飛行機爆買いでも下げる株
米連邦議会下院のジョン・ベイナー議長が二十五日、自身所属の共和党内から受けていた議院運営手法への不満をかわしきれず、十月いっぱいで議員ごと辞職、引退すると発表しました。
なるほど安倍晋三首相がホルムズ海峡の危機想定を外すよう要望したことを呑んでくれたのは、このためだったのか……。(七月十七日配信動画・九月十六日配信動画参照)
http://www.sankei.com/world/news/150926/wor150926……
▲産經新聞:【米中首脳会談】オバマ氏、企業を狙った中国のサイバー攻撃に懸念伝達 南シナ海問題は平行線
二十四日記事でも申したように、訪米出発前から大失敗が決定した中共の習近平国家主席。そのわりには米ザ・ボーイングの737型機二百五十機とワイドボディー機五十機を発注し、同社の機体組み立て工場を中共国内に設ける契約までしたではないか、との声もあるでしょう。
正確には、ボーイングと契約したのは旅客機リース企業「中国航空器材集団」や大手国有銀行系リース会社「工銀租賃」などで、大手旅客機関連メーカー「中国商用飛行機」がボーイングとの共同出資で合弁会社を設立し、工場を作るという内容です。
ついでに国家発展改革委員会もボーイングとの間で戦略協力強化の合意文書をかわしています。大抵のわが国報道は「米中の政冷経熱」などと報じていますが、決してそう単純ではありません。
中共は「世界の下請け工場」として完全に行き詰まり、人口に関係なく内需は委縮しきっています。前出当ブログ記事コメント欄にもある通り、中共が欲しいのは特に日米の技術それ自体なのです。これなくして李克強国務院総理主導の成長戦略などもはや微塵も達成しえません。
しかし、わが国報道が「爆買い」と銘打った習主席の経済外交をもってしても、米国株も上海株も急落しました。ボーイングの株価が下落したのも、中共国内工場での組み立てに対する不安が賭博師にまで見透かされたようなものです。
トヨタはいよいよ人気車種「プリウス」の中共生産をすべてやめ、国内生産に切り替えます。被害が出た天津大爆発事件も効いたでしょう。
米中首脳会談は穏やかなものになりませんでしたが、政治分野だけでなく経済分野でも中共と組むことが冷ややかな反応しかもたらさないのです。
それでも彼らの手口をなめてはいけません。かつての三洋電機や目下の東芝のように弱った日本企業が狙われることに変わりはなく、わらを掴んで首を絞められたくなければ、せめて溺れていても掴んでよいわらと駄目なわらを選別するぐらいのしたたかさを私たち側が持っておかなければならないのです。
皇紀2675年(平成27年)9月29日 8:19 AM
今ほど国際情勢が面白い時は見られない。シリアに反アサドの穏健勢力がいるとして米国が支援していたが、5人ほどが闘っているだけで、他は全部他の過激派アルヌスラーアルカイダ系に寝返って武器もアルヌスラーアルカイダ系に転がり込んでいるという。存在しないその実態を米議会で軍人が暴露した。日本の友好国トルコは気の毒だ。アサドのシリアと従来仲が悪く、独立をあきらめないクルドがいる限り心情的にISIS側につかずにはいられない。新疆ウイグル人も最近はトルコに依存し、難民を巡るネットワークをトルコに据えていると言われている。ロシアは中国と手を結びウィグルの弾圧を支持している。ウィグルに当たるチェチェンを国内に抱えているからである。中露がISIS征伐に本格的に乗り出せば、ISISで訓練を受けていると言われるウィグル人は被害者なのに単なるテロリストとして闇に葬られかねない。国連でプーチンが演説するが、果たしてシリアアサド擁護に同調してもらえるのだろうか。