安倍外交の致命的失敗
台湾で二十三日午後七時ごろ、高雄発・澎湖諸島馬公行きの復興航空(GE)二百二十二便が着陸に失敗、馬公空港付近の民家を巻き添えにして墜落し、五十人以上の方が亡くなられました。衷心よりお悔やみを申し上げます。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140723/mds140723……
▲産經新聞:【イスラエル・ガザ侵攻】ガザ地区住民の7割120万人以上が水不足 国連「身を隠す場所などない」
私は七月一日記事で、安倍晋三首相とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との首脳会談について、安倍首相が狙った外交的成果よりも失うもののほうが大きかったとし、批判しました。
現在イスラエルは、バレスチナ自治区に断続的な攻撃を仕掛け、六百人以上もの犠牲者を出しています。産經新聞社記事の指摘どおり、もはやパレスチナの人たちに逃げ場はなく、悔やんでも悔やみきれません。
イスラエルが目の敵にしてきたハマースは、攻撃のきっかけにされたイスラエル入植者三人の死に関与しておらず、そもそも二年前の停戦合意以降、ハマースは一度もイスラエルを攻撃していませんが、ネタニヤフ首相は一体何を思い立ってこれほど苛烈な行動に出たのでしょうか。
前出の一日記事では、回教スンニーの過激派が「イラクと大シリアのイスラム国(ISIS)」を建造したことにも触れましたが、ISISと対峙するにはイランの協力が不可欠であり、米国もイスラエルを非難しています。
何度でも申しますが、わが国は日米関係を重視しながらも、イランとの外交関係は維持してきました。その積年の努力がありながら、占領憲法(日本国憲法)有効論によって外交基盤が弱体化したせいで成果の実らない現実を、安倍首相はまったく省みていないのです。
米国家安全保障会議(NSC)のエヴァン・メデイロス亜州上級部長は二十一日、訪米中の自民党の河井克行衆議院議員と会談し、マレーシア航空撃墜事件について「日本のしっかりした発言を期待している」などと述べました。
これも日露関係の回復を狙った安倍外交をもってして、とんだ失敗をした典型例であり、イスラエルとの関係強化といい、すべてが裏目に出ています(日露関係の回復は、ひるまず目指すべき)。
七月二十日記事で申したように、ウクライナ国内の反体制派(親露派)は、露国政府の激しい怒りを買ったはずであり、誤って撃墜してしまった可能性を指摘された彼らを、ウラジーミル・プーチン大統領が厳しく叱責することで、事態の展開はかなり変わったはずです。安倍首相が促すべきでした。
また、イスラエルに対しても何も言えなくなっている安倍首相は、イランのみならず欧米から見ても、何を考えているのか分からない不気味な極東の為政者にしか見えません。これは、私たち国民にとって不本意です。
ハマースを「決定的な脅威」と規定するにはいささか無理があり、一方イスラエルの所業はまさに「大虐殺」と申すほかありません。今はイスラエルを非難しにくいと言うのなら、停戦調停のために安倍首相がイェルサレムを訪問すべきです。
それまでもが無理な理由はただ一つ。占領憲法です。大虐殺をやめさせることもできない「自称・平和国家」の弱点は、今さら自衛権問題を議論しなければならない私たち自身なのです。
皇紀2674年(平成26年)7月25日 7:19 AM
ハマスはこれまでイランの強力な支援を受けてきた。王国を倒し原理主義に走るイランを嫌い、反イでカタ‐ルはサウジらとタッグを組むが、これまたハマスの支援国である。さらにサウジと共にタリバン政権を認めた国でもある。彼らはイラクシリアの過激派の支援国でもある。戦火拡大に貢献するこのような国に米国は何ら警告を発しない。それは軍事国家の大切な武器売却先として一番のお得意様であるからだろう。米国は自らを世界の警察官というが、武器の売却、資源の利権など国益と照らしてのことだ。その証拠に北朝鮮には興味がなかった。
米メディアに出る退役軍人は誇らしげに自分は○○戦争のベテランと名乗る。まだイラクに対して謝罪がないのに。イラクは戦後漁夫の利を受けた中国が油田を大半所有しているという。イラクに反米意識が高まり、米民間企業は近寄れないという。なぜイランが核を持つことに神経をとがらせるのか。それはイランがハマスの支援国であり、レバノンのヒズボラとも関係が深く、これらは即イスラエル国家の存亡に関わる存在であるからだと思う。それだけ米国はユダヤ系米人に中枢を握られているのだろう。