日露平和条約締結交渉停止

皇紀2682年(令和4年)3月22日

ロシア、日本と平和条約交渉中断 ビザなし交流停止

ロシア外務省は21日、北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉を中断すると発表した。ウクライナ侵攻を理由とした対露制裁への参加が理由とみられる。一方、ロシア…

(産經新聞社)

 これは、対露制裁を決めたわが国政府が事前に想定していたことです。自民党の高市早苗政務調査会長が十日、東京都内の講演で「領土問題に関してプーチン政権はもう交渉相手にならない」と明言していました。

 逆に申しますと、ウラジーミル・プーチン大統領と露外務省にとって、わが国が断行した程度の経済制裁にもこれ以外に返す刀がないのです。

 日露経済協力も停止するといってしまった露外務省は、それが露国にとって自滅的判断だと分かっているでしょう。自国だけでは開発しきれないからこそわが国を利用したのですから。仮にも中共に頼れば頼るほど、露国は亡国の道をたどるだけです。

 実はわが国は、一切この態度に慌てることなどありません。私が提唱した千島列島と南樺太を取り戻す行為(まず北海道北西部への自衛隊出動で露国に二正面作戦に耐えられるのかを突きつけ、条約締結を迫る)をしていない以上、高市会長の指摘通り「全世界が犯罪国家に仕立て上げた」今の露国といずれにせよ交渉できませんでした。

 露国が自ら「日本とは講和する」といわない限り、プーチン政権に国際的汚名挽回の好機もなかったのです。これでさらに窮地に立たされるのは、間違いなく露国であり、わが国ではありません。

 その効果を大きなものにするためには、わが国政府が必要以上に大騒ぎすることです。はっきり申し上げていわゆる「北方領土問題」は、まるで諸外国の興味を引いてきませんでした。日露が大東亜戦争を終結させていないことに気づいてすらいない国も多いはずです。

 よって露国がクリミア半島の併合に手を染めたのと同じことを、大東亜戦争の戦闘終了(八月十五日の武装解除)後にもやっていたと全世界に知らせ、実は加害国のウクライナに対する悲哀を煽っている波に「日本もかわいそうだった」という感情を便乗させねばなりません。

 これでウクライナ侵攻後に弱体化する露国は、わが国に手のひらを返して接近するほかなくなるのです。

 読者ご指摘の「北方領土が中共に叩き売られてしまうのでは」というご懸念ですが、到底現下の中共が購入できる状況ではありません。まさか購入した場合の中共に対する国際的非難も強まるよう、わが国が全世界に騒ぎ立てることで先手を打たねばならないのです。

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『日露平和条約締結交渉停止』に4件のコメント

  1. ノンポリではいられない:

     この歴史の大きな転換点において媚中政権の岸田内閣であるところが非常に残念です。
     最近マスコミがまた岸田内閣の支持率を持ち上げ、岸田内閣を擁護しています。
     外交で大きな成果も出せず、即効中国人留学生を優遇し持ち上げ10万給付、核共有は否定、電気需要ひっ迫には節電のお願いしかできない現政権。
     地元の広島ではロシア依存のエネルギー問題があるため対ロシアで強硬になれず、GoToを復活するしないとか選挙対策見え見えで年金受給者に5000円給付とかがこの状況下において話題になるようでは見てて歯痒くて仕方ありません。

  2. ナポレオン・ソロ:

    220322-3
    ソロです、
    >>ロシアの現状認識が全く客観的でない理由
    まぁ、ソ連時代の残滓の大国意識なんでしょうが、ソ連邦解体の折にエリツインは如何なる目算で、ロシアの権限の範囲を了承したのか? 20以上の国でなるロシア連邦の軛の強さを過信していたのではないのか? 海に面したグルジアやウクライナが国家独自の産業を発達させれば首
    経済の実態の裏打ちが希薄な軛は直ぐに崩れる

    自身の国家認識が現状世界とは懸け離れている事に、一国の外交官も認識出来ていないのでは、外交的敗亡は必然だろう、外交舞台にサムライがいなくてはいけないが、サムライばかりでは、直ぐに国が孤立するのは当然だ、適材適所が肝要なのに、ロシア外交はラブロフ外相を筆頭に、大国意識丸出しの圧力一辺倒で、丸で暴力団の様な野蛮そのものである。

    是でこれから、民主主義社会を作って行く等、悪い冗談にしか聞こえない、特に隣国日本に対しては、77年前の大東亜戦争所か120年近く前の日露戦争の報復を企図していた様で、全く油断ならない民族常識である事を再認識させられた、この民族性は今後も変わらないだろう、当に「欧州の野蛮人」そのものなのだ。

    私はプーチン個人としては、愛国者で、冷たいほど冷静な客観的視点を持っている切れ者だとおもうが、周囲にソ連時代の常識しかないロシア人が多すぎで、殊に、後継者が居無いのが致命的だ、一時はメドベージェフが後継大統領に就任したが、1期だけで、プーチンが復活した。おしらく、彼も現状認識に難があったのだろう。

    この後もプーチンがその座に留まるのなら、遠藤さんが描く展開もあり得るが、選手交代ならロシアの存続自体が危うくなると私も危惧しますね。手負いの熊は非常に危険です。

  3. HAKASE(jnkt32):

    お疲れ様です。これまでも 折に拝読していましたが、初コメントさせて頂きます。

    今回の 露による平和条約交渉停止は、拙方も慌てる必要はないとみています。

    以下 貴見解を共有する様努めるとともに、今回貴記事を拙リンク致したくお届出
    の次第であります。寒暖差大につき、どうかご自愛下さる様。

  4. 遠藤 健太郎:

    HAKASE(jnkt32) 様
     このような記事でよければどうぞお使いください。ご丁寧にありがとうございます。ただ、必ずしも私のいうことが正しいわけではない(時として政治的思惑をもって書きまとめることがある)とご承知いただきました上で、今後ともよろしくお願いします。