日本は韓国に譲歩したか?

皇紀2679年(令和元年)11月23日

 昨日記事の続報として、皆さんご存知の通り日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)失効が回避されました。そこにある「条件つきで」という文言をめぐり、わが国の報道が憶測(韓国側の思い込み?)を交えて伝えたため、既に出鱈目な情報が出回ったようです。軍事情報に関する協定の報道で全く呆れたものです。

 例えば「韓国向けの輸出管理を厳しくした措置を日本政府が一部撤回」と報じたところもあったようですが、これは訂正されたとはいえ一度でもこの手のものが出回りますと、私たち国民の中に「またどうせ日本政府が何か折れたでしょ?」とか「米国が韓国のみならず日本にも圧力をかけてきたのでは?」といった不安が芽生えます。

 現段階で私が確認した範疇で申しますと、わが国政府は何ら譲歩していません

 わが国が応じたのは、輸出管理に関する「対話の再開」だけです。その結果、韓国の文在寅(北朝鮮工作員)政権が息巻いていた世界貿易機関(WTO)への提訴手続きまで回避できました。別に(文政権が恥をかくだけなので)訴えていただいても構いませんが。

 また、判明した米国の圧力は、文政権に対してのみ過去に例がないほど強烈で、「ドナルド・トランプ大統領は安倍晋三首相側につく」と明言していたほどでした。これにより、北朝鮮が方針の修正を図ったものと思われます。

 よって文大統領が今回の決断に至ったのですが、北朝鮮が文政権を誕生させて進めてきた日米韓関係の破壊工作は、これで終わったわけではありません。

 今回のことで懸念すべき点が浮き彫りになったとも申せます。それは、やはりこの協定締結時に私が反対した理由だった「日米の軍事情報の漏洩」です。

 GSOMIAを失効させて韓国が日米の情報網から外れれば、当然北朝鮮の弾道弾に対応する日米の動きを韓国が把握できなくなります。以前にも申しましたが、もともと韓国の情報量は乏しく、日米の情報がなければ韓国は北朝鮮の脅威から韓国国民をほとんど守れません。

 ですから米国と連携する日本の独自収集情報がなければ、韓国だけで目と鼻の先の北の弾道弾を追尾することもできないのです。すなわちGSOMIAは、そもそも韓国にとって「お得な」協定でしたから、この枠から外れれば北が欲しがる日米の情報を韓国が一切知りえなくなります。北が思いとどまった(文大統領に思いとどまらせた)のは、この点だったのではないかという懸念です。

 むろん日米は既に、北と中共に漏洩する韓国に重要情報は提供できないことを知っています。今後の協議に、そのあたりの双方の思惑が食い込んでくる可能性があり、どうしても話がこじれるでしょう。失効回避の動機が不純なのですから。

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