シリア攻撃へ、日本は?

皇紀2673年(平成25年)8月28日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130827/amr130827……
 ▲産經新聞:米、シリア攻撃準備へ 化学兵器使用断定、「責任取らせる」

 米国のジョン・ケリー国務長官は二十六日、オバマ政権として、叙国(シリア)の首都ダマスカス郊外でアサド政権側が化学兵器(サリン)を使用したと断定しました。早ければ今月中にも叙国内への空爆に踏み切る方向で調整中だとの情報もあります。

 この問題は私が何度も警告してきましたが、果たして日本国民の興味をひいているでしょうか。開戦前夜になって、改めて私は皆様に問いたいのです。本当にこれでよいのか、或いは私たちにはよく分からないし、あまり関係がないようにも思えるのでどうでもよいのか、と。

 化学兵器を使用したのは、実はアサド政権側ではなく反政府側ではないかとの調査報告が厳然と連合国(俗称=国際連合)内に存在し、それでも潘基文事務総長は私事にご執心で何もしません。バラク・オバマ大統領もケリー長官も「何もしない人」と各国から揶揄されてきただけに、米国に対する中東への介入圧力は日に日に増していました。

 出来るだけ平易に簡略化して申しますと、バッシャール・アル=アサド大統領が早早に失脚しなかったのは、欧米各国が想定していたよりも国民的支持があったからで、そもそも世襲の彼は、それでも父親の政策とは全く違う世俗的な(自由な)国家を目指していたのです。

 それが米国での同時多発的破壊活動(テロリズム)の発生以降、アルカイーダやムスリム同胞団に狙われ始め、またしても監視国家的な政策へと逆戻りするほか治安を維持する方法がなくなりました。まずここで私たち日欧米が叙国に救いの手を差し出すべきだったのです。

 英仏米はその結果だけを見てアサド政権を非難し始め、茉莉花革命では反政府派を形成して遠隔操作し、彼らに武器を提供して小国を次次と好き勝手に壊してきました。壊された小国はいずれも「国民が圧制に苦しめられていた」といいますが、義国(イラン)に関するものと同様、この情報こそ極めていかがわしいのです。

 露国は地政学的に叙政府側を支持して米国の介入に反対していますが、わが国はどうすべきでしょうか。「中共も反対しているから、逆に日米関係を重視して賛成にまわったほうがよい」と考える人が多いかもしれません。

 しかし、中共は米国が中東に手をかけてくれたほうが、太平洋が手薄になって助かると考えているはずです。露国と共に叙国への制裁決議に拒否権を行使したのは、単なる外交上の手続きに過ぎず、北太平洋条約機構(NATO)軍らが安全保障理事会の承認なく空爆する可能性など想定内に違いありません。

 だからこそ、北京政府にとって中共へ手を突っ込みたがったヒラリー・クリントン前長官より、ただただ民主党的なだけのケリー長官のほうが都合がよいのです。そして、まんまと米国は介入圧力に屈しました。

 占領憲法(日本国憲法)が有効な「護憲」のままでは、私たちに拒否権はありません。叙国民が殺されていくのを、湾岸戦争などでもそうだったように、ただ見ているだけに終わります。いわば「九条教」の連中は大量虐殺の傍観者でしかありません。

 占領憲法を改正すれば米国の戦争につき合わされるという批判も、確かにそうなるでしょう。私たちが開戦の危機を目前にして「待て」と言えるのは、占領憲法の無効がただちに国会で確認(可決)され、自立憲法(大日本帝國憲法)を取り戻した時からです。

 アサド大統領は米国に対して疑心暗鬼になっています。先日申した通り、米国は刹那的に同盟国や友好国を見捨て、サッダーム・フセイン元大統領をも血祭りにあげたからです。これでは叙政府が海外から調査団を受け入れず、外交調停の介入余地を与えないのも無理はありません。

 本来わが国のような中立な立場の大国が発言し、行動することです。それを恐れたまま「日本は平和国家」などと口にすることは一切かないません。あくまで理想かもしれませんが、叙国民の真の声に耳を塞ぎ、煽られた反政府側のののしりだけを聞いて、他国を勝手に改造することに加担するとは、到底わが民族のすることではないのです。

 反政府一派から武器を取り上げよ! 叙国問題への対応は、わが国が自立するか、どこかに隷属するかの雌雄を決するものなのです。

スポンサードリンク

Comments are closed.