日本のプルトニウム保有に

皇紀2678年(平成30年)7月3日

 実はタイ王国(泰国)北部チェン・ライ県で、先月二十三日からタム・ルアン洞窟に閉じ込められてしまったサッカーチームの少年十二人とコーチ一人の行方を、私はずっと気にしていました。もはやサッカー世界杯に於ける日本代表の行方よりもです。

 そしてついに本日、閉じ込められてから十日を経て全員の無事が確認され、まず泰王国軍海軍によって発表があり(まだこの時点では状況不明でしたが)、続いてナロンサク・オソタナコーン県知事が会見し、洞窟内部で生存する少年たちの映像が公開されました。ご家族の皆さんはさぞや心配されたでしょう。衷心よりお見舞い申し上げます。

 彼らの捜索には、泰王国軍のみならずわが国からも災害救助の専門家が現地へ飛びましたが、五月から泰国は雨季で、洞窟内の水かさが増しており、作業が難航していたところ、ここ数日は雨も小降りとなって排水が進んだ結果、ようやく彼らを発見できたようです。

 そもそも彼らは、いわゆる「根性試し」でコーチに促され、よくこの洞窟に入っていたそうですが、今回は水位の上昇という自然の力を前に、自分たちの力でどう生き延びるかという究極の体験をしました。

 本日からは、今しばらく洞窟内で医療チームのサポートを受けながら外部からの食糧補給に助けられますが、ここまで恐らく窟内の水などを口にしながら生き続けた彼らは、まさに「自立再生」を経験したことになります。

 国家に於いても、自ら生きる力を持たない国は、他に隷属するか滅びるしかありません。窟内の彼らは、外からの救援がない以上、水を口にして、或いは水が引くのを待って外へ出て生き延びるか、それともいずれも果たせず死ぬか、どちらかしか道はありませんでした。

 少年たちが皆無事で、本当によかったです。この朗報を聞き、つい思ったのがこれです。

北非核化に「悪影響」 大量プルトニウム 元米国務次官補が懸念

 米オバマ政権で昨年一月まで国務次官補を務めたトーマス・カントリーマン氏が都内で本紙の取材に応じ、日本が核燃料サイクルの一環でプルトニウムを大量に保有していることについて、「国際安全保障上の懸念となっている。特に核不拡散…

(東京新聞 中日新聞社)

 わが国のプルトニウム保有について、因縁をつけてきたのは米国でした。これに対し、本来であれば「中共や北朝鮮の核兵器保有こそ日本の安全保障上最大の懸念であり、日本に核兵器を保有する理由を与える。そこまで話を大きくしてもよいのか?」といい返せばそれで終わりですが、わが国のプルトニウム抽出は、日米原子力協定で米国に「許されて」きたものです。わが国の自立した意思、または方針とは申せません。

 よって米国に因縁をつけられれば黙って従うか、許しを請うかせねばならないのであり、わが国の軽水炉型原子力発電も米国に支配されていると申して過言ではなく、そんな中で東京電力福島第一原発事故が起きました。それでも現行軽水炉型を再稼働させねばならないのは、情けないことにわが国の意思とは関係なく米国の意思なのです。

 安定的に電力供給できない国は、経済的に失速していくほかありません。私たちの暮らしに欠かせないものです。しかし、それを自分たちの力で調達できているのは、水力発電などほんのごくわずかなのです。

 この惨憺たる現状にもまるで真摯に向き合わない現行憲法(占領憲法)政治は、それ自体が「まやかし」であり「出鱈目」なのであり、私たち国民は、いざ洞窟に閉じ込められてしまえば「死ぬしかない国民」だということに、まず気づくことでしょう。

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『日本のプルトニウム保有に』に3件のコメント

  1. 心配性@我は蛮夷なり:

    鯛の洞窟の件、全員無事で安心しました。

    桂歌丸師匠のご冥福をお祈り致します。
    幼少の頃から波乱万丈の人生でしたが、身体は弱くてもメンタルの強い方でした。
    出囃子の『大漁節』が聴けないと思うと寂しいです。

    桂歌丸 「つる」
    https://www.youtube.com/watch?v=pOVgXTunSbc

    サッカーの日本代表は、「勝ち」にこだわる西野監督らしくない、大逆転負けでした。
    また、「勝つ事」以上の‶何か”を追及してしまう、日本人らしい負け方だとも思いました。
    日本人に必要なのは、外部からの批判をはねのける「毛の生えた心臓」と「鉄面皮」と、いったん「目標」を定めたら「迷わない心」ではないかと思いました。

  2. 心配性@我は蛮夷なり:

    途中で送信してしまいました。

    鯛の洞窟の件、全員無事で安心しました。×
    タイの洞窟の件、全員無事で安心しました。◯

    「根性試し」の件ですが、日本だったら、あっという間にメディアに叩かれてコーチはクビだと思います。

  3. きよしこ:

    十日も洞窟に閉じ込められていれば、水位の上昇はもちろん高温や恐怖による極度の錯乱などが心配されましたが、「本当によかったですね」で済ませられる程度にとどまって安心しました。我が国に於いてもふざけ半分で危険な場所に立ち入り、取り返しのつかない事態に発展することがまるで恒例行事のように起きますが、たとえよその国の案件と言えども、自然の恐ろしさと、追い詰められても冷静に生き延びる方法を探り実行することの大切さを学ばなければならないと思いました。

    ところで先生は昨日のベルギー戦はご覧になられたのでしょうか?私は仕事をしながらラジオ中継で最期まで聞き届け(?)ました後半開始7分までに2点を先取するという出来過ぎな展開に、ずっと嫌な予感がしていたのですが、やはり見事に的中しました。気持ちは分かりますが、あれを開口一番「惜しかった」「よくやった」と労ってばかりいるようでは、ベスト8以上などいつまで経っても望むべくもありません。思うに日本のサッカーがどうしても殻を破れないのは、「W杯で優勝する」という目標を堂々と掲げられない空気が蔓延しているからだと思います。高い目標を掲げると「そんなの無理に決まってるだろ」と一笑に付してしまうさまは、まるで自立することを徹底的に否定された占領憲法を「重宝」する我が国そのものです。

    今回のW杯における日本戦の視聴率が、深夜の放送にも関わらず驚異的な数字を記録していると知り、「やっぱりワールドカップはスゴイなあ」と思いつつも、それぐらいの関心の高さをどうして憲法にも向けられないものかと、(日本代表の敗戦も相まって)深い溜息が出てしまいますね。