フジテレビも変わったなぁ

皇紀2671年(平成23年)8月9日

 昭和20年8月9日午前11時2分、米軍が長崎市に原子爆弾を投下し、人類史上2度目となる核兵器による大量(非戦闘員約12万人)虐殺が行なわれてから66年が経ちました。

 当初標的でなかったとはいえ、米国は基督教の浦上天主堂にあった聖母像にも、原爆の閃光と強烈な放射性物質を浴びせかけ、吹き飛ばしたのです。

 6日記事では、廣島市への原爆投下を扱った映画をほんの2作品ばかりご紹介しましたが、実は長崎を舞台にした作品こそが占領統治期に初めて作られたいわゆる「原爆映画」であり、それが大庭秀雄監督の『長崎の鐘』(昭和25年)でした。

 長崎の作品は数少ないのですが、名匠と言われた木下恵介監督の『この子を残して』も、上記作品と同様に永井隆(医学)博士の随筆を原作にしています。つまらないテレビ番組より、たまにはこれら映画をご覧になられてはいかがでしょうか。

 つまらない放送局といえば、目下槍玉に挙がっているのはフジテレビジョンですが、『夜のヒットスタジオ』などの司会でお馴染みだった前田武彦さんが5日、82歳で亡くなられました。

 まずはご冥福をお祈り申し上げますが、確か「マエタケ」さんはフジテレビのこの番組中に、日本共産党の候補者が当選したことを礼賛した(一部では「万歳した」と書かれているが、それは事実でない)ため、当時フジサンケイグループ会議の鹿内信隆初代議長に激怒され、降板させられています。

 鹿内氏は、単なる「反共」の右派でしたから、このようなことが平気で出来たのでしょう。それがよいと私は全く思いませんが、やはりフジテレビも随分変わったものだなぁ、と。

 俳優の高岡蒼甫さんの「韓流捏造批判」が半ば政治的な発言だったとして所属芸能事務所をやめねばならなかったことを「おかしい」と指弾するのなら、マエタケさんが番組を干され、以後表舞台からほぼ姿を消したこともおかしかったのです。

 放送局が政治的なものを嫌う傾向はいよいよ過剰になり、結果として報道に於いてもまともな報じ方が出来なくなっています。とはいえ、今やなぜか思想的に右へ振れると消されるのに対し、左へ振れると重宝されるのは、やはりおかしいのです。

 マエタケさんは特定政党を挙げたので明確にまずかったのですが、今マエタケさんが絶頂期なら、TBSやテレビ朝日が報道・情報番組のご意見番として重宝したでしょう。それが現下わが国のメディアなのです。

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『フジテレビも変わったなぁ』に2件のコメント

  1. tom-h:

    世代的に言って僕はマエタケさんなる人を最近ニュースで見るまで知りませんでしたが、共産党の特定候補を礼賛するのは行き過ぎだと思います。

    だがしかし、所詮バラエティでの発言だから降板させるほどのことか?謝罪させるだけでいいのではないか、と思います。仮に降板させるのが仕方ないとしてもまた復活の機会があっていいですよね。

    それよりよっぽど報道番組のくせに共産党支持者を増やす目的で放送されていた筑紫哲也氏のニュース23の方が問題で、放送免許取り消しされても致し方ないと思います。あとニュースステーションも。

    そのくせ田英夫さんの時のように陰で放送免許取り消すぞとかオドしたりしてるんでは、圧力だと言われても仕方ありません。

    放送法にちゃんと一方的な視点ではなくいろんな視点から放送せよ、と書いてあるんだから、まずは総務相が会見で訂正を求める旨を発表し訂正放送をきちっとさせそれにすら応じないあるいはその後も繰り返すようだったらその段階で放送免許取り上げちゃえばいいんです。

  2. tom-h:

    あるいは筑紫氏が著書の中で共産党基礎票を増やす為の放送と書いた段階で放送免許取り上げても良かったと思います。