北朝鮮に「日露は見るな」
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▲二月二十日記事:国連委北朝鮮報告は実は…
この記事で申した「水面下で進み始めた日朝・日露交渉を邪魔したい米国の思惑」には続きがあります。米国のバラク・オバマ大統領が訪日日程を削ってまで訪韓することになったのは、韓国の朴槿恵大統領が米政府の要望に応じて朝鮮半島の南北融和に舵を切ったからです。
何度も申しますが、韓国は中共に操られるように「反日」を激化させていますが、米韓軍事同盟の継続を決して諦めていません。もし米国に梯子を外されれば、日本が島根県隠岐郡隠岐の島町竹島を取り返しに来るだろう、と警戒しています。
日米関係は民主党政権の約三年間で酷く傷つきましたが、安倍晋三首相は叙国(シリア)問題発生の時点で、私も疑問を呈し続けたように、オバマ大統領の戦争支持要請に注文をつけ、対米従属とは一線を画しました。
ところが、日米の見解の相違を埋める交渉がいつもの如く全く駄目で、安倍首相の方針を明確に伝えず、あちらの言うことに「イエス」「イエス」と相槌を打ってしまえば、米政府が誤解するのも無理はありません。首相の靖國神社参拝を巡っても、わが国側は対米説明に失敗しているのです。
韓国はこの隙を突くように、オバマ政権の方針に従っています。李明博前大統領が北朝鮮による延坪島砲撃事件に報復すらしなかったのも、オバマ外交の「事なかれ」の賜物でした。
問題は北朝鮮の態度です。彼らの困窮した現状を救えるのは、わが国と露国と米国しかありません。北朝鮮は米国から支援を引き出せる可能性を見い出そうと、とりあえず韓国との交渉を始めることにしました。
これが日朝交渉の行く手を阻みかねないのです。現段階でも日本国民拉致被害者の全員を帰国させる約束までは取りつけていませんが、対露関係を改善させ始めた日本政府に熱視線を送る北朝鮮に、米政府が「韓国を見てから米国を見よ。日露は見るな」と横槍を入れているのはほぼ間違いありません。
外交交渉は戦争です。議員も役人も戦闘能力がないので、鍛えてもらいます。