勇気ないのは仏独英のほう

皇紀2676年(平成28年)5月28日

 昨夜、仕事が終わってすぐ(報道にふれる時間がなかったまま)某官僚から「今日は羽田空港が使えなくなって頭にきた」との連絡があり、とっさに「各国首脳の移動の影響でしょう? あなたが怒ってどうしますか」と申したら、そうではなくて大韓航空2708便(ボーイング777)羽田発ソウル行がC滑走路内で左翼エンジンから出火の事故を起こしたというので驚きました。

 何に驚いたのかと申しますと、大韓航空機だったことにです。よく事故を起こすというだけでなく、伊勢志摩サミットや米大統領初の訪広という歴史的な日に大韓航空機が破壊活動(テロリズム)に遭ったのでは当然なく、大韓航空機左翼下の出火自体が「反日テロ」だったのではないか、と。

 バラク・オバマ大統領の訪広に「日本は加害者のくせに」などと被爆者をも傷つけるような暴言さえ吐いて台無しにしようと画策する国でなければ、私たちが中韓に関連するあらゆる出来事に対してこれほど懐疑的になることはありませんが、とにかくこの事故の影響で広島入りを目指した複数の国会議員が足止めを食ったようです。

 http://www.sankei.com/politics/news/160527/plt160527……
 ▲産經新聞:【伊勢志摩サミット】安倍外交の成果 対中包囲網で結束、東シナ海・南シナ海の懸念を首脳宣言に明記

 中共北京政府がわが国を名指しして怒った首脳宣言の中身については、上記産經新聞社配信記事をお読みいただくとして、しつこいようですが安倍晋三首相は消費税率再引き上げの中止を既に決めており、サミット終了後に発表されるのですが、野党は申すまでもなく報道各社のそのことに対する危険な姿勢が早くも露わになっています。

 どなたもこなたも経済音痴なことで知られる民進党の幹部たちが言っていることを、判で押したようにそのまま報じ始めているのです。そのロジックは、いわゆる「アベノミクス」が失敗したので消費税率引き上げを断念し、その言い訳として各国首脳に「危機」を煽って仏独英から拒絶されたというもので、さらには、支持率の低いフランソワ・オランド大統領やアンゲラ・メルケル首相、デイヴィッド・キャメロン首相のほうが優秀且つ冷静で、安倍首相は愚劣且つ焦燥を隠せないというものでした。

 しかし、実行の順番も中身も間違えた成長戦略のせいでアベノミクスが不発に終わっているのは確かなものの、税制はこれらと全く別の政策であり、欧州経済の危機を口に出せない仏独英首脳たちは明らかに意気地なしです。直後に起きた「リーマン・ショック」を見抜けなかった洞爺湖サミット(議長=福田康夫元首相)の失敗を繰り返さない決意の安倍首相と彼らとでは、器の大きさが違うようにさえ見えました。

 とっくに露国に仕掛けられている欧州連合(EU)の最悪の展開を知っても、キャメロン首相はEU残留を国民に訴え続けていられるでしょうか。むしろ離脱したほうがよいと考えるかもしれません。

 日米首脳の訪広で話題をさらわれた他国の首脳は特につまらない思いをしたのかもしれませんが、主要国の内需が委縮しないよう財政規律よりも財政出動に機動的対応が求められています。これを日本首脳が提起したということもまた、歴史的だったのです。

スポンサードリンク

『勇気ないのは仏独英のほう』に2件のコメント

  1. きよしこ:

    大韓航空機の炎上に関しては、意図的なテロなのかどうかはわかりませんが、羽田空港で足止めを食らった方々にとって韓国という国に対する感情が最悪になったのは想像に難くありません。複数の国会議員はもとより、一般の方でも「平和公園には入れなくてもせめて広島に」という方も大勢いたでしょう。
    普通なら韓国政府から謝罪の一言があって然るべきと思いますが、無理でしょうね。

    それ以上に酷いのが現職の外相が「南京を忘れるな」などと口走った中共です。それこそ、壮絶な被爆体験を抱えながら広島に訪問したオバマ大統領に謝意を述べる被爆者の方々とは器どころか「格」が違うというものです。そっちが望むなら別に国交断絶などすぐにできるんだぞと言ってやりたいものです。

  2. 心配性:

    私も尊敬する、中東問題やイスラム過激派に詳しい内藤正典先生が、伊勢神宮を「国家主義」の神社だとし、安倍総理が「伊勢を政治利用した」と厳しく批判しておりますね。
    本当は「軍国主義」と言いたいのではないでしょうか?
    なんでも、ガーディアンの記事を参考にしたようです。
    欧米人の目でみると、あのお伊勢さんは「国家主義」なのでしょうか?

    ご存知の通り、伊勢神宮は非常に歴史の長い神社です。

    「国家主義」だのというのは、近代以降語られるようになった言葉ですが、伊勢神宮は、それよりはるか昔から日本人に愛されて来た、いわば「俺たちのお伊勢さん」「いつもそこにあるお伊勢さん」です。

    江戸時代の人々も、「一生に一度の旅」を楽しみにしていた、あのお伊勢さんです。
    本来、近代的な「国家主義」とは無縁の、明るく、優しく、穏やかで、大らかなお伊勢さんでしょう。
    江戸時代って、「国家主義」でしたっけ?

    内藤先生は、「世界はイスラムを理解していない!」とイスラム教徒に代わって怒りをあらわにする事がよくありますが、日本人の文化や宗教を語る時は、なぜか常に欧米の戦勝国目線で、本当に批判的で厳しいですね。
    でもって、安倍総理もオバマを見習って、南京記念館に行かなきゃならないみたいです(苦笑)

    masanorinaito ‏@masanorinaito · 5月26日

    既に懸念が出ている、国家主義的な神社へのツアーに各国首脳の懸念