まさかの大統領に備える

皇紀2676年(平成28年)3月3日

 二日の参議院予算委員会。民主党の小川敏夫議員や大塚耕平議員は、頭が悪いのか国語が理解できないだけなのか、自民党の日本国憲法(占領憲法)改正草案に関する質問を「憲法審査会でやりましょう。ここは予算委」と安倍晋三首相に何度たしなめられても繰り返しました。

 しかしながらさらに輪をかけて頭が悪いのは、中谷元防衛相です。党改憲案起草委員会座長だったからと言って「私はここでは内閣総理大臣として立っている」と断り続ける安倍首相の横から防衛大臣としているはずの中谷氏が大塚議員の質疑に答えてしまうのでした。安倍首相がたまりかねて割って入ったのも無理はありません。

 現第三次内閣の閣僚たちは、ほとんど安倍首相が救いの手の答弁をして庇ってもらっているような有り様で、恐らく安倍首相は、出来る限り早く内閣改造をやりたいでしょう。衆議院の解散は、本当に早まるかもしれません。

 http://www.sankei.com/world/news/160302/wor160302……
 ▲産經新聞:【米大統領選】トランプ氏、中国に敵意むき出し クリントン氏も「中国は大量の政府情報盗んでる」

 米民主党員は、本当にドナルド・トランプ氏のことが大嫌いなようですが、共和党幹部も彼のことを嫌っています。それは、彼の発言に潜む「あまりにも米国の、むきだしの本音過ぎて、自分の目の前に見たくもない鏡を突きつけられている感じ」の著しい不快感がそうさせるのでしょう。

 もはや他国のせいにしなければ米国が持たないのです。しかしながら新規移民に仕事を奪われた移民国家の既国民にとっても、現在の移民政策は死活問題なのです。

 実のところトランプ氏もヒラリー・クリントン女史も、ほぼ同じことを言っています。中共の不正行為に対してのみならず、わが国の経済的優位性にも牙をむき、クリントン女史に至っては先月二十三日、「為替操作をしている」とまで煽りました。

 にもかかわらず、目下リベラルの民主党員と米国的保守の共和党員との間で、希望する政策の方向性がどんどんかけ離れ始めています。全く協調できないのです。

 それにはさまざまな要因があるとして、一つは新自由主義経済のもたらした顛末ではなかったでしょうか。人心の荒廃が始まったとも申せましょう。

 結果、多くの国民が眉をひそめようともトランプ氏がいわゆる「スーパーチューズデイ」で勝利してしまいました。彼の支持者にとって、クリントン女史の表現の根幹にある「きれいごと」など許しがたいものに違いありません。

 わが国もその現象に於いて他人事ではないのですが、なぜか保守が保守でも、またリベラルがリベラルでもなくなっていく様は、現下のトレンドになりつつあるのではないでしょうか。お互いそっぽを向いているうちに、あらぬほうへ歩いていってしまうのです。

 首相官邸は、よもやの「トランプ大統領」に備え始めたと思われます。少なくとも占領憲法をこのまま放置していられなくなったのです。

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『まさかの大統領に備える』に2件のコメント

  1. ゆき:

    プライムニュスでICUと上智の教員が出ていたが、この二人は私から見ると米国のエスタブリッシュメントの見方に呼応し、中流以下の国民をバカにするエリートと同じ意見を述べ、自分達はエリートだからという顔つきが実に疎ましかった。なぜここでトランプがこうも人を引き付けるのかわからない二人の固い頭に笑いが止まらなかった。トランプは「ブッシュ家は何をした?イラクで途方もない戦火を広げ、その結果が今の欧州の難民騒ぎを招いている」と。そして「私が人気があるのは米国中流の収入が減っているからだろう。クリントンはサンダスに合わせて格差をこの頃口に出しているが、オバマと一緒にやってきた人間だ。今頃何を言っている」と正に1%以外の国民が腹に据えかねることを堂々と代弁しているように思う。しがらみのある人間には言えないことだ。メキシコ日本中国のことは予備選で民衆の心を読みながら話しているように思える。本物の大統領になってメキシコに壁代を請求するとは思えない。困っていることの象徴としてわかりやすく、不法移民のメキシコ、日本中国との貿易赤字を例証しただけだろう。教養のない層の国民に対して実に心に入って来やすい言葉ではないか。修正してくると各マスメディアは言っている。実の所はどうなのかわからない。全米を回って論争をする国、無能な二世が出てくる日本とは違う。ダイナミックな選挙予備選だ。

  2. ゆき:

    ミットロムニーがトランプ阻止で、彼をペテン師とこきおろし。ヒラリーは問題があり、大統領にはふさわしくない。しかし、トランプが進撃を続けると彼女に座を譲り渡すことになる。だから選挙はよく考えてくれ、という講演を行った。ハンサムで大金持ちでエスタブリッシュの典型人物だ。そんな彼も2012年の予備選ではトランプ様様だった。このことをトランプは引合いにだし、勝てる選挙で負けた情けないロムニーとこきおろしている。
    しかし、私はサンダースが学資ローンや皆保険を声高に叫び全米を回ること、トランプが軍人に人気のあるブッシュを軍人の前で「嘘つき」と叫んだことに米国はまだ捨てたものではないと感じた。日本は直ぐに叩く、平均的な人を選び、それで良しとする。一つの欠点で引きずりおろし、退屈な人物に落ち着くつまらない国だ。イラクの責任謝罪のないまま来ているが、トランプが嘘つきと軍人の前でブッシュをこきおろしたことで、ペテン師呼ばわりされるが、彼はブッシュ擁護に回り紳士面をするロムニーより数段ましだ。モスレム蔑視はいただけないが。