天安門~その日の安倍批判

皇紀2673年(平成25年)10月29日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/131028/chn131028……
 ▲産經新聞:【天安門車炎上】 死者は5人に、日本人男性もけが 抗議活動か
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/131028/chn131028……
 ▲産經新聞:「悪意に満ちた言葉」 安倍首相発言に中国紙、攻勢ぶり「歴代首相で最大」

 中共北京市中心部の天安門前で二十八日午後、四輪駆動車が群衆に突っ込んで炎上し、運転手と同乗者の三人を含む計五人が死亡、歩行者や警官ら三十八人が重軽傷を負いました。

 天安門周辺は柵で覆われており、警備も厳重な門の正面にかかる金水橋付近に長安街から侵入するのは難しく、東から西へ走ってきた車両は正面のかなり手前にある柵の切れ目から歩道に突入し、ほぼ門の正面の位置で炎上しています。

 目撃者からは「燃える前に爆発音があった」との証言もあり、各社報道が指摘するように、北京政府に対する抗議活動の可能性が極めて高いでしょう。その手法から、旧東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)の独立奪還派によるものかもしれません。

 期せずして私は昨日記事で、中共が空虚な外交戦略に溺れて経済を著しく低迷させ、人民がその顛末に耐えられなくなった時、つまり、政府に対する抗議を激化させて再び国家が入れ替われるような中共共産党にとっての危機が訪れた時、「北京政府は人民解放軍に押し切られるようにして亜州各国に戦争を仕掛け始めるでしょう」と申しました。

 これまた偶然にも、二十八日付の共産党機関紙「人民日報」の国際版「環球時報」は、米紙「ザ・ウォール・ストリート・ジャーナル」に掲載された安倍晋三首相の中共批判を「悪意に満ちた言葉だ」「歴代首相の中で最悪」と非難する一方で、「短絡的に戦争を起こして『日本を滅ぼそう』とするのではなく、長期的に国力を高めることで日本を圧倒すべきだ」と書いたようです。

 安倍首相がいわゆる「中共包囲網」の構築に取り組んできたことは改めて申すまでもありませんが、環球時報のこの書き方には、共産党のための軍隊だったはずの人民解放軍を統制しきれない共産党現指導部の苦悩が見え隠れしています。

 中共にはもう「長期的に国力を高める」余地はほとんど残されていません。かつて発展の階段を駆け上がる前に起きた四五・六四天安門事件を、人民の犠牲と引き換えに跳ね返した共産党は、階段を転げ落ち始めてから起きる反体制運動を跳ねのけられるでしょうか。恐らく無理です。

 わが国は、人民解放軍にも警戒しなければなりませんが、まず巨大な体制が目の前で崩壊する可能性に備えなければならないでしょう。

【11.4 第9回憲法問題決起集会のお知らせ】
 詳しくは真正保守政策研究所 公式ウェブサイトをご覧ください。

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『天安門~その日の安倍批判』に2件のコメント

  1. 一般ピープル:

    毎度のことながら、実に見事な視点の示唆です。
    事実と完全に一致しているかどうかは別として(というよりも、そんな必要はないが)、我が国の政府や政治家もこういう視座を持って、体外対内の運営を構築していっていただきたいものだ。

  2. tibet:

    遠藤さんの分析どうり東トルキスタンの人たちでしたね。チベットもトルキスタンもはやく独立してほしいです。経済よくなって統治が成功してるなんて外交省の大ウソですよ。