配偶者控除廃止はよいのか

皇紀2676年(平成28年)9月11日

 米国防総省やニュー・ヨークの世界貿易センタービルなどが狙われ、日本人を含む多数の死者を出した同時多発テロ事件から本日で十五年の月日が経ちました。

 米本土攻撃は、彼らの暦に於ける十九世紀初頭の英米戦争、第二次世界大戦での大日本帝國軍によるもの以来であり、さらに国家と(米政府機関が裏で支援してきた)テロリストとの戦いの幕開けを意味しました。

 そのような時代にあってなお状況把握のできない典型的な「現行憲法(占領憲法)政治家」だった自民党の加藤紘一元幹事長が九日正午過ぎ、肺炎のため亡くなりました。平成二十六年五月には、元自民党代議士としては異例の日本共産党機関紙に寄稿するなど、もはや奇行が目立ったものです。

 http://www.sankei.com/politics/news/140829/plt140829……
 ▲産經新聞:防衛庁長官時代から自衛隊を“軽侮”していた加藤紘一氏

 同じころ、加藤氏の奇行を取り上げたのが上記産經新聞社記事です。私も小学生のころは「共産党の言っていること(自衛隊は占領憲法第九条違反)が最も正しい」「不沈空母発言の中曽根内閣を倒せ」と思っていましたから、加藤氏の言いぐさも分からないではありませんが、防衛庁長官(現防衛相)としては、あまりにも不適切な発言でした。

 さて、今月に入り、映画『名もなく貧しく美しく』などで知られる松山善三監督が先月二十七日に亡くなられていたことが分かりました。衷心よりお悔やみを申し上げます。

 脚本家としても成瀬巳喜男監督の『乱れる』(主演は妻の高峰秀子さん)や佐藤純彌監督の『人間の証明』などを手がけましたが、秀子さんが作家の斎藤明美さんを養女に迎え入れられたのは、ご自身の余命を悟って善三監督のために遺していかれたのだと思います。

 善三監督の名言は、ご夫婦と親しかった方から伺った「人間の死亡率は百%なんだから」です。物への執着が一切ない秀子さんが或る家電製品の購入を迷われた際、善三監督はそうおっしゃって「余命のうち便利になるなら買ってしまいなさいよ」と勧めたそうです。だから秀子さんがハワイの家を処分された時も、受賞なさった数かずの映画賞のトロフィーなど純金製以外を全て捨てた時も、善三監督は止めなかったのでしょう。

 秀子さんが亡くなられ、善三監督は一気に体調を崩されていました。明美さんが身の回りのお世話をなさっていたのでしょう。今ごろ天上でご夫婦が再会されているかもしれません。

 http://www.sankei.com/politics/news/160909/plt160909……
 ▲産經新聞:政府税調、配偶者控除の見直しに着手 「夫婦控除」への転換軸、11月めどに見解

 高峰秀子さんは、家族のために仕方なくなった役者のお仕事をきっぱりおやめになり、のちに木下惠介監督や伊丹十三監督からのオファーも断わってきた中で、周囲に「私は松山秀子です」と明言するようにしておられたそうです。

 話はがらりと生臭くなりますが、配偶者控除の廃止が女性のためであるかのような報道は、多分にミスリードしているように思えてなりません。

 既に女性のいわゆる「活躍者」は、年収百三万円の壁など無視して納税していますし、一方でそれを避けるため、或いは家族との時間を残すために百三万円の壁がよい口実になっていたのも事実です。

 つまり、妻または夫に選択権があったわけで、徴税を増やしたい財務省の口車に乗せられて「女性の労働環境改善」などと言うのは、いかがなものでしょうか。このことは、今後も取り上げます。

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『配偶者控除廃止はよいのか』に4件のコメント

  1. きよしこ:

    特に税制に関して私は全くの門外漢なので多言は避けますが、どうしてもこの手の報道で違和感を覚えるのは、何ら根拠のないまま醸成された「社会進出イコール金を稼ぐこと」という風潮に誰も異議を唱えないことです。それまで働いていた女性が結婚して子供を儲け家事や子育てに専念することもまた、立派な社会進出であり社会貢献でしょう。人をモノのように扱うことも同じですが、人間の価値を収入の多寡で測るのはいずれ国家を根元から破壊します。女性にとって働きやすい「労働環境」も、安心して暮らせる、そして家事や子育ての苦労を目に見える形で労ってもらえる「生活環境」があってこそだと思うのですが・・・

  2. 心配性:

    ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は「親中」姿勢が注目されていますが、他にも興味深い発言を行っています。

    オバマ大統領に「売春婦の息子」と罵声を浴びせたのは如何かなものか?と思いますが、国連事務総長について「バカ者」と言い放った点は、「全くその通りだ!」としか思いません。

    また、ラオスでは、スペインやアメリカに支配された歴史に触れ、かつて米兵に殺害された大勢のフィリピン人の写真を示し「(欧米の連中は口を開けば、人権、人権と喧しいが)いったい、人権が何かを知っているのかね?!」と一喝して見せた点は痛快です。

    欧米のマスコミや一部の政治家は、日本の右傾化を嘆き、「性奴隷」を連呼して日本叩きをすれば、アジア諸国の人々が拍手喝采してくれると思っているようですが、毎回「拍手喝采」しているのは、主に中国・韓国・北朝鮮の人々達ですからね。
    「吉田清治のデマ」を「事実」だと強調するのも、自国の過去に負い目があるからでは?と思ったりもします。

    今後世界に広くまき散らされる恐れのある反日プロパガンダは、徴用工、関東大震災、北朝鮮帰国事業の他に、「イスラエルと軍事協力を進めてパレスチナや中東を火の海にする日本」です。
    イスラエルとの云々報道は、捏造や誇張満載で「殆どがデタラメ」と酷評されるものもさえ少なくないようですが、既に広まってしまっているので、「外交姿勢の見直し」を含めて、政府が慎重に対応するしかありません。
    欧米のリベラルメディアは「過去には暴虐の限りを尽くし、現在も相変わらず軍国主義ノリノリな危ない日本」という報道を好んで行いテロを煽るでしょうから、安倍総理には、慎重な言動が求められます。

  3. 心配性:

    仮に事実なら問題です。

    大なり小なり「豊洲」と同じような事が、過去日本中到る所で発生しているのでしょうが、この様な状況でなお各種「増税」が可能だと考える政府は、国民に甘え過ぎていると感じます。

    他の国なら、デモや暴動が多発しても可笑しくないレベルです。

    小池百合子に言っとけ
    http://www.nikaidou.com/archives/85298

    >築地市場移転問題。森の腐れ外道と内田のクズ野郎らの利権で手抜き工事。ターレが通る道、もう地盤沈下してるよん(笑)

    >あそこは、移転してもすぐまた移転だよ。ものすごい地盤沈下してるみたい。さぁ、朝日新聞調査報道部のでばんだぞ!

  4. 翠子:

    「配偶者控除の廃止」には、日本の家族制度を崩す目的も含まれているのでしょうか。必要に迫られた女性は別として、家庭で家事・子育てをして家族を支えるのも、日本のお母さんの立派な仕事です。家父長制度には、父親や長男が独裁的になる面もありますが、元々は稼ぎ手が一家を支えることで、妻や母が女性の役割を充分にこなせるようにという配慮もある気がします。夫婦別姓とか、婚外子の実子同等の扱いなどのように、日本の根幹をなす「家族」の破壊に繋がるのではないかと恐れます。子沢山で家庭に居たい場合や、病気で働けない場合のセーフティーネットが維持されるような制度を望みます。