TPP、早くも折れまくり

皇紀2671年(平成23年)11月15日

 http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&rel=j7&k=2011111300……
 ▲時事通信:米発表の首相発言を否定=「全品目が交渉対象」は誤解−外務省

 12日夜(日本時間13日午後)の日米首脳会談について、米国大統領官邸は「野田佳彦首相が『全ての物品およびサービスを貿易自由化交渉のテーブルに乗せる』と述べた」と文書で発表しましたが、外務省はこれを慌てて否定しました。

 しかし、マイケル・フローマン大統領副補佐官(国際経済担当)は、日本政府の否定を無視して「先の発表を維持する」と公言しています。氏は元シティ・グループの幹部で、 ロバート・ルービン元財務長官の側近を務め、バラク・オバマ大統領とはハーヴァード大学時代の同窓生です。

 13日記事でも申した通り、もう既に環太平洋経済連携協定(TPP)参加推進派の主張してきた「交渉次第」云々の大前提は崩れ去っており、わが国に有無を言わさぬ「いつもの外圧」がかかっています。

 この会談では、野田・オバマ両首脳が米国産牛肉の対日輸入規制緩和に向けた手続きの開始を確認し合っており、それこそ韓国企業2社に対する韓国産朝鮮漬け(キムチ)の寄生虫問題を無視した対日輸入検査免除措置と同様、牛海綿状脳症(BSE)問題の根本が未だ全く解決していないまま日本政府が折れてしまいました。

 さらに、米通商代表部(USTR)のロナルド・カーク代表は、農産物などの日本市場参入の拡大のみならず「保険と自動車市場の非関税障壁を事前協議で取り上げる」と先手を打って表明しています。

 民主党内の参加反対派は、首相会見にあった「関係国との協議」という文言が「実質的な参加表明に当たらない」としていますが、当然ながらこのような屁理屈もTPP参加4カ国+交渉5カ国には全く通じていません。真剣に反対している私たちから見て、彼らは何の役にも立たないのです。

 なお、まるで北米自由貿易協定(NAFTA)で酷い目にあった分を取り返したいかのごとく、加州(カナダ)と墨国(メキシコ)も交渉参加を表明しましたが、これでますますわが国が狙い撃ちされておしまいです。

 また、中共の政府高官がTPPに関心があるかのような発言をしていますが、為替操作国で本来経済制裁の対象であるにもかかわらず米国と通じて利益を喰い合っている中共が、これほどの多国間の実質協定に加わることは出来ません。単に「日本の参加表明で大変そうね」「米国さん、日本の管理を頼みましたよ」という余裕の態度とも言えます。

 ところが、野田首相は13日夜(日本時間14日午後)の会見で、中共の参加を促すような発言をしており、頓珍漢なことこの上ありません。TPPに私たちが右往左往させられている間にも、中共は米国と手を組みながら、裏で別の経済連携枠を模索しています。胡錦濤国家主席は、もっとも日本が主導すべき亜州太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想で覇権を掌握しようとしており、利口にもTPPなど実は眼中にないのです。

 野田首相は11日の参議院予算委員会で、国家対投資家紛争処理(ISD)条項について「あまり寡聞にして詳しく知らなかった」と答弁してしまいましたが、何度も申しております通り、これは先進国どうしで締結し合うものではありません。

 それでもこれに屈することが日本国憲法(占領憲法)違反であるという指摘を散見しますが、実は第98条の「国際法規を誠実に遵守」に於いて合憲です。外務省は、条約(協定)の締結によって国内法を改変する必要を認めており、その通りにさせられるTPPの参加と占領憲法の有効状態継続は、極めて相性の良い「大日本解体作戦」でしかありません。

 なぜTPPはわが国だけを酷い目に遭わせる、或いはわが国経済の回復にならないと断言出来るかと申せば、この2つの相乗効果はわが国でしか目にしないからです。政府が早くも折れまくっていることこそそれであり、今皆様が現実に目撃しておられるではありませんか。

 どれだけわが皇国が傷つくのを見れば占領憲法の無効に気づくのですか?

 簡略化して申せば、盗まれつつある領土・領海を奪還し、資源と食糧を確保して、金融の量的緩和で円高対策をすれば、製造業も農業もたちまち内需を回復します。それすら出来ない野田内閣が一体どの口で「交渉次第」を言うのか、私たちは批准阻止を目指して果敢に反対し続けましょう。

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『TPP、早くも折れまくり』に2件のコメント

  1. yuki:

    西田昌司代議士も糾弾しておられましたが、11日の参議院の集中審議での野田首相の答弁はひどかったですね。
    すべての国民にあの質疑と答弁の模様をご覧になっていただき、TPPに参加すれば日本がこれからどうなって行くのか、この政府の方針に賛同して本当に大丈夫なのか、を冷静に判断していただきたいです。

    米国が切望する日本のTPP参加自体、占領憲法下では不可抗力のような気もしますが、諦めるのはまだ早いですね。

  2. matu:

    占領憲法(前文でも第98条でも、、)によって我々は他国に言いなりになれと言われ、それを政府も官僚も認めているのです。
    戦勝国にすれば、今まで太らせてやったのだから これを刈り取って食べようが
    もう少し生かせておいて奴隷にしようが
    当然のことというわけでしょうね。
    彼らも一枚岩というわけではないでしょうが、こと日本に対しては協力するとみて良いでしょう、大東亜戦争と同じですね。