安倍危機にどう対処するか

皇紀2673年(平成25年)10月5日

※ 本日の配信が遅れましたことをお詫びします。

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0400N_U3A001C1……
 ▲日本經濟新聞:米財務省、債務不履行なら「リーマン以上の危機」

 米連邦議会に於ける暫定予算の不成立で一日から始まった政府機関の一部閉鎖に関連し、米財務省は三日、政府の債務上限が引き上げられなければ「前代未聞の債務不履行(デフォルト)に陥り、世に言われた『リーマン・ショック』と同等かそれ以上の金融危機を招く可能性がある」とする報告書を発表し、今月十七日には債務不履行回避の緊急策が尽きると警告しました。

 この米財務省の報告内容が苛烈に警告しすぎているか否かはともかく、以前から何かと不安視されてきた米郵便公社は既に五十五億ドル(約四千億円)の資金繰りがつかず、早くも債務不履行に陥ったとする報道もあります。

 私は今月二日記事で、今回の現象は日米両政府で起きていることが十六~七年前とほぼ同じであることを指摘しましたが、安倍晋三首相が消費税率を引き上げないよう決められなかったことで、来年四月に想定される民間需要(個人消費や企業投資)の低落に加えて海外要因の金融や通貨の危機が発生すれば、もはやわが国経済はその復活を許されないほど致命的に傷つく可能性が高まってしまいました。

 さて、今月三日記事に対する投稿に以下のようなものを頂戴しましたので、一部ご紹介します。

 ”一連の決定については、安倍氏ご本人の根底にある政治的志向、という可能性は無いでしょうか? 「安倍氏は徹頭徹尾グローバリストであり、新自由主義者でもあります。」という分析もあります。

 私は、例えば昨年九月二十七日記事同年九月三十日記事など、安倍首相が当時自民党総裁に返り咲いた頃から、彼について、真の自立国家の再生を目指して占領統治体制からの脱却を果たしうる政治家には見えない、と安倍首相を批判してきました。

 しかし、私たち国民の多くが安倍首相の再登板を望んでいる様子だったことから、逆に私が各所で批判されることになり、書き方には細心の注意を払わざるを得なくなったのが事実です。

 それでも私はここで皆様に対して「ほら、いわんこっちゃない」「私が正しかった」とは申しません。安倍首相への懸念が顕在化したからといって、「日本は終わった」では終われないからです。占領憲法(日本国憲法)下では誰が首相でも消費増税圧力には勝てなかったでしょう。

 一方で、安倍首相が新自由主義へ傾倒してきたことは、ここで何度も皆様にその動向の注視を促してきた産業競争力会議の顔ぶれを見ても分かります。財務省路線で増税に転じた麻生太郎副首相兼財務相とは別に、竹中平蔵氏らの路線で増税を決めたのが安倍首相です。

 これから想定される危機を私たちの力だけで回避するのはもう無理かもしれません。いや、危機想定を先回りし、内需のほうを上回らせる策は必ず見つかります。その端緒が占領憲法問題の解決にあり、資源採掘と食糧自給の政策実現にあるのです。

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『安倍危機にどう対処するか』に6件のコメント

  1. Kaori:

    遠藤様の安倍首相に対する言葉遣い、気づいておりました。
    今回の増税判断により、多くの方が気づいてきたのではないでしょうか。
    私も漸く、「安倍さんおかしい」とわかりました。
    とはいえ、政治ですから誰かの思惑通りにはならないもの。
    呆然としてしまいますが遠藤様の考察を頼りに道を切り開いてまいりたいと思います。

  2. 坂本 寛二:

    いつも拝読させて頂いて居ります。
    無学無教養な私ですが、本日の”危機想定を先回り”このキーワードに物凄い衝撃を受けました!

    昨日の日中関係の記事にも、物凄く危機感を感じております。
    どうか明日も素晴らしい記事を御願い致します。

  3. Pin:

    この度の安倍首相の消費税増税決断は非常に残念なことでした。

    しかし、民主党政権が続いていたら今後の日本はどうなってしまうのかとか安倍氏がアジア特定国以外との関係強化とか、脱デフレというキャッチフレーズで動いたことであるとかいう大きな仕事はして来ています。

    それを考えると10点満点で8点に成ったのに消費税増税決定で3、4ポイントダウンというところでしょうか。
    ですから、4月を待たずに織り込みというところで現時点で6点ぐらいの評価というところだと思います。

    今後のTPPの内容がどうなるのか、集団的自衛権憲法解釈がどうなのかなどで上手くいって評価は6点。
    失敗した5点を割るのでしょう。

    安倍内閣、応援の仕方が難しくなりました。
    やはり菅さんはいいとしてブレーンに問題があるのかもしれません。

  4. kamekichi:

    今回の増税の法案を通したのは、野田政権です。前回の増税の法案を通したのは村山内閣で執行したのが、はしもと政権でした。でも橋本ばかり叩かれます。今回もそうです。野田増税です。臨時国会でNSC法案も公務員改革の法案も審議せず、増税を止める法案を審議すればよかったのでしょうか。なぜ、そんなに安倍総理をたたくのでしょうか?安倍総理でなければ、誰をおうえんするのでしょうか?

  5. mgmg:

    まだkamekichiみたいなアベ信者がいるんだねぇ・・

    アベなら靖国に参拝しなくてもNSCが骨抜きでもシナと仲良くなっても何でもイイんだろう

    ここの読者はよそより知性派が多いように思うが時々読解力もないヤツが汚れた足跡を残してく

    法案うんぬんは遠藤氏が文中の「今月二日記事」でとっくに書いてるぞ

    決断したのは橋本であり安倍だ

    だから橋本はのちに村山のせいじゃなく自分がした増税の決断を堂々と悔いたのだよ

    これで安倍がもしあとで野田のせいにしたらまさしく外道だ

    安倍以外なら誰がイイかなんて話はここでは出てないだろ

    遠藤氏はこの状況でもまだ我々にできることがあるように言ってる

    ようは自分の頭で考えろってことだ

    安倍に限らず時の総理に絶対依存するような国民は必ず間違いを犯す

  6. ひろ:

    弊コメントにご配慮ありがとうございます。
    遠藤さんが以前から警戒感を示していたことは存じておりました。
    TPP,消費税ときて、次は、「得意の外交」である中国関連あたりが心配ですね。