若者は商品券などいらない

皇紀2676年(平成28年)3月25日

 http://www.sankei.com/politics/news/160323/plt160323……
 ▲産經新聞:アベノミクスにダブルパンチ、月例経済報告で個人消費と企業収益に陰り
 http://www.sankei.com/economy/news/160324/ecn160324……
 ▲産經新聞:若年の低所得者層に商品券 政府が新たな消費刺激策 28年度補正予算案の目玉

 現在第三回まで開いた国際金融経済分析会合は、早い話が内閣官房が庶務を担っているのですが、第一回(十六日)にノーベル賞経済学賞受賞者で米コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授、第三回(二十二日)に同賞受賞者で英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのポール・クルーグマン教授のそれぞれに消費税率再引き上げ反対を表明させました。

 と申しますより、十七日記事の通り、そのような主張の著名な海外有識者をわざわざ呼んできたのです。そこには、安倍晋三首相の考えがあります。

 先月二十八日記事の段階で申しましたが、平成二十六年四月の八%への引き上げで、安倍政権発足によって伸びていた国内総生産(GDP)が約十四兆円も急落し、その六割を占める個人消費が落ち込みました。

 いわゆる「アベノミクス」なる政策の(限定的とはいえ)効果を消費増税という別の政策が打ち消してしまったのです。確か「まだ民主党」の細野豪志政調会長は、増税中止ならアベノミクスの失敗だというようなことを述べたそうですが、経済が分からないのなら口を出さないでください。アベノミクスと消費増税は別べつの政策です。国民経済の死活問題まで政争の具に悪用するから、高校生にまでそっぽを向かれる(参考記事)のでしょう。

 安倍首相は、着実に増税中止の判断に向けて歩んでいると思います。私たち日本政策協会も一要望書提出の社団として、それを望みます。

 しかし、一方で商品券の類いを配布するやり方は、何度でも申しますが行政コストをすり減らす無駄以外の何物でもありません。高齢者ばかりでなく若年層にも目を向けるのは大変結構ですが、年齢の若い人ほど商品券になど目もくれません。ほぼ迷惑なだけです。

 例えば「アベノミクス控除」とでも銘打って所得税や住民税の事実上減税をしてくれたほうがよほど助かりますし、かえって若年層には納税意識を高めるはたらきをするでしょう。

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