特定秘密保護法案の問題

皇紀2673年(平成25年)10月15日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130926/plc130926……
 ▲産經新聞:特定秘密保護法案原案の概要は

 本日から秋の臨時国会が始まります。注目されるのは、国家安全保障会議(NSC)創設関連法案と特定秘密保護法案が審議されることで、安倍内閣はこれを一気呵成に成立させたいようです。

 NSCについて、私は何度も「従来型の官僚組織にするくらいなら、政権ごとに総入れ替えする完全な秘密組織にしてしまえ」と申してきました。安倍晋三首相は特に外交・安全保障に関して、極めて新鮮で精度の高い情報が求められる情勢下におり、その収集と発信は中韓による諸外国への「反日」喧伝活動に対抗するためにも必要不可欠です。

 よって特定秘密保護法案はNSCの運営とも関連します。残念ながら創設のための法案は従来型の官僚組織を目指すものに落ち着きそうですが、特定秘密を漏らした国家公務員に対する罰則規定が設けられており、これまで何度となく疑われてきた中韓への国家機密漏洩を防止出来るかもしれません。

 報道各社は「報道の自由」「国民の知る権利」を口にして本法案を危険なもののように扱い、また日本共産党らも反対の論陣を張っていますが、まず報道各社は既に「報道しない権利」を振りかざして重要な情報を私たちに隠蔽する場合があります。何が「知る権利」でしょうか。

 そして共産党らは、安倍内閣が国民に知られると都合の悪い情報を隠すために法案の成立を急いでいると言いますが、この法案は安倍内閣の終了と同時に無効になるものではありません。成立すれば以後全ての内閣によって特定秘密が指定されるのです。

 この法案の問題点はそこにあります。

 もう二度と民主党が政権を強奪出来ることはないでしょうし、共産党が政権を獲ることも恐らくありませんが、今後の政界再編によって何が起き、党の構成がどうなるかは分かりません。自民党だけを見ても河野洋平元官房長官や福田康夫元首相のような人物がいて、石破茂幹事長が安倍首相の次を目指しているとも聞きます。

 米政府が前民主党政権に著しい不信感を抱いたのは、鳩山由紀夫元首相の意味不明な言動よりも、岡田克也元外相がいわゆる「四つの日米密約」を一方的に公表してしまったからに他なりません。

 彼は当時の会見で「外交と政治への信頼を低下させるもの」と国民に詫びてみせ、政権交代の成果と讃えられましたが、実は同盟国の信頼を致命的に失墜させていたのです。また、防衛省・自衛隊の機密事項が中共に漏れていた可能性も指摘され、ますます米国はわが国への不信を強めていました。

 つまり、目下この法案に対する批判は前民主党政権下の混乱が未整理になっており、何でもかんでも国民は知らされるべきだと言いながら、国民に隠そうとした機密漏洩などの事実を全く追及していないのです。

 仮にも彼らのような内閣が再び誕生しても、この法案は特定秘密の期間を永遠に延長出来てしまうため、明らかに特定国(中韓)や特定地域(北朝鮮)への国益を無視した内閣の悪事が「やりたい放題」になるでしょう。安倍内閣だけを見て法案を論評するのは間違いです。

 わが国が諸外国の対日工作に晒されっ放しになっており、公務員や政治家が工作員に私たちの国家に関する重要な情報を漏らしても処罰もされなかった問題は、本来俗に「スパイ防止法」と呼ばれる案を審議しなければ解決しません。わが国は情報管理に於いて全く諸外国からの信用を得ていないのです。そう、尖閣沖漁船当て逃げ事件を隠蔽しようとしたような国会議員も処罰の対象にしなければならないのです。

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