デフレがどれほど怖いか

皇紀2674年(平成26年)7月9日

 http://www.afpbb.com/articles/-/3019929
 ▲AFP:独首相が訪中、経済関係強化 VWは工場新設 ヘリ大量受注も

 或る方が七月四日記事「自衛権問題より消費税問題」をご覧になって、このような表現は「ひどい」というのです。「経済より国防が大事だ」と言うので、私は「内容をよく読んでからものを言え」と申して帰しました。

 独国のアンゲラ・メルケル首相も、自国の企業団を引き連れて訪中し、李克強国務院総理と会談しましたが、少なくとも独政府関係者の言によれば、中共の存在自体を高く評価しているゆえの外交ではありません。輸出大国として、ユーロ圏経済を牽引する立場にあり、売りつけたい相手のところに行かざるをえないのです。

 私が「アベノミクスという現象は、今日もう存在しない」と断じたことにも批判的な方がいますが、安倍晋三首相のことが大嫌いなはずの朝日新聞社でさえ、なぜこの現実から逃避するのかと申せば、今度こそ「景気」がよくならなければ新聞なんぞいよいよ売れないからでしょう。

 確かな政策案の積み重ねにより、政府がそれらを速やかに実行に移していれば、私も「効果が出るまで三年待とう」と呼びかけますが、何度も申しますように、給与下落(デフレーションの最も深刻な現象)から脱却するとしながら、人口減少対策を持ち出して外国人労働者(事実上の移民)の大量流入を政策として掲げるという「ちぐはぐ」なことを始められれば、とても「三年待とう」とは申せません

 必ずしもそれだけを原因とはしませんが、デフレ脱却こそが少子化対策になりうるのです。現に、デフレ・スパイラルが始まった平成十年代から、合計特殊出生率(女性の年齢別出生率を合計したもの)が下がり始めました。

 ならば、移民を受け入れて給与水準を引き下げてはならないはずであり、そもそも政策として日本への移動を奨励された外国人を「安物」のように扱うことも、人道上許されることではありません。

 ユーロ圏経済の思いがけない回復の遅れは、わが国の経済政策にも悪い影響を与えており、欧州もデフレに堕ち始めています。メルケル首相がなりふり構わず訪中したのは、もう後がないからなのです。

 このままでは、安倍政権下で再びデフレが進行します。そうなれば、労働市場で「人余り」現象がまたしても起き、目下の「人手不足」を遠く細い目で懐かしむしかない日がやってくるでしょう。わが国の弱体化です。それでもよいのか、もう一度よくお考えください。

スポンサードリンク

『デフレがどれほど怖いか』に3件のコメント

  1. miku:

    「経済オンチの政治家は虐殺者も同じ」

    いくら愛国心があり保守派と言われる
    政治家であっても、経済オンチであれば
    国民に「自殺」という不幸をもたらす

    安倍晋三氏や石原慎太郎氏は失礼ながらその典型だと思います

    デフレ時にやるべきこと(減税・公共投資・金融緩和など→需要を増やす政策)
    インフレ時にやるべきこと(増税・規制緩和など→供給を増やす政策)

    当然経済対策は「真逆」になります

    それなのに将来の年金財源のために
    増税=善
    であり、どんなに反対があってもやるべきという

    無知と言わざるを得ません

    そもそも21年連続で債権国である日本に
    「財源問題など存在しません」
    銀行には使い道のない金がどんどん積みあがっています

    税収を増やしたいなら、デフレを脱却し
    インフレで企業の業績をあげればよい

    デフレ時の増税は
    「税収を減らす」
    こんなことも知らない・データを見ようともしない多くの愚かな政治家が
    財務省の口車にのって15年間
    日本人自殺者を増やし続けてきたのです

  2. 篠の目:

    報道と国民の認識の乖離を痛感し、これでは、戦前の歴史研究の資料の多くを
    当時の書籍や新聞に頼っている私などの認識は大丈夫なのだろうかと頭がくらくらします。

    安倍首相の外交戦略はまず及第点を付してよく、そもそも安倍首相が選ばれたこと自体
    「尖閣」をはじめとする中国共産党の軍事的脅威に備えられるようにという国民の意思が
    あります。その意味では相変わらず安倍首相は支持されてよい。

    しかしながら、安全保障は経済の支えあってのものであり、その意味で「消費増税断行」以来の
    安倍首相の経済政策は「?」と感じざるを得ない。安倍さんの真意はわからないまま
    「移民受け入れ増大」だの「法人税減税」だの「規制緩和」だのと「ドリル」「悪魔」といった抽象語を
    交えて報じられると、国民は「安倍さんに騙されていたのかしら」と疑心暗鬼に陥らざるを得ない。

    一方で青山繁晴氏などから「消費増税による失速につけ入るべく野田毅など親中派議員を
    利用して政変をしかける中国共産党の意志」も報じられ、どこでどう戦うべきなのか
    私のような閑人はともかく、忙しい世人には誠に困った事態であろうと存じます。

    われわれ国民としては、まじめに地道に官邸へのメールなどで意見表明していく以外にないのだろうなと
    考える次第です。

  3. 天安門事件:

    先ずは日本国民の意識改革をしないと、
    いつ迄、経っても反日マスコミとか、民主党員みたいな政権交代脳のままだと思います。

    政治は国民の写し鏡、国民 一人一人が賢くなり、
    投票率が上がれば政治家も賢くなるはずです。