横田夫妻を利用した政治家

皇紀2672年(平成24年)5月14日

 http://topics.jp.msn.com/wadai/j-cast/article.aspx?articleid=1028051……
 ▲J-CAST:「政治家に利用されてきた」 横田夫妻が著書で明かした名前は

 私はこれまで、北朝鮮による日本人拉致事件の被害者ご家族の方に、一度も自分の名刺を渡したり、一緒に写真を撮ったりしたことはありません。有本ご夫妻とも横田ご夫妻とも、増元照明さんとも。

 そして、政府に訴えるための拉致事件解決の署名活動において、かつて朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)関係者と思われる複数の男性にひどく妨害された時も、憤って罵声を浴びせ返す活動に参加された方に、私は「これは僕らの活動ではない。横田さんや有本さんらのための活動だ。僕らが汚い言葉で応酬すれば被害者ご家族の名誉を傷つけることになる」と申しました。

 残念ながらその場ではどうもご理解いただけなかった様子でしたが、私が長らく懸念しているのは、何度もここで申してきましたように、拉致問題を騒ぐだけ騒げる政治活動化して生き長らえさせようと考える不遜な輩があまりに多いことです。

 先月、横田滋さんが私たちにお話しくださった「こんな活動は早く終わらせたい」という想いに、どの政治家もまったく応えていません。残酷な申し方で恐縮ですが、横田さんが列挙された鳩山由紀夫元首相や中井洽元国家公安委員長のみならず、安倍晋三元首相も間違いなくその一人です。

 かつて横田さんがどのような気持ちで「家族会」の会長を降りられたか、私はこの場で文字にすることを避けますが、いよいよ『めぐみへの遺言』(幻冬舎刊)を著されたことで、どうしても鳩山元首相や中井元委員長の名を挙げてでも「政治家はパフォーマンスばかり」と書かざるをえなかった心中をお察しします。これは拉致事件解決に取り組んできた私たちへの痛烈な批判なのです。

 申し訳ない気持ちを拭えません。心に一点の曇りもなく、わがこととして恐怖すら感じ、一人でも多くの日本人の「拉致被害者を今すぐ取り返せ(帰せ)」という気持ちを束ねようと、私たちは今後も最大限に努めます。国家規模の刑事事件が発生から約三十年後の現在でも解決していないのは、誰が何と言おうと絶対におかしなことなのです。

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