日朝首脳会談開催の可能性
タイ(泰王国)のラーマ十世・ワチラーロンコーン国王陛下(平成二十八年十月十三日御即位)の戴冠式が四日に行われ、昨日はバンコク都内で祝賀パレード、本日は王宮バルコニーから国民に御姿を見せられます。泰王室の戴冠式は、実に六十九年ぶりのことです。
多くの泰国民は恐らく、それぞれの胸に一物秘めながら(数多いわれてきた悪い噂を思い出さないようにして)祝意を表すほかないでしょう。重要なことは、王室が守られることによってかつて西欧列強の植民地支配を受けなかった泰王国を存続することであり、時同じく上皇陛下(先帝陛下)の御譲位から天皇陛下の御即位を賜ったわが国、私たちもそうです。
さて、昨日記事でも取り上げましたが北朝鮮人民軍は四日、東部の虎島半島付近から日本海へ短距離弾道弾を数発発射し、日本海上では東部前線防御部隊の火力打撃訓練も行われ、朝鮮労働党の金正恩委員長が自らこれを指揮したと朝鮮中央通信が伝えました。
上記共同通信社記事の内容は、それを受けて政府が意図的に漏らした情報です。またぞろ周囲(世界)が見えなくなり始めた金委員長に対し、日米からのメッセージという意図でしょう。
北朝鮮内部では、既に人民軍や労働党員から金委員長に対する離反者が多数出ており、つぎつぎに惨殺処刑されたり平壌から僻地へ飛ばされたりしています。
ヴェト・ナム(越国)で開かれた二度目の米朝首脳会談が不調に終わったことで、内部引き締めの軍事行動が予想されていました(三月二日記事参照)。たとえ各国の非難を浴びようとも弾道弾発射に踏み切った北朝鮮は、再び「引きこもり」を始めるかもしれませんが、日朝首脳会談の可能性に言及したとする過去情報をばらまくことで、金委員長を思いとどまらせようという試みに違いありません。
よってその可能性は現在、低くなったと申さざるをえず、この記事に「ぬか喜び」することは避けたいところです。ただ、わが国は一貫して日本国民拉致事件の全面解決(全員帰国)を掲げ、北朝鮮に圧力をかけ続けるべきであり、やめてはなりません。