ASEANは中国支持の嘘

皇紀2676年(平成28年)7月26日

 沖縄県内に於けるいわゆる「反在日米軍基地」活動がますます各所で激化していると煽る報道を前に、海兵隊所属の垂直離着陸機MV‐22(オスプレイ)の配備について、安倍政権が諸悪の根源のように語って譲らない「日雇い活動家」たちがいますが、賢明な方ならご存知の通りMV‐22の駐留と運用が始まったのは平成二十四年七月から十月、つまり旧民主党(現・民進党)の野田政権でした。

 http://www.asahi.com/special/futenma/TKY201209240450……
 ▲朝日新聞:沖縄知事「県民は限界」 オスプレイ配備中止求める(平成二十四年九月二十四日記事)
 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf……
 ▲衆議院:衆議院議員照屋寛徳君提出MV22オスプレイを使用した日米共同訓練と日米地位協定に関する質問に対する答弁書(外務省該当ページ 平成二十四年九月十九日を参照)

 沖縄県へ最初に配備を説明しに行ったのは、鳩山政権から菅政権まで続いた北澤俊美防衛相であり、平成二十四年九月十九日の(日米)合同委員会では、沖縄県外への駐留と運用まで検討することで既に合意されています。

 まして「官僚主導を徹底的に否定した旧民主党」政権下のことですから、よもや合同委員会の日本政府代表だった外務省の伊原純一北米局長が「勝手にやったこと」などとは言わせません。

 実際には、旧民主党の閣僚たちが何らの役にも立たず、官僚たちが「悪者」にされながらも不作為を補填して回ったとはいえ、オスプレイ日本配備の責任を問いたいというのであれば、普天間飛行場返還交渉からの流れがあったとしても、民進党の連中に向かって抗議すべきなのです。

 そもそも民進党の議員たちに件で安倍政権を批判する資格など全くありません。彼らのおかしな言動を見かけたら、まずこのことを思い出してください。その上で、これからをどうするかについては、安倍政権に問い質していきましょう。

 http://www.sankei.com/world/news/160725/wor160725……
 ▲産經新聞:「大失態」から巻き返しに奔走した王毅外相 「ASEANは中国を支持」と“勝利宣言”

 さて、中共共産党に於ける地位などほとんどないに等しい北京政府の王毅外交部長は二十五日、東南亜諸国連合(ASEAN)外相会議で、南支那海を名指しした対中非難声明が出されなかったことに安堵したようですが、産經新聞社記事にある「巻き返し」だの「勝利宣言」だのとは程遠い成果でしかありません。

 以前から申しておりますようにASEANの原則は、他国への不干渉であり全会一致です。南支那海侵略に困り果てているのは、本来の馬国(マレーシア)と比越尼(フィリピン、ヴェト・ナム、インドネシア)三か国であり、主として他の国ぐにに関係がないため、もともと何らかの共同声明を出しにくい事件でした。

 柬老(カンボジア、ラオス)など「屈中」の仕上がりは、決して王部長の功績ではなく、今回のことで習近平国家主席に認められることはないでしょう。このようなことをしても中共共産党の不利は変わらず、彼らが戦争の準備を進めれば現下の米政府は対応するでしょうし、実のところヒラリー・クリントン前国務長官が大統領になっても米中戦争が忌避されることはないと思われます。

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