防衛省の闇と今井官邸支配

皇紀2678年(平成30年)8月3日

防衛省、装輪装甲車の開発中止へ 当初計画、白紙に:朝日新聞デジタル

 防衛省は人員輸送を担う96式装輪装甲車の後継車の開発事業を中止する。試作品が要求性能を満たさなかったことが主な理由。27日に発表した。今年度に開発を終える予定だった当初の計画は白紙に戻った。 陸上自…

(朝日新聞デジタル)

 この件は、牽引車(トラクター)を作ってきた小松製作所(コマツ、東京都港区)に装輪装甲車の開発を任せてきたこれまでの経緯に問題がなかったか、よく調べる必要があります。

 国土を守る緊急の必要に駆られた場合、陸戦に於いてはまず軍用装甲車両(中でも主力戦車より装甲戦闘車など)の供給が欠かせません。そのうちの一つに、防衛省が大きな穴をあけてしまったという話なのです。

 コマツは、未だに「中共関連株」といわれています。経済紙などで都合よく「脱中共に成功した」などともてはやされてはいますが、その実態は未だ中共経済に依存しており、腐敗した地方官僚や共産党幹部と懇意な間柄にならない限り大きな商売ができない状況に(習近平国家主席主導の手前勝手な「脱腐敗」後も当然)変わりがないため、念には念をというところで防衛装備品の発注を控えるべき企業の一つでしょう。

 目下、実は旧民主党議員たちが手を貸していた文部科学省の腐敗先月二十七日記事参照)ばかり表に出ていますが、今回の重大な失態を端緒にいずれ防衛省の腐敗も発覚し始めるに違いありません。

産出ガス、日本に運べず 国が800億円出資、液化頓挫:朝日新聞デジタル

 エネルギーの安定確保のため、独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」が出資し、海外で開発したガス田について会計検査院が調べたところ、ガスを産出したにもかかわらず、国内に運ぶめどが立たない場所が…

(朝日新聞デジタル)

 そこにもう一つ加わるのがこの会計検査院の発表内容です。敢えて大げさに表しますと「装備が供給されず、資源も断たれた」となれば、大東亜戦争中に各地の先人たちが玉砕していったようなことになります。

 定めし皆さんも「日本は一体何をしているのか」と思われたでしょう。わが国近海に眠る海底資源の商業化も、第二次安倍内閣発足直後に経済産業省が「五年後」の目標を掲げて臨んだものの、その期限が過ぎて今なお何もできていません。最も大きな成長戦略になり得たにもかかわらず、安倍内閣は大失敗したのです。

 しかも海外から調達する資源まで運び損ねるとは、液化の技術があり、資金力にも不足がないだけに、経産省から多くの人を取り込んだ安倍官邸の政策遂行力に暗雲が垂れ始めました。

 以前から指摘しているように経産出身の今井尚哉首相補佐官がいてこの顛末ということは、機構自体が今井補佐官の指揮下にあって、どんな過ちも補填してもらえるという考え程度で運営されているとしか思えません。実際そうなのでしょう。商才がないから公務員になったくせに経産官僚の質の悪さは、自分たちがわが国の経済活動の一切を操作していると思い込んでいることです。

 そうして私たち国民には「日本は資源がない国」と喧伝し続け、現行憲法(占領憲法)に忠実に、何の挑戦もしない行政を遂行しています。いえ、正確に申せば勝手にわが国が何かしてはいけませんから、何もしていないのと同じなのです。それを許しているのが占領憲法を「憲法」のまま放置する立法であり、つまり最終的な責任は国会議員と彼らを選んだ私たち国民にあります。

 とりあえずわが国の失敗を面白がるだけの朝日新聞社がこれらを小さく報じたものの、大きな問題としては全く扱われていません。しかし、防衛装備に穴が開き、資源供給にまで穴の開いた国が「安全快適」なはずなどなく、発注した防衛官僚および「今井官邸」の間違いを正さなければ同じことが繰り返されます。

 報道はまだいわゆる「二つの学園問題」の対応をめぐる安倍内閣の評価を世論に問うていますが、自分たちでミスリードしておいて「多くの国民がまだ疑っています」とは、扇動莫迦の所業にも限度というものがあるでしょう。

 本当に彼らが世論に問うべきは、或いは私たちが注意すべきは、本日扱ったような問題なのです。

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『防衛省の闇と今井官邸支配』に1件のコメント

  1. 心配性@我は蛮夷なり:

    「二つの学園問題」のうちの森友の方ですが、籠池氏ご長男の「真相暴露」以降、各方面に波紋が広がり続けているようですね。
    波紋はどんどんどんどん大きくなっていくでしょう。(この話題は割愛するとして)

    時々中国が羨ましいと感じるのは、災害時です。
    民主的多数決や話し合いで時間を潰していては大変だという「存亡の事態」が、まさに災害発が発生した時です。

    小田原の高波被害ですが、アナウンサーや気象予報士が「まるで津波のようだ」という言葉を飲み込むのを何度か見ましたが、本当に恐ろしい事態が発生していたようです。
    海底に沈めてあった、非常に重い波消しの石の塊などが、波の力で持ち上げられ、堤防を越えて散乱している場所もありました。
    通常の高波ですと、あり得ない光景です。

    小田原の有料道路、高波で冠水 搬送中の救急車立ち往生
    https://www.asahi.com/articles/ASL7X6V6LL7XULOB00Y.html

    乗用車や救急車に乗られていた方々も、冷静な判断によって全員無事でしたが、普通だとパニックになって死んでしまいます。
    よくご無事だったとホッとしましたが、効果的な「強靭化」が急がれます。