現役世代の負担がもうムリ

皇紀2679年(令和元年)6月9日

「誤解や不安招いた」 菅官房長官、金融庁の「2000万円必要」との報告書で釈明

 菅義偉官房長官は7日の記者会見で、定年後に夫婦で95歳まで生きるには2千万円が必要とした金融庁の報告書について「誤解や不安を招く表現であり、不適切だった」と釈明し、「公的年金こそが老後の生活設計の柱だ」と強調…

(産經新聞社)

 またも三日記事の派生になりますが、六日記事でも申した通りこれまでの年金制度を変える気がないのであれば、金融庁の審議会が報告した内容に大きな間違いはありません。むしろ二千万円では足りない可能性があるという点に於いて、その方向で「誤解を招く内容」だったかもしれないほどです。

 はっきりしていることは、高齢者だらけになるわが国で、もはや現役世代負担の年金制度では必ず破綻するのであり、ゆえにこれまで納付された分を全員に一旦(最短数年かけてでも)返納して各自世帯負担を原則とする新制度を打ち出すしかありません。

 かつて「お年寄りを大切にしましょう」といっていられたころは、何の問題もありませんでした。ところが、そのお年寄りだらけになりますと、例えば電車に乗って働く現役世代は席にも座れないのです。そのくせお年寄りは「シルバーシート」に座りたがりません。働くころにもなりますと若者も遠慮しますから、これが社会的要因の精神的疲弊となり、その積み重ねで「イライラ社会」を自ら作り出してしまいます。

 こうした話は、麻生太郎副首相兼財務相や菅義偉官房長官が述べたように「表現が不適切」になりがちです。それは、単にどう試算したかなどということだけではなく、高齢者に対する捉え方が「自分も高齢者のくせに酷い」とか「自分が若いからといってお年寄りへの尊敬が足りない」とか、そういうことになってしまうので、だから皆口を閉ざし、よって議論が「道徳的」に膠着して真に有効な制度が立ち上がりません。

 世代間対立になるとか、それこそ収入の格差からくる闘争になるとか、消費税率の引き上げは世代間格差がなくて本当はよい、といった意見まで出て、誰も現行年金制度の致命的問題に言及しないのです。いや、ナントカ民主党の連中みたいに少しはいいかけるのですが、結局いいきれないまま終わります。

 社会保障関連予算は一般会計ですから、原則として(国債発行と)所得税と法人税収入で賄われるべきであり、もう一つ「不適切な表現」で申せば、死亡した元高額所得者からその莫大な資産を国庫に納める方法を考えねばなりません。

 安倍晋三首相は、十月一日の消費増税に改めて言及しましたが、年金制度を変えないで増税しても(百年安心をうたうよう自民党に強要した創価学会政治工作部=公明党は万死に値する嘘つきで)わずか数年で賄いきれなくなることが明白なのに、どうしても財務省のいうなりになることで政権を維持する方向へ舵を切ったのでしょう。「だからどんどん増税します」という、原因(少子化の原因でもある不景気)にもその解消(内需回復)にも何ら関心がない財務省のいうなりに。

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『現役世代の負担がもうムリ』に3件のコメント

  1. 心配性@我は蛮夷なり:

    それにしても、パチンコ店がいつも混んでいます。
    どれだけ儲かっているのかは知りませんが、年金暮らしの高齢者の中にも入り浸っている人々がいるようです。
    ああいった産業にどーんと課税するのは無理なのでしょうかね?
    冗談抜きで公共施設のすぐ近くにあったり、閑静な場所にあったりして、美観を損ねるは、未成年への教育上よろしくないわで最悪です。

  2. やす:

    私は年金制度自体無駄に税金をむしり取るための手段でしかなかったかと思います
    赤字国債でどんどん積極財政すれば直ぐに解決できる問題なのですが、財政法第四条の縛りでそれができない
    その法律を我が国に押し付けたのは米国でその目的は戦争をできなくするためだった
    という指摘があり、私もこれが真実だろうと思います
    つまり富国強兵させないための憲法が結果的に全ての財政問題と結びついているということで、この核心部分に切り込んでいかないと、いつまでも私達国民を騙し続けてこれからも消費税を上げ続けていくだろうと思います
    積極財政をしないまま若い人達から税金をむしり取ることばかり続けていたら、遠藤さんのおっしゃる通り、若い人と年寄りの人達との無駄な軋轢を生むだけですし、年寄りをターゲットとした詐欺事件がますます増えるかもしれません
    本来政府が助けるべきは若い世代の方で、年寄りの方ばかり優遇されている現状は若い人達の未来を奪っているも同然です
    世の中を作るべき若い人達が夢や希望を持てない社会に間違いなく未来はありません
    物質的価値観の物言いになりますが、年寄りに生産性も消費も期待できないのですから、見殺しにしてでも若い人達へ優先的に財政を回すべきです
    こういう極端な事を避ける意味でも財政問題の核心部分に切り込んで、どちらの世代にも等しくお金が回るようにしていかないと、どちらかが間違いなく不幸になります
    どちらかというと年寄り達にもう少し若い人達のために我慢してくれと言うべきかもしれません
    いい加減国民同士での争いの種をばら撒くのをやめる意味で、占領憲法を一刻も早く無効にして新憲法か大日本帝国憲法の改正しかないと思います

  3. おつかれ48:

    計算はしてませんが、感じとして1年間働いたうちの3か月分くらいは納税しているんじゃないでしょうか。将来年金で戻ってくる分があるじゃないかと言われればそれまでですが、年金の会社負担分が重くてなかなか従業員を雇う気になれない中小企業の経営者も多いはず。老後のことを考えたらこれからもっと預金しようという気になります。そこに消費税の増税ですか。一体どんな感覚をお持ちなのでしょうか?世界一のお金持ちの国にいて、色々な面においてどうしてこんなに生活が窮屈なんでしょうか。日本は好きですが今度生まれ変わったら日本はやめておきましょうか。あまり言いたくはありませんが、今回川崎の事件の被害者は小さな子供たちでしたが、将来高齢者が・・・なんてことになったらそのときはもう手遅れです。政治家に危機感はあるのでしょうか?