橋下新市長への期待と憂鬱

皇紀2671年(平成23年)11月28日

 27日に投開票された大阪府知事選挙と大阪市長選挙は、ともに高い投票率(それぞれ約53%と約61%)を記録し、大阪維新の会幹事長の松井一郎前府議会議員が知事に、代表の橋下徹前府知事が市長に選出されました。

 両氏は、リーガロイヤルホテル(大阪市北区)で長時間にわたる記者会見に臨まれましたが、橋下新市長は、選挙活動に携わった(地方公務員法が禁じる政治活動をした)市職員の辞職を求めていくと明言しています。

 私は、大阪維新の会が掲げた政策について、選挙直前の10月29日記事で徹底的に批判し、本来彼らがどうすべきであるかを提言しました。一方、橋下氏に対する人格攻撃しか出来なかった「反橋下」派のことも糾弾しています。

 今回の市長選挙を喩えて申すなら、国家の解体を公言してはばからないような公務員組合と共産主義者に応援されてしまった平松邦夫市長と、部落解放同盟と大衆迎合に自ら迎合されていく被支配民を味方につけた橋下前知事の対決でした。

 この構図が一層橋下氏の「独裁風味」を印象づけたのでしょうが、中共の独裁・人治主義に何も言えないできた連中が「独裁を許すな」と叫んでも多くの失笑をかうだけであり、まして選挙戦の最中に共産党の志位和夫委員長や民主党に入党した辻元清美元副国土交通相のような人物の応援演説を許せば、たとえ平松市長ご自身が好人物であっても決して橋下氏の巧妙な弁舌には勝てません。

 もはや平松市長について論じても意味がなくなりましたから申しますが、こうなった以上、松井新知事と橋下新市長には公務員による政治活動を全てやめさせ、大阪府警察の予算を増額、増員して彼らの地下活動化すら阻むよう求めてまいりましょう。今後は明確に「自治労と日教組・全教の大阪からの排除」を実現させ、いわゆる「大阪都構想」よりもそのことをこそ政府に要求していく地方自治を目指していただきたいと思います。

 橋下氏自らが仕掛けられた「独裁」を巡る論戦は、想定通り橋下氏に有利にはたらき、これまでの行政への不信感や閉塞感に満ちていた大阪府民と大阪市民の心を動かしたのは間違いありません。

 ただ私たちは、実のところ關淳一元市長こそが着手しかけていた同和行政の一掃と市役所改革が、解同とは握手しなかったものの自治労・日教組と韓国民団を背景にした民主党の推薦を受けてしまっていた平松市政を経て、解同とは握手した橋下新市政のもとでどうなるのかを注視する必要があります。

 そして、松井新知事と橋下新市長による職員人事への介入が悪しき前例となり、のちにかえって大阪が「反日極左」活動の巣窟とならないよう厳しく見守りましょう。わが街(和歌山市)のようにとは申しませんが、首長が左翼活動出身者になれば教育基本条例も職員基本条例も「悪魔の法」と化すのです。

 よほど私たち自身が注意しない限り、大阪維新の会が示した政策はことほど左様に危険であり、私たちに極めて高い「護国」か「壊国」かの判断が任されるようになりました。いや、私は危機にあってもわが民族の進むべき明るい道を提示するよう常に努めてまいりましたから申しますが、これが民度向上のよい試練になると考えれば、なるほど松井府政と橋下市政の誕生を歓迎し、応援してもよいのかもしれません。

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『橋下新市長への期待と憂鬱』に5件のコメント

  1. yuki:

    本日の参議院での憲法審査会を見ましたが、気が遠くなるほど馬鹿馬鹿しい議論の中で唯一、西田昌司代議士が素晴らしいご見解を述べられました。

    http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_wmv.php?sin=1253&mode=LIBRARY&un=1bd8585a5f055cf77067b53880ae9b20&ch=n&pars=0.006117638912856382
    (西田昌司代議士の発言は、01:33:46~)

    占領憲法が有効であるという事を前提に議論が進められる中、「憲法自体の有効性の話を議論すべきである」と堂々と主張され、またご皇室の存在意義にも言及された西田氏のご発言に大変感動致しました。
    是非ご覧になってください。

  2. 椿:

    祝!橋下新大阪市長&松井新大阪府知事!!

    本当に感慨無量です。
    新しい『政治の夜明け』を感じさせ、『希望を抱かせる』選挙結果でした。

    今までの『橋下知事の実績』を見る限り、
    必ず、大阪の腐敗した行政に鋭く切り込み、
    良き方向へと導いてくれる事と思います。

    が、しかし・・・、橋下新市長の仰る通り、
    「反対勢力=利権屋集団の抵抗」は、これからも続くと思うので、
    まだまだ、油断してはいられません。

    しかしながら、国民と政治家&マスコミの意識の“乖離”は激しいですね。

    橋下氏の「どんな言葉」や「フレーズ」が、国民受けしたのか?等と
    スカタンな事を言っていたので、大笑いさせてもらいました。

    確かに橋下氏は、舌鋒鋭い話し方をされますが、
    そんな事を面白おかしく評価して、橋下氏に投票した大阪市民はいません。

    どんなに舌鋒鋭く、華やかな口上を述べても、
    橋下氏が、大阪府知事の間に、どんな実績を積んできていたかを
    大阪市民は鋭く観察し、評価していたからです。

    だからこそ橋下氏、そして彼率いる「維新の会」に“軍配を上げた”のです。

    実際、橋下氏は、『有言実行の人』であったし、
    驚くほどの猛スピードで、10年以上の赤字を『黒字』に転換し、
    次々と、国民の利益となる“マトモな行政改革”を行いました。

    それだけでも十分なのに、
    未来の子供達の教育改革も行い、子供達が誇れる国や府にしようと、
    「腐敗した日教組」にも鋭くメスを入れ、戦ってくれました。

    きっと大阪の人達は、「そうだ!そうだ!」と溜飲を下げた事と思います。

    何より橋下氏の素晴らしいところは、
    『シッカリとした国家戦略』があり、府や国を発展させる為には、
    「何をすべきか」をキチンと理解し、
    それを遂行できる『強い意志』と『実力』があるという事です。

    実際、橋下氏は辣腕弁護士として、年収3億円を稼ぐ人だったからか、
    その『抜群の経営能力』をフルに発揮して、
    大阪の企業がより発展できるように、雇用をより促進できるように、

    『大阪都構想』・『カジノ構想』・『無駄な二重行政廃止』・『関西のハブ空港化』に尽力を注いでくれているのが、よく分かります。

    そして実際、どれもこれも、みな『大阪が発展できる計画』ばかりです。

    反対に、国の政権を司る与党・野党の政治家&官僚らは、
    国民の税金を巻き上げて、「政策の失敗の穴埋め」するしか能が無く、
    間違っても、世界の腹黒政治家を相手に、互角に戦って、
    日本に『有利なビジネス』を展開出来る能力など“皆無”!!

    むしろやられっ放し!!
    負けっぱなし!!!

    「国民を欺き騙す術」には長けていても、
    世界の腹黒政治家らを相手にした時は、
    まるで「ヘビに睨まれた蛙」のように、
    身動き一つできずに、いつも喰われるばかりの能無し政治家や官僚達。

    国民は、もういい加減、“ウンザリ”していたのだと思います。

    そんな『ガッカリするような日本』にあって、
    橋下氏の国民に利益のある行政改革は、
    国民に大きな希望を抱かせてくれたのだと思います。

    これから益々大変になると思いますが、
    市民・府民も一致団結して協力し、戦って行くので、
    橋下氏や維新の会の人達も、どんな困難にも挫けずに、頑張って頂きたいと思います。

  3. 遠藤 健太郎:

     yuki様、有難うございます。この件は29日記事で取り上げます。

     なお、椿様のご指摘を受けて少し補足しておきますと、橋下氏が選挙前におっしゃった「独裁」というのは、東京都の石原慎太郎知事が述べられたように「独断」なのであって、いわゆる「強いリーダーシップ」を大阪市民が求めたということでしょう。この言葉を持て余したのは、むしろ「反橋下」派たちです。

     橋下氏が「有言実行の人」かどうかは別の意見がありますが、特に市職員や教職員がこれ以上政治活動に寄っていかないよう、条例可決後の知事と市長の行動に私たち自身が注意しなければなりません。

     「強いリーダーシップ」の発揮を期待するということは、私たちがもう地方自治に何らの関心を抱かなくても済むということではないので、いかに国家の本能を護持するかという民度の向上に繋がる「維新時代」の幕開けになるか、それは橋下氏の独断の何を支持したのか、その意思表示を私たちが明確にすることです。

  4. まる:

    私は今回の結果はあまり大阪としては好ましいものとはいえないと思います。彼は市長として、市民に何をしたいのか、今回、市長になるにあたり、市民にどのような恩恵をもたらすことができるのか。市長としての役割をどのように考えているのか甚だ疑問なのです。彼の選挙戦では、いえそれ以前より市役所、平松元市長を仮想敵としてここ2~3年罵倒することに終始しました。テレビを見ている方としては胸がスカッとしたでしょう。勉強がよくでき、いわゆる良い大学を出て安定した高収入が保証される垂涎の的の市役所職員が罵倒されるのは。でも、・・・・・既得権益、利権屋集団、そこまでいわれるほどのことなのでしょうか?何となく悪く聞こえる言葉を、その内容もなく、念仏のようにとなえてませんか?具体的内容がもう一つわからないのです。そして彼が言っていることは市長がすべきことなのでしょうか。実現させたければ、本来知事の任期を全うしたのち衆議院選挙に打って出るのが本来あるべき姿ではないかと思うのですが。市職員の云々よりもまず、自身大阪市市長としての役割を果たすべきで、自身の大阪都構想の為の市長就任と言うのは本末転倒であると思うのですが。

  5. 不自然なコメント:

    椿って人のコメントですけど、別のところにも全く同じコメントを残しており不自然です。

    自民党内に存在するBKD 私的憂国の書
    http://yukokulog.blog129.fc2.com/?no=756