アルジェリア事件と中共

皇紀2673年(平成25年)1月18日

 ※ 本来配信予定だった記事は明日、お届けします。

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130117/plc130117……
 ▲産経新聞:アルジェリア軍が攻撃開始

 阿州北部の阿爾及(アルジェリア)南東部にあるわが国の工場設備建設大手「日揮」の天然瓦斯関連施設の従業員らが回教過激派武装勢力に拘束された事件で、訪泰中の安倍晋三首相は菅義偉官房長官に邦人の安全確保と情報収集を命じ、城内実外務政務官を現地に派遣しました。

 恐らくかつて福田赳夫首相が印国ダッカ事件に対して「人命は地球より重い」と言い放ち、対応を間違えたようなことは二度とできません。この時はわが国政府で事態を完結させたため、いわば間違えることができたのですが、今回は被拘束者が多国籍に及んでいる以上、たとえ事件の舞台がわが国企業の施設でも私たちの考えはほとんど通らないのです。

 申すまでもなく拘束されたすべての人々の生還を求めます。しかし、阿爾及政府は破壊活動家(テロリスト)と交渉などしませんし、事の発端とされる隣国馬里(マリ)北部に巣食った回教過激派の掃討に及んだ仏国軍は絶対に引きません。米軍も出動の機を伺っています。

 にもかかわらず、わが国は何もできません。占領憲法(日本国憲法)に於いても交戦権と自衛権があれば話は別なのでしょうが、いくら勇ましがる某論壇が何を解釈改憲しようとも占領憲法の有効状態ではせめて邦人拘束者の救出に自衛隊が向かうことすらできないのです。

 この某論壇は今後何もできずに終わるであろう安倍首相をやがて非難するでしょうが、ならば「美しい国」を目指す安倍首相のためにも本物の憲法(交戦権も自衛権も存する大日本帝國憲法)をすぐに復原しようと声を上げないのはなぜでしょうか。改憲案を話し合って与野党で揉め倒し、息も絶え絶えに国民投票にかける時間などありません。私たちの首相を動きやすくさせてこそ救われる国民の命があるのです。

 中共と濃密な関係を維持したままのインラック・チンナワット首相との日泰首脳会談に臨もうという時に起きた今回の事件は、改めて私たちも血で血を洗うがごとき国際社会の荒波にいつでも簡単に巻き込まれてしまうことを思い知らせました。

 首謀者と思われる「血盟団」のモフタール・ベルモフタールなる人物は、目的のためであれば宗教と言わずカネと言わず何でも利用するような人物です。わが国は北朝鮮による日本国民拉致事件さえいまだ解決できない国家として、日揮が格好の標的にされたに違いありません。占領憲法下にある限り、今後も海外に進出したわが国企業は狙われます。

 中共はこのような私たちを「いつでも殺害できる連中」と見立てて、安倍政権の誕生によって人民解放軍が焦ったように対日主戦論を展開していますが、まず回教過激派の標的にならない一つの方法は、(武装勢力とは無縁に)中共に武力侵攻され併呑された旧東トルキスタンの回教徒たちを堂堂と独立支援することです。

 私は中共が日中戦争の準備に入るよう全軍に指示した報に於いて「制御不能(内乱寸前)の状況」と指摘しましたが、人民解放軍の狂った対日主戦論にまともにつき合ってはなりません。護国の兵站を考えるなら、無理やり中共国内に組み込まれ迫害されている回教徒たちに内乱を勃発させることです。

 もう一度申しますが、私たちはこれから何度でも今回と同じ目に遭いかねません。例えばこれくらいのことは考えて実行する国家になろうではありませんか。

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『アルジェリア事件と中共』に2件のコメント

  1. :

    策士ですねぇ。
    日本の中枢にある政治家、官僚も、こういう知略を備えているのでしょうか?
    そこが知りたいです。

  2. LINEAGE:

    中国の崩壊に向けた作戦に少しお話が傾いてるようにお見受けしましたが、さすがは遠藤先生の言っておられるとおりだと思います。日本はトルコやイランとの関係も大事ですから、イスラム弾圧はしないというアピールはしてもいいでしょう。それでまた日本人を襲ったらイスラムテロへの世界的非難はとまらないでしょうから、そういう金にならないことはテロリストはやらないと思います。