志村けんさん遺した風刺劇

皇紀2680年(令和2年)3月31日

 昨日午前に駆け巡った志村けんさんの訃報は、新型コロナウイルス(武漢肺炎、またはチャイナ・ウイルス)が本当に恐ろしいものであることを私たち国民に思い知らせました。

 私がさんざん「国を封鎖すべき(外国人を入れるな、日本人を出すな)」といっていたころ、一部で「不安を煽るな」「実はたいしたことがない」などと呼び掛ける人がいましたし、政府もその調子でしたが、初期症状を発症してから四日間は様子を見てからPCR検査の是非を、なんてなことをいっているうちに重症化して帰って来られなくなることが分かりました。のちに変更された「高齢者は二日で検査を」という呼び掛けは、全く知られていませんでした。

 そして、感染者はご家族に見舞われることなく、ご遺体となっても会わせてもらえず、非透過性納体袋に入れられ、そのまま火葬され、骨さえも拾ってもらえないのです。残されたご家族は、もれなくこのような思いをさせられます。

 志村さんは、十六日にフジテレビ(港区台場)の楽屋で番組の打ち合わせがあるまでお仕事をされていました。倦怠感をおぼえたのが十七日、発熱と呼吸困難が十九日、二十日に訪問診療を受けて港区内の病院へ搬送され、PCR検査で陽性と判明したのが二十三日です。

 国立国際医療研究センター(新宿区戸山)へ運ばれたのが二十四日で、二十九日午後十一時過ぎにはもう、亡くなられました。改めて衷心よりお悔やみを申し上げます。

 少なくとも十九日にPCR検査を受けて治療に入っていれば、或いは助かったかもしれません。かえすがえすも漫然と構えてきた厚生労働省を始め、事態の深刻さを解さなかった(中共と東京五輪を優先した)首相官邸の責任は極めて重いのです。

 志村さんといえば、さまざまなキャラクターを演じた一流の喜劇役者でしたが、桜田淳子さんや研ナオコさん、いしのようこさんらと演じた夫婦コント、柄本明さんとの芸者コント、ことのほか退院を嫌がって病室内で商売をする老婆のコントは秀逸でした。

 昭和五十年代の番組(「ドリフ大爆笑」のもしもシリーズではなかったかと)にして現在の世相を見透かしたその内容は、わが国の医療制度や独居老人の孤独死問題、年金問題を全て提起するものだったのです。

 また、政治家(当時の中曽根康弘首相をもじった小曽根康弘首相役の志村さんと、安倍晋太郎外相をもじった安倍金太郎外相役の加藤茶さん)が衆議院本会議の長い経済・財政演説に「好かんな、こういう話はな」と居眠りをするコント(動画)は、現在ほとんど見られなくなった政治風刺であり、ただの活動家みたいな(予算や法律には関心がない)政治家をスバリいい当てていたのです。

 そんな安倍内閣は、なぜ昨日あれほど菅義偉官房長官が緊急事態宣言布告の可能性を強く否定したのでしょうか。間違いなくその準備に入っていたのに。と申しますか、三十日に出回ったという「デマメール」は、まさか二十七日記事で「都市封鎖をするつもり」「宣言を布告する用意がある」、二十八日記事に「宣言が出る(予定)」と書いたからではあるまいな。いや、ほかのどなたかも同じ情報を官邸から得ていたのでしょうね。得ていましたよね?(誰にいっているんだろう……出た! 姐さんのオトボケ大作戦)

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『志村けんさん遺した風刺劇』に3件のコメント

  1. 心配性@我は蛮夷なり:

    朝ドラや映画で志村さんの元気な姿を拝見できると信じていただけに「まさか」という感じで、今も実感がありません。
    心よりご冥福をお祈りします。

    空港の検疫強化に関してですが、1月頃なら効果があったでしょうね。

    自衛隊に災害派遣命令 新型コロナ、成田で検疫支援
    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57371500Y0A320C2NNE000/

    成田空港を利用したことがありますが、今思うと怖いですね。

    大勢の外国人観光客が、日本人と一緒になって、公共の電車やバスを利用して目的地に移動しているのですから。
    また、外国人観光客が「せっかくなので」と、成田市内を観光したり、地元の飲食店で食事をすることも多々あったでしょう。

    「煽り」に関してですが、マスコミの報道も以前よりは冷静になったと思います。
    ダイヤモンドプリンセスの頃は「煽り」が酷くて、本当に不快でしたが!

  2. やす:

    志村けんさんのご冥福をお祈りします
    今は亡きいかりや長介さんを攻めている時のコントが個人的に一番面白かったと思いますし
    そのいかりや長介さんと同じくらいの年齢で逝ってしまったことに因縁を感じます
    ただ批判を承知で言わせていただきますが、元々志村さんは長年の不摂生が祟ったのもあって、既に肺が悪く、今回の支那ウイルスに対する抵抗力が皆無であったがために、短い間で重症化したと思ってますので、この特異な例を持って必要以上に不安になる必要はないと思います
    ただ例え肺が悪くても、二か月前に安倍総理が支那人の入国を全面禁止にしてさえいれば、志村さんが亡くなることはなかったと思いますし、我が国の至宝とも言える人を殺したのは間違いなく政府の水際対策の失敗です
    そして志村さんの死に合わせるかのような、昨日の不要不急の緑の妖怪の記者会見は本当に許せないですし、てっきり東京閉鎖でも言うのかと思ったら、いつものお願い会見というくだらない、自らをアピールするだけの劇場会見に付き合わされただけでした
    東京都民は妖怪が人の命も平気で利用する人でなしであることが良く分かったのではないでしょうか
    六月に都知事選があるのか分かりませんが今度こそ別の候補者を選んでほしい所です
    今回志村さんだから大々的に取り上げられましたが、それ以外に亡くなられている六十人以上の人と同じ命に変わりありませんので、今の政府は二か月前の失敗を回収しているだけであることを素直に認めて、東京は既にパンデミック状態であることをいつまでも隠さず、全員に現金を配りつつ都市封鎖して、少しでもパンデミックを抑える以外にないと私は思います
    個人的に今までの経済活動を根本から見直すチャンスでもあると思ってますし、配給制の時代が来るのではないかという指摘もあります
    今の流れを良い方にむけるためにも私達には真贋を見分けることが求められていると私は思います

  3. おつかれ48:

    私が小学生だったころ、一番の楽しみといえば土曜日のテレビ。確かヤッターマンから始まりルパン三世、クイズダービーときてとりが言わずもがな、8時だよ全員集合。普段テレビを見ているとうるさいとか言ってすぐに消してしまう父もどういうわけかこの日だけは許しが出て家族みんなで見ていました。おかしくて背中が痛くなるくらい笑い転げた記憶があります。他にも様々なコントをテレビで見て笑わせてもらいました。もし、志村さんがいなかったら、私の大切な楽しみもなかったのかもしれません。私と同年代の方々はみな同様なのではないでしょうか。本当に残念でなりません。それと同時にこの肺炎を蔓延させた中国共産党が憎いし、その蔓延をアシストした日本の経済界、政治家も同様です。もしもあの時・・・と考えずにはいられませんが、志村さんはもう帰ってきません。今更安倍首相を責めてもしかたないかもしれませんが、これから首相になる人には危機管理の出来る人、いざというときに頼りになる人になってもらいたいものですが、首相だけでなくその周りの人がみなそうならなければだめですよね。日本人の多くが中国に落ちてしまっている現在、難しい問題です。アメリカにも中国にも頼らず、日本人は自分の足でしっかり立たなければ、また大切な人を失ってしまうかもしれません。