系の民主党から推薦されて当選した越直美市長ということになりましょう。日教組から票をもらった首長のいる自治体の怖さは、私自身がかつて兵庫県で味わった通り、ことほど左様に本物の暴行と殺人が起きた原因すら公務員が勝手に隠蔽し、加害生徒をすでに別の学校へ転校させることも可能にします。

 私たちは今後も、日教組や韓国民団、朝鮮総連、部落開放同盟らの叫ぶ「人権」の正体について広く世間に公表するものであり、虐められる児童・生徒に「強くあれ」と教えると同時に、犯罪行為に遭った児童・生徒こそ人として生きる権利が守られるべきだと訴えるものです。

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『大津虐め自殺事件と人権』に2件のコメント

  1. allco:

    殺されたかも知れ無い被害者に「人権がーっ」と、
    言わない左翼の偽人権ぶりがよく解ります。

    昨日今日始まった事ではありません。
    広島県より。

  2. matu:

    占領憲法第38条
    何人も、自己に不利益な供述を強要されない

    これでは、道徳教育はできませんね。悪いことをしても自分に都合の悪いことは言わなくて良いのですから。実際の悪事の上に、自分の良心にまで悪事を重ねることを
    お勧めします・・とまるで悪魔のささやきみたいですよ。
    悪人が増長し、増えるのを望んでいますね、この悪魔憲法。