靖国の乱~徳川宮司退任へ

皇紀2678年(平成30年)1月27日

 野中広務元内閣官房長官・元自民党幹事長が二十六日午後、亡くなりました。お悔やみを申し上げます。亡くなった方にこう申すのは気が引けますが、京都の地方議員から国政へ転身し、ほどなくして権力をふるうことができたのは、この人がいかにも立派な政治家ではなく「恫喝」の政治家だったからに違いありません。

 この人が権力の中枢にいて助かったという人は大抵ろくでもなく、私たち多くの国民にとっては、いちいち国益を損なわれて迷惑でした。少なくともそのような記憶しかありません。

靖国神社 徳川康久宮司が退任へ 「一身上の都合」と説明

靖国神社の徳川康久宮司(69)が退任する意向を関係者に伝えていたことが23日、分かった。同神社関係者が明らかにした。定年前の退任は異例。徳川氏は「一身上の都合」と周囲に説明している。

(毎日新聞)

 さて、平成二十八年六月に共同通信社が配信した靖國神社の徳川康久宮司の「明治維新という過ち」なる発言を端緒に、会津藩士や西郷隆盛らいわゆる「賊軍」の合祀を唱え、今回の退任決断に繋がる静かな騒動が起きていました。

 私は何度も、時の権力から見て「官軍」か「賊軍」かで合祀する御霊を選別してきたのは、東京招魂社から靖國神社へと名称変更したのをきっかけに正すべきだったと申し、徳川宮司が主張するように「国を想って戦った御霊を全て合祀すべき」との立場をとってきました。

 ただ私は、徳川家の末裔でも何でもありませんから、徳川宮司がどの立場から石原慎太郎元東京都知事らの陳情にそう答えたのか分かりませんし、怪しんできたのも正直なところです。とはいえ今さら「徳川家の子孫だから」というのもどうかと思います。

 毎日新聞社記事にある「元総務部長」というのは、昨年『靖国神社が消える日』(小学館刊)を著した宮澤佳廣元禰宜です。結局は、神社内部で抗争が起きたと申してよいでしょう。

 現行憲法(占領憲法)を放置し続けることが靖國の危機(英霊招魂の否定)に繋がるとでも提言されたのならいざ知らず、中身はほとんど私怨に満ちており、つまるところ富岡八幡宮が血にまみれたのと大して変わりません。

 靖國が「消える」と騒いで注目を集め、稼ぎに奔った行為が靖國を「消す」ことになったも同然です。

 平成を「三十一年四月三十日で終わらせる」と安倍晋三首相が議長になって皇位継承をいじったあの日以来、以前にも申しましたがわが国の災厄が始まる、と。過去最強の寒波がわが列島を覆う今冬、祭祀の国で神社が消えるのです。

 もう私たちの目に映っている神社は、私たちの知っている神社ではありません。今上陛下の「生前退位」なる世にも恐ろしい言葉に抗議一つしない神社は、神社ではないのです。莫迦な神職たちがこんなことにしてしまいました。

 私たちにできることは、まず祭祀を実践することですが、本物の神職を探して目下の惨状を訴えることです。一刻も早くかつてない国難に気づいてほしい。

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『靖国の乱~徳川宮司退任へ』に3件のコメント

  1. 心配性:

    野中氏のご冥福をお祈り申し上げます。

    「巨星落つ」という報道が相次いでいますが、個人的には「巨星」という印象はあまりなく、「ご意見番」といった印象を持っていました。

    最近、神社関係で色々あるようですね。
    何分、「権力闘争」も含めて「現場」を知らないので、安易なコメントは差し控えますが、個人的には「賊軍」関係者の合祀も検討すべきだとは思います。
    彼らが「愛国者」である事には変わりがありませんので。

    ところで、最近「読売新聞」に、「女性宮家は時代の要請」であり、仮に「婿養子」といった立場であったとしても、旧宮家関係者を復帰させて「男系」で繋ぐような事があれば、むしろ「天皇制」に対する信頼が揺らぐ・・・といった報道がありました。
    なにも、一新聞社がそこまで介入しなくてもよいのに(溜息)、と思いましたが。

    個人的には、良くも悪くも、「後は野となれ山となれ」といった気分でおります。

    最近私は、これから先も、自分が「日本」や「日本人」といったものに「アイデンティティー」を見出していけるかどうか、正直自身はありません。
    「地方の時代」とか「道州制」といった議論はともかくとして、日本がバラバラになって行く感じがします。

    今後は「天皇制」(といった言葉は使いたくありませんが)、そうしたものに代わる、新たな「イデオロギー」というか、「新たな『背骨』」が必要になってくるでしょう。

  2. やす:

    明治維新とは「徳川潰し」と同義ですし今の政府は薩長政権の延長ですからその影響が今でも続いているということではないでしょうか
    徳川潰しはそのまま日本の伝統文化の破壊につながり、日本の西洋化が始まった時からそれまで気づき上げてきた日本独自の精神性や道徳心が徐々に破壊され、それが大東亜戦争の敗北を招き今の日本の混乱を招いたのは間違いないと思います
    神社や皇室問題で揉めるのは日本の伝統文化の破壊が根本にあり、それを正すにはもう一度幕末まで時間を戻して軌道修正する必要があると思います
    今年明治維新150年でこういう問題が起きるのはむしろ神が我々に気付かせようとしていると私は思ってますし、これを最後のチャンスとしないと日本は神の国でなくなるような気がします
    今の安倍総理を筆頭とした政府に何かを期待しても無理ですので、我々一人一人が覚醒し、学校では教えてくれない正しい歴史を学ぶ塾のようなものが増えていると聞きますので、自ら学ぶ 自ら情報を取りに行く 自ら考えるということを各々が身に着けるしか日本の再生はないと思います
    先日亡くなられた西部邁氏に関してはご冥福をお祈りしますが、自殺と言われている原因は病気と言われていますが、それ以外にテレビで見ていて今の日本の現状に疲れ切っている印象を受けましたので、日本の未来に絶望したのもあったのではないでしょうか
    人の死についていろいろ言うのは不謹慎かもしれませんが、結局日本の未来を明るくするのも暗くするのも政府ではなく我々国民一人一人の意識にかかっていると自覚して、行動することかもしれませんね

  3. miku:

    通常簡単に理解できるような形で神様がメッセージをくれることはありません。これほど楽に読み解けるメッセージが出たということは、余程神々が伝えたい事があるのだと解釈できます。

    富岡・靖国に共通するキーワード 「金」「権力」「争い」
    靖国から読み取れるキーワード 「戦後」

    つまり戦後の日本人に植えつけられた西洋的価値観「金がすべて」に対する警告と、英霊が命をかけて守りたかったもの「日本精神」を捨て去るのか?ということだと思う。

    ここまで誤解しようもない直接的なメッセージが出るということは、現状の日本は余程の危機状態にあるという事であり、今なら間に合うという「最後通牒」ではないでしょうか?