維新と公明の泥仕合の裏に
ほぼ大阪府民以外の興味をひいていない話しですが、この「目糞鼻糞を笑う」ような大阪維新の会と創価学会政治工作部(公明党)の泥仕合から、さまざまな事情が見えてきます。
まず、大阪府の松井一郎知事が恥ずかしげもなく公開した合意文書は、いわゆる「密約文書」であり、維新と公明では政策の方向性も違うのに「なぜ選挙協力をしたのか」という府民の根本的な疑問と両党に対する不信感を煽っただけです。府民の知らないところで、こんなことをしていたのか、と。
そして、その選挙についてですが、来年は春に統一地方選挙、夏に参議院議員選挙を控え、公明が学会員に対して「引き締め」を行うに際し、未だ維新がこだわる「都構想」とやらの住民投票に割り込まれる煩雑さを嫌っています。自民党も維新も「創価学会がついていれば安心」といいますが、いや、これはむしろ報道をはじめとする私たち外野の者がそういっているだけで、実は創価学会も大変なのです。
よって維新は、もはや創価学会の票を当てにしていません。まして国際博覧会(万博)の開催地が大阪に決まったことで、招致を進めてきた松井知事らは、その実績も上乗せして住民投票で勝てると踏んでいます。公明に配慮など必要なくなったのです。
恐らく統一地方選に乗じ、一部報道にある通り大阪府知事・大阪市長選挙が行われるでしょう。ただし、今のままの顔ぶれでは出直し選挙となり、任期が早くも同年秋には切れてしまいますから、松井府知事が辞めたがっていることもあって、府知事候補に大阪市の吉村洋文現市長を立て、市長候補に維新から新人を見つくろうことになるはずです。
もはや維新による大阪府政・市政の「私物化」と申してよい状態が続いています。とはいえ、さだめし府民・市民は現状維持の選択をするでしょう。この目糞鼻糞の泥仕合を認めたことにされてもよいか、よく考えていただきたいのです。