対北制裁でロ韓関係悪化か

皇紀2676年(平成28年)3月8日

 http://www.sankei.com/premium/news/160307/prm160307……
 ▲産經新聞:韓国海軍の済州島基地が中国海軍艦艇の拠点と化す日は来るのか

 軍事専門の野口裕之記者による産經新聞社七日配信記事は、米韓同盟の要所となる韓国海軍済州島基地について、韓国の「中共寄り」が再発すれば中共共産党人民解放軍海軍基地と化す危険性を指摘しています。

 それはさておき本日ここでは、露国と韓国、北朝鮮による「羅津ハサン・プロジェクト」が韓国政府の対北独自制裁によって全面的に中断される見通しが及ぼす影響をお伝えします。

 早い話が、ウラジーミル・プーチン大統領と朴槿恵大統領の合意によって始まった三か国(正確には二か国と一地域)物流事業計画がご破算になれば、露韓関係にひびが入るのはほぼ間違いありません。

 韓国政府の国務調査室がまもなく対北独自制裁案を発表するようですが、そこには北朝鮮に寄港した第三国船舶の入港禁止も盛り込まれると見られ、ただちに羅津ハサン・プロジェクトが韓国によって一方的に破棄されてしまうことになります。北朝鮮はともかく露国としては面白くありません。

 直近では、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題で中韓関係がこじれ、この問題で露韓関係までこじれれば、まさに半島の南半分の分断国家に過ぎない不安定な韓国にとって致命的なまでに四面楚歌となります。

 それも何もかも朝鮮戦争の休戦状態のまま「南北融和(かつての太陽政策)」を謳い、中共にすり寄ったり、露国を巻き込んでみたりした顛末です。

 目下恐ろしいまでに強気のプーチン大統領にとって、本音では極東の些末な問題に過ぎないでしょうが、韓国の不安定な政治に振り回されるのは不愉快に違いありません。野口記者の言う「韓国の事大主義病」は常に発症しており、その症状の深刻さを物語っています。

 もちろん対北制裁はやむをえません。しかし、その目的を達成すれば他の大問題が起きるというのは、どの国も或る種の要因を抱えているとはいえ、わが国や韓国のように安全保障上の対米依存が強ければ強いほど大問題が巨大問題化します。

 これは米国が原因ということではなく、肝心要の政策を他国に委ねていると事大主義病を発症しやすいということであり、わが国の官僚組織が「従米」「屈中」「媚韓」に色分けされるのも同種の症状と申せるでしょう。他人事ではないのです。

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