事実婚の体外受精問題

皇紀2674年(平成26年)6月25日

 http://sankei.jp.msn.com/life/news/140106/trd140106……
 ▲産經新聞:事実婚でも体外受精実施へ 日本産科婦人科学会が方針、婚外子の民法改正受け

 日本産科婦人科学会は二十一日、これまで「結婚している夫婦に限る」という条件で認められてきた体外受精の実施を、事実婚(同棲状態)の男女にまで認めることを正式決定しました。

 上記の産經新聞社記事は、本年一月六日配信のものです。つまり、私が昨年十一月三日記事で指摘した「結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子と同等とする民法の改正」と、それを促した最高裁判所大法廷の判断が、非嫡出子の「大量生産」に手をかける現場判断を創出してしまったのです。

 産科学会が初めから乗り気だったのは、少子化で産科自体の需要が低迷し始めていたからで、早い話が「商売のための好都合な理由」でしかありません。

 彼らにとっては死活問題とも申せますが、しかしながら、これはまったく筋の違う話です。事実婚の男女にまで体外受精を認めることと、あくまで遺産相続問題に端を発した司法判断と立法判断が、同列の問題であるはずなどありません。

 何度も申しますが、非嫡出子であるという理由だけで就職や婚姻などの蔑視的差別扱いを受けてはならず、人が人として扱われる権利は、祖先祭祀に基づけば当然存在するものです。

 これは、例えば殺人の罪を犯した人も「人」とし、死刑または獄中死のあとの御霊の扱いによっても明確であり、だからといって「殺人を犯してもよい」ということにはならないでしょう。今回の問題は、これに似ています。

 「夫婦のあり方の多様化」というあいまいな言葉が、医師の生命倫理にも軽率な判断をもたらし、今後政府と地方自治体の公費助成方針にも影響を与えることは、ほぼ間違いありません。助成しなければ「差別だ」と訴えられてしまうようになるのです。

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