皇紀2673年(平成25年)6月6日
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0605speech.html
▲首相官邸:安倍総理 「成長戦略第3弾スピーチ」(内外情勢調査会)
安倍晋三首相は五日、自身の経済政策の「本丸」と語る成長戦略の第三弾を掲げました。これまで第一弾の医療や労働、第二弾の社会基盤輸出や農業、投資などについて、私は申したいことを山ほど抱えながら本日まで耐えてきましたが、これが単なる安倍首相批判で済む問題ではないため、思い切って端的に申します。
まず、今回の発表をもってしても日経平均株価が下落したといいますが、双方に大した因果関係はありません。それでも安倍首相の講演が多くの人を失望させたのは事実です。
なるべく過去に申したことの重複を避けるとして、第一弾は成長戦略になっておらず、第二弾には今後三年間を「集中投資促進期間」にするとありましたが、政府がこの手のことをやって成功した試しなどありません。その期間ののちはどうなるのでしょうか。
また、農業に於いても「第六次産業化」などと、いかにも官僚が考えた「言葉遊び」に内容が終始し、厳然と「減反で補助金を拠出してきた自民党政治の間違いを私は一掃します」と言えなかった時点で「アベノミクスの失速」は必至です。
こう申すと、またぞろ「だから安倍首相批判は控えてくれと頼んだはずだ」と一部からお叱りを受けますが、私は決して関係者から資金を提供されて書いたり講演したりしていませんので、むしろ安倍首相の周囲に問題があると明言しておきます。
元経済産業(旧通商産業)官僚が強くなった官邸ならば「日本近海の海底資源採掘」をいち早く発表するかと思えば、未だに五年後の商業化に向けた採掘調査を進めていませんし、安倍首相も何も言わなくなりました。
今回の講演原稿にも「投機」ではなく「投資」を求めるとありながら、その元手と申すべき資源がなければ、口先だけで絵に描いた餅に終わります。第三弾の最も酷いのは、一人あたりの国民総所得を十年後に百五十万円増やし、七年後に外国企業の対日直接投資残高を二倍にすると言ったことです。
前段は、そもそも給与と物価下落の悪循環(デフレーション・スパイラル)から脱却する大胆な金融政策が奏功すればほぼ目的を果たしてしまいますし、後段は、大きな投資の対象を何ら産み出していない現状では空想にしか聞こえません。どなたが書いた講演原稿か存じませんが、意味がないのにもほどがあります。
これまでも米大統領府(ホワイトハウス)に比べてわが国の首相官邸には優秀ないわゆる「スピーチライター」がいないことが一部で指摘されてきましたが、ひたすら「言葉の安全運転」に腐心して、これほど中身のない発表をすれば、私たちの落胆を誘ってもやむをえません。
安倍首相周辺の癌は、間違いなく産業競争力会議の「民間議員」たちです。加えて「クールジャパン」戦略会議も全く余計なお世話であり、政府のすべきことは文化に対する過保護ではなく、世界進出のための著作権・知的財産等に関する法的手助けの具体化に他なりません。
仮にも官邸から「農作物も瓦斯や石油も自給すると言ったら、米国からこの政権がまた潰される」といった泣き言が聞こえてくるならば、占領憲法(日本国憲法)の無効確認こそ成長戦略の第一弾だと答えましょう。
分類:日本関連 | コメント3件 »
皇紀2673年(平成25年)6月5日
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130604/erp130604……
▲産經新聞:トルコ、24万人規模のスト突入 反政府デモ拡大 野党党員1人死亡
野中広務元官房長官や仙谷由人元官房長官らが訪中し、沖縄県石垣市尖閣諸島の係争化(棚上げ論の蒸し返し)を中共共産党幹部らと確認しあったとか何とか、といった報道に触れても、皆様はほとんど心配する必要はありません。
野中氏も仙谷氏も現政権と一切関係のない人たちです。彼らの言動は日中関係のいわゆる「瓦斯抜き」に過ぎません。
仮にも安倍晋三首相の親書でも携えた自民党の高村正彦副総裁が「中日関係が……」などと話し出せば多少緊張も走りますが、中共側とて本気で彼らと話し合ってはいないでしょう。このような体裁が欲しいだけです。
さて、土国(トルコ)では四日、首都イスタンブル中心部のタクシム広場にあるゲジ公園の再開発計画反対に端を発した抗議運動がついに二十四万人規模にまで膨れ上がり、野党・共和人民党の男性党員が死亡しました。
この日は公務員労働組合連盟も運動に参加し、二日間の公業務中止という抗議手法に出ることを発表しています。私は本来、公務員が労組を結成して政治活動をすることに反対ですが、日土の大いなる違いは、土国の公務員は国旗を掲げて政府と戦うことでしょう。
わが国の自治労や日教組の政治活動で、私は国旗を見たことがありません。一体彼らはどこの国の公務員で、誰のために、どこの誰と戦っているのでしょうか。
わが国の報道では、約十年間に渡って高い支持率を誇ってきた公正発展党のレジェップ・タイイップ・エルドアン首相が急速に回教化を進めており、国父ケマル・ アタテュルク以来の「世俗派(単純に申すと徹底した政教分離原則)」がこれに対抗し始めたという構図を伝えていますが、決してそれだけではありません。
回教徒としての暮らしを徹底することがいわば「保守的または復古主義的」で、酒類の販売禁止などに反対することが俗に「革新的または個人主義的」というのではなく、前段で申した通り土国の世俗主義は建国以来です。そちらのほうが彼らの「国体」のかたちに違いありません。
確かにきっかけは多目的施設の建設計画に反対することであり、抗議していた老人や女性に過剰な暴力をふるって排除しようとした警察官の様子が広く伝えられたことへの不満でしたが、俗に言う「首都圏の知識層」は、エルドアン首相の極端な合理主義と外国資本流入の促進によって、むしろ伝統的な街の風景が失われ始めていたことに強い危機感を抱いていました。
つまり、これは「中東の春」というより泰王国(タイ)でかつて起きた「反タクシン」行動によく似ているのです。新自由主義の導入で国体の破壊をも目論んだタクシン・チンナワット元首相を非難したのも、やはりバンコク都内で活躍していた知識層でした。
この構図を理解した上で私たちは土国の行方を見守り、エルドアン首相に対して穏便な対応を求めることがわが国政府の役割の一つです。日土関係がこれからも親密であるために。
分類:中東・阿関連 | コメント3件 »
皇紀2673年(平成25年)6月4日
台湾の陳水扁前総統が、収賄や違法な資金洗浄の容疑をかけられて服役している台中の刑務所内で自殺を図ったことが三日、台湾法務部の発表で分かりました。看守がいち早く発見したことで命に別状はありません。
陳前総統は逮捕された時から一貫して容疑をかけられたことに抗議しており、今回も抗議の自殺だったことが法務部の調べで分かっています。
彼の功績について、私たちは彼が台北市長だったころのことを忘れるわけにはいかないでしょう。台湾電力を創設して今もその地に眠る明石元二郎第七代台湾総督をはじめとする日本人墓地を整備したのが陳前総統でした。
この墓地は台湾がわが国の統治を外れた途端に入ってきた多数の外省人に占拠され、住み着かれていたため、撤去させるのみならずご遺骨の収集などにも手間隙のかかるものだったといいます。
私たちはこの恩を忘れてはなりません。台湾司法に口を出すことは出来ませんが、陳前総統の無事を喜び、名誉が回復されるよう希望します。
——————————
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013060300640
▲時事通信:日本政府と衝突も=NGOが総括会見―アフリカ開発会議
土国(トルコ)の反政府行動が異様に拡大していることも気掛かりですが、日印の強固な連携を両首脳が確認しあったばかりの三日、わが国と阿州(アフリカ)諸国との関係強化に繋げたい第五回阿州開発会議が閉幕しました。
その際、莫三鼻給(モザンビーク)全国農民連盟のビセンテ・アドリアーノ氏は、日本政府が伯国(ブラジル)政府と共同で取り組む農業開発支援に於いて、これを見込んだ伯国企業が現地で小規模農家の農地を奪っているという実態を報告しました。
わが国の対外援助が下手なことはこれまで何度も指摘してきましたが、国際会議で謳われるほど対阿支援は容易ではありません。
今回の場合は伯国政府にやめさせるよう忠告しなければなりませんが、移民国家の民間企業に自制を求めるのは実に手ごわいのです。彼らは伝統国家で生まれ育った私たちとは違って「カネ」しか他者との信用基準がありません。
そこを割り切って中共のように阿州諸国へ介入していくというなら話は別ですが、わが国はそうではないし、そうすべきでもないでしょう。印国への進出を加速させる場合も同様で、いわゆる「日本式」であればあるほど、まず相手国の文化(特に阿州は各部族文化)を尊重するところから入らなければうまくいかないのです。
また、その結果うまくいかなければ即撤退することも最初から視野に入れておかなければなりません。概して日本企業にはこの考え方がないのです。
その上で、まず開発支援に日本企業を出すこと、現地法人開業などのための政府支援を万全にすること、これを外務省と一部政治家の利権にしてしまわないこと、常に何らかの「日本支持」に換えられるよう現地国政府との外交窓口を開いておくことなどが必要不可欠となります。
私たちは案外この種の問題に意見しないことのほうが多いようですが、実は大変重要なので、注視してまいりましょう。
分類:中東・阿関連, 亜州・太平洋関連, 日本関連 | コメント3件 »
皇紀2673年(平成25年)6月3日
※ 本日は設定に間違いがあり、記事の配信が遅れましたことをお詫びします。
台湾中部の南投県仁愛郷で二日午後、マグニチュード六.三の強い地震が発生し、現在のところ二人が死亡、一人が行方不明になっているとのことです。衷心よりお見舞い申し上げます。
三月にも同級の地震が発生したばかりですが、ここは毎年台湾政府の方からいただく阿里山の烏龍茶の生産拠点です。台湾の高山茶を代表する銘柄であり、皆様のご無事を祈念しています。
——————————
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economic_exchange/347551/
▲新華社経済(中共):「サンフランシスコ平和条約は違法かつ無効」、釣魚島問題めぐり中国外交部
中共外交部の洪磊報道官は先月三十日、沖縄県石垣市尖閣諸島について、菅義偉内閣官房長官が「わが国の領土を法的に確定したのは桑港(サン・フランシスコ)平和条約だ」などと述べたことに対し、「われわれは桑港平和条約が違法かつ無効だと認識しており、受け入れない」と反論しました。
中共政府の妄言には、基本的に私が五月三十一日記事で申したことでほぼ過不足なく対応出来ますが、今回の場合、実は菅官房長官の発言に問題があります。
少なくともわが国全ての領土の法的根拠が桑港講和条約で確定したという認識は、いわゆる「河野談話」級の恐ろしい間違いであり、記者会見での発言は日中共に修正可能ですが、この調子でまた何らかの「談話」を公式発表されたら私たちはおしまいです。
わが国領有の根拠たる時期を「馬関条約(下関条約)の締結前から」と述べたのはその通りですが、法的に最も重要なところを彼は説明していません。わが国の政治家がこの程度の国際法認識だから中共や韓国、北朝鮮の「反日」妄動を誘発するのです。
おさらいしておきますと、李氏朝鮮の自立(大韓帝国)にも繋がった日清戦争の講和が馬関条約であり、締結の約三ヶ月前に当たる明治二十八年一月十四日の閣議決定で尖閣諸島がわが国に編入されました。閣議決定の手続きは国際法上有効であり、この事実をもって講和会議に臨んだ大清帝国側から異論は出ていません。
そもそも何度も申しますが、新興の中華人民共和国に桑港講和条約を語る資格はなく、一切無関係です。それに一体どの国際法に対して「違法」なのか、まるで訳がわかりません。
これは、占領憲法(日本国憲法)の内容が気に入らないから「違法」「破棄」「無効」などと叫ぶ人によく似ており、政治的発言としては最悪の類いです。私たちは、占領統治側が講和締結前(戦争が終わっていない状態)の被占領国の憲法を変えてはならないとする「陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約(ハーグ陸戦条約)」に違反しているから無効であり、講和条約の範囲では有効だったと述べています。
法理原則に則り、筋を通すことを忘れた「被占領国政府」がいい加減なことを言うから、中共も図に乗って意味不明なことを言い出すのです。
このままでは「やはり自民党では駄目だ」ということになってしまうでしょう。私が以前指摘した通り、仮にも北朝鮮問題に絡んで日米中のいわば「穏便契約」が履行中なのであれば、別段中共を攻撃しなくても事実を説明するだけで十分です。
いい加減なことだけは絶対に首相や官房長官に二度と言わせてはなりません。菅長官、頑張れ!
分類:亜州・太平洋関連 | コメント1件 »
皇紀2673年(平成25年)6月2日
http://www.imaeil.com/sub_news/sub_news_view.php?news……
▲毎日新聞(韓国):[사필귀정] ‘天皇敎’ 교주가 그 모양이니
韓国の中央日報が先月二十日付けで、米軍による日本への原爆投下を「神の懲罰だ」などと書きなぐった金璡論説委員の社説を掲載し、在韓日本国大使館や広島と長崎の被爆者団体から抗議され、撤回の言い訳をするに至った事件があったばかりですが、韓国国民は日ごろからこのような扇情的「反日」記事を目にしておかしくなっていくのです。
この記事はそもそも、安倍晋三首相が視察先の航空自衛隊松島基地で操縦席に座った空自機の番号が「七三一」(関東軍防疫給水部本部の通称号とたまたま同じ)だったことに文句を言い始めており、これほど低俗な記事の顛末など私はここで取り上げませんでした。
しかし、もっと酷い内容にして、あまりに無知蒙昧な記事が出たというので、むしろこちらのほうが問題の根が深いため、今回は取り上げることにします。
韓国大邱を拠点とする地方紙の毎日新聞(日本の同名企業とは無関係)が先月三十日付けで、先帝陛下を「責任回避と卑怯の神」とし、天皇陛下を「教主」とする「日本極右勢力」は「未開だ」などと書きなぐった鄭敬勳論説委員の社説を掲載しました。
わが国の報道企業も決して韓国の現状を批判出来る状態にはなく、特に朝日新聞社の意図的な世論誘導はこの韓国地方紙記事の酷さに匹敵します。すなわち、日韓双方の報道記者たちがありもしないことを書いて「日韓対立」を煽っているのです。
韓国の毎日新聞は天主教大邱大教区維持団が実質経営しており、社長はここの神父ですが、基督教の歪曲が進む韓国では概して右派の改新教(プロテスタント)に対して天主教(カソリック)は左派とされ、思想的には「反日反米容共」の傾向が強いとされています。
世界基督教統一神霊協会(統一協会)の悪辣ぶりは申すまでもありませんが、天主教神父たちも「反日」扇動を主導する役割を担っているのでしょう。邪教の徒が皇室、或いは皇室祭祀という哲学を「天皇教」と書き換えるのは、あたかもわが国の極左(破壊活動家=テロリスト)と同じ手法です。
他国の何人からも、国産み・国興りのまさに起源を非難されるいわれはありません。鄭論説委員は「極右勢力の時計は、天照大神が治める神話時代で止まっている」などと書いていますが、起源を忘れた「伝統」を振りかざして妄言を吐き、他国を脅かすよりよほど健全です。
大東亜戦争に於ける先帝陛下の責任がおありでないことは、占領憲法(日本国憲法)の上諭についても、ほとんど無内容に終わる国会の召集についても同様に明白であり、わが国の「形式」と臣民による政治の結果は天皇陛下にその責を擦りつけるものではありません。仮にもそのようなことをすれば、責任ある私たちが恥ずかしいのです。韓国人は平気なのでしょうか。
天皇陛下とかつて存在した欧州の皇帝たちとの決定的な違いは、祭祀を司られるいわば「神官」と「権力者」の違いにあります。日韓の極左はこの混同に陥って被害妄想を膨らませてきたようです。どちらの頭の中身が「未開」で「良心、理性、啓蒙の入る余地がない」でしょうか。
日韓がお互いにこのような「反日」妄動をやめない限り、利害の衝突が多くなるのは隣国同士ゆえにやむをえないことですが、友好を前提とした人的交流は進みません。対立を煽る「反日」勢力を一掃しましょう。
分類:亜州・太平洋関連 | コメント6件 »