安倍首相の成功と失敗とは

皇紀2677年(平成29年)3月21日

第3回 救国の提言講演会・神戸「どうなる日本、どうする日本」
 4月15日(土曜日)午後18時より、神戸市中央区の勤労会館(JR三ノ宮駅、阪急・阪神神戸三宮駅より徒歩すぐ)4階にて開催します。万障お繰り合わせの上、ご参加ください。詳細は、後日お知らせします。第4回の東京は、5月開催の予定です。

 さて、報道各社は、安倍政権について申せば相変わらずいわゆる「森友問題」に捉われており、豊洲移転問題では、小池百合子都知事のおかしな発言に一つの批判も加えません。ここでは、少し実のある話をしましょう。

 http://www.sankei.com/politics/news/170320/plt170320……
 ▲産經新聞:安倍晋三首相がドイツ到着 「自由貿易を守るチャンピオンでありたい」と保護主義にクギ 情報通信機器展示会であいさつ
 http://www.sankei.com/economy/news/170320/ecn170320……
 ▲産經新聞:【日銀総裁4年】「日銀ウオッチャー」が評価する黒田総裁の4年 前半はアベノミクス牽引に評価 “マイナス金利”から変化、政策に息切れも

 安倍晋三首相は現在、独・仏・白(ベルギー)・伊の順に歴訪の予定で、まず独ハノーヴァーに到着し、日独首脳会談でアンゲラ・メルケル首相と顔を合わせました。

 以前にも申したように米国のドナルド・トランプ大統領とまともに首脳会談ができたのは、現時点で世界広しといえど安倍首相ただ一人であり、メルケル首相は、まずトランプ大統領の感触をかなり安倍首相に尋ねたようです。

 そこで相当の手ごたえを得たメルケル首相は、トランプ大統領に対してほぼ初めてといってよいほど理解のある発言をしました。このようなことができるのは、安倍首相だけです。

 ところが、安倍首相は演説で、自由貿易の推進を唱え、日欧経済連携協定(EPA)の早期締結に言及しました。環太平洋経済連携協定(TPP)に反対してきた中でも申しましたが、日独米は互いに経済・貿易に於いて仮想敵国関係にあり、この三カ国のいずれかが絡み合う自由貿易協定には、必ず毒が入るのです。

 TPPに反対するといって政権を奪還した自民党がすっかりそれを忘れ、移民政策に反対するといってきた安倍首相が外国人労働者の積極的受け入れ(というより人を物のように輸入する)分野をつぎつぎに拡大、条件を緩和させています。

 かつて先進国が後進国を支配して現地人から搾取した欧米型植民地政策(わが国の皇民化政策はこれと似て非なるもの)は、今や歴史に於いて批判の対象となったように、先進国の減少した労働力を発展途上国から補う次世代型植民政策も、必ず後世に於いて歴史の審判を下されるでしょう。

 安倍首相の耳元で政策提言をささやく連中の質が悪すぎるのです。そのような安倍首相をただ非難するのは簡単ですが、私たちが目指すべきは、首相の選択を誤らせないよう別の政策提言をしっかりすることしかありません。

 日本銀行の黒田東彦総裁は、量的金融緩和で安倍政権の政策を後押ししましたが、肝心のその政策が「息切れ」どころか最初から呼吸すらしていなかった(大胆な資源開発などの成長戦略がない)がために、ほぼ水泡に帰してしまいました。

 ゼロ金利政策も、その目標として脱却を目指したはずの給与・物価下落(デフレーション)にもはや逆戻りした今、本来ならただちにやめねばなりません。しかし、黒田総裁がまさか「安倍政権の経済政策に期待されたようなデフレ脱却の先がないのでやめる」とはいえないでしょう。ますますわが国の首を絞め始めました。

 こうなりますと、トランプ大統領に「日本は消費税を廃止しろ」とでも言ってもらえば丁度よいのですが、それも情けない話で、私たちの経済政策は私たちの手で作り上げていきたいと思います。

 つまらない工作で倒れかけている場合ではないのです。

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『安倍首相の成功と失敗とは』に3件のコメント

  1. 心配性:

    「忖度」という言葉が流行っていますが、仮に、マスコミが財務省や他の省庁、アメリカを始めとする関係各国の顔色を「忖度」する事が過去にあったとしても驚きません。

    二階堂ドットコムさんが、当初から「財務省陰謀論」を展開されていました。
    別に「陰謀論」でなくとも、誰でも簡単に思いつく、‶ありがち”なストーリーの一つだとは思います。

    やはり、元財務官僚の方も、財務省が「大嫌いな安倍総理」を罠に嵌め、辞任に追い込む事は、非常に容易いと考えているようです。

    財務省OBが見た、森友学園問題の本質と予測される「残念な展開」
    http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51260

    私が財務省の役人だったら、「消費増税」一つとっても財務省の思い通りに動いてくれず、「国民一人当たりの借金」を減らせないダメ総理は、さっさとスキャンダルで辞任してもらいたいですし、さもなくば「難病がこじれて死なないかなぁ・・・」などと不謹慎な事を考えるでしょう。

    とは言え、気になる事が一つ。

    以前、反日左派の『ジャパンタイムズ』が、朴槿恵スキャンダルに絡めて「森友スキャンダル」を紹介していました。
    そして、中国メディアも、目下「森友問題」を利用して安倍政権叩きや日本会議叩きをヒートアップさせているとの事です。

    でも、中国政府に言いたいですね。
    未熟で外交下手の蓮舫総理になったとしても、日中関係は絶対に良くなりませんよ、と。
    菅政権や野田政権の時を思い出してください、リベラルな政権が、必ず日中関係の改善に力を発揮してくれるという保証がありますか?という事を。

    ※なお、私は以前も申しました通り、今回の騒動によって、殆ど初めて森友学園を知り、テレビで初めて籠池ご夫妻の‶ご尊顔”を拝した類の部外者です。
    自民党の関係者でもないし、日本会議なる団体の関係者でもありませんので、風の向くまま、気の向くまま、右に左に、好き勝手に持論を展開する無礼をお許し下さい。

  2. 心配性:

    「安倍政権や日本会議を倒しさえすれば、日中関係は改善するのだ」という考えは、やはり短絡的で甘いと思うのです。
    リベラルな菅政権や、穏健な野田政権の時を思い出せば、説明は要らないでしょう。

    中国、森友学園問題をトップニュース扱い!
    http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/post-7207.php

    それから、単に「箔」をつけるつもりだったのかも知れませんが、籠池氏は「日本会議大阪 代表・運営委員」という、この世に存在しない肩書を名乗り続けて世間に誤解を与えた事を、少し反省しなければいけませんね。

    ※なお、私は日本会議関係者ではありませんので、内部の事情に疎いです。
    日々勝手な持論を展開する無礼をお許しいただき、感謝いたします。

  3. 椿:

    安倍総理の大失敗は、何と言っても河野談話を破棄せず、
    さらに、「日韓合意」をして、ご先祖様を「冤罪」に貶めた事です。

    この日韓合意以降、私は安倍総理の応援をするのを止めましたから。