某芸能人の不敬な署名運動

皇紀2671年(平成23年)11月17日

 http://ameblo.jp/dewisukarno/entry-11078455667.html
 ▲デヴィの独り言 独断と偏見:現皇太子を廃嫡『皇太子位を秋篠宮文仁殿下へ移譲』署名運動 国民は我慢の限界
 http://www.dewisukarno.co.jp/cojif/cojif.html
 ▲デヴィ夫人のホームページ:皇太子位を秋篠宮様に移譲することを求める請願書への署名運動

 尼国(インドネシア)のスカルノ元大統領の第3夫人だったデヴィ・スカルノさんが、インターネット上で徳仁親王殿下の「廃嫡(廃太子)」を訴え、その請願署名を募っておられます。

 彼女は、その呼びかけの中で「皇室を敬愛する私達は、日本の未来のため、皇室を崩壊より護り、そして 国の安泰と国民の幸せを守るため、皇統の存続と皇室の繁栄を求め」と書かれており、私に対してかつて同様の主張をされた方々と全く同じことを皇太子殿下の廃嫡の理由に掲げておられるのです。

 私は今月6日、日比谷公会堂でもお話ししましたが、特に「保守派」「尊皇」を自称する方々の間に蔓延しつつある東宮批判の背景に、泰国(タイ)の王室とタクシン・チンナワット元首相と中共が関係していることを、以前から警告してきました。

 それは、涅国(ネパール)の王室が共産党の前に廃絶させられたこととも関連し、泰チャクリー(ラッタナーコーシン)朝のワチラーロンコーン王太子に対する国民的不人気と、わが国ではどこも報じなかった実態として、現在結党を禁じられている共産党の元党員に彩られていたタクシン内閣およびタクシン元首相が結党した旧タイ・ラック・タイ党(泰愛国党)の王室軽視、または党北京支部が存在していたこと、すなわち背後に中共の「衛星国化構想」があったことにより、現プミポン・アドゥンヤデート国王陛下(ラーマ9世)を最後に泰王室が廃絶させられるかもしれない危機を迎えているということです。

 確かに、もともとワチラーロンコーン王太子の評判はよくありませんでした。しかし、それが中共とタクシン元首相にとっては利用価値の高い国民感情となり、聡明で謙虚なシリントーン王女への王位継承を望む声の陰なる増大が工作化しています。

 とはいえ、現状間違いなくワチラーロンコーン王太子へ王位は継承されるのであって、その時こそが中共工作員にとって泰王室解体の機となるでしょう。これで泰国からも王室は消え、ともすれば共産党の結党禁止に関する法律が改正されるかもしれません。

 デヴィ・スカルノさんらが主張されていることは、つまるところこれを踏襲するように、徳仁親王殿下に皇位が継承された場合、そのような天皇陛下は認めないと「国民様が言っているんだ」ということになります。

 これのどこが「皇室を護る」気持ちでしょうか。徳仁親王妃雅子殿下に対する批判も書き並べられていますが、民間人である国際司法裁判所所長の小和田恆元外務事務次官を批判するのは構わないでしょうし、私も散々東宮を引っ掻き回す小和田家の姿勢を質してきたからこそ、雅子殿下を皇族として「国民様が認めない」という態度は決して許せません。

 百歩譲ってデヴィさんらの気持ちを理解したとしても、何度も警告してきましたように、この「国民感情」は皇室解体を目論む破壊工作員(テロリスト)に利するのです。その隙を彼らにわざわざ与えて「尊皇」とは何事でしょうか。NHKが或る番組の紹介の中で「皇室」を「王室」と記載したのも、破壊工作と無関係ではありません。亜州を覆うこの工作は、幻想ではなく実在するのです。

 もっと直言すれば、これこそが天皇陛下の「地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と書いた日本国憲法(占領憲法)の、国民こそが主権者であり、天皇陛下は主権者の総意に基づかなくなればいつでもその地位をやめさせられるという考えの招いたものに他なりません。

 デヴィさんのブログのコメント欄も酷いもので、目下御体調が心配される今上陛下に対し、一見優しい視点ながらも「引退すべき年齢」などと書いた方がおられますが、無意識なのか意図的なのか今上陛下に廃位を迫っているようにさえ読み取れ、これを窘める者も現れないことから、ことほど左様に国民主権の毒が回っていると分かります。

 大日本帝國憲法にあった「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」とは、天皇陛下が祭祀を司られる御存在でおわすからであり、権力者として臣民を弾圧等されたことは一度もありません。

 これを取り戻さない限り、いわゆる「天皇条項」の削除を目指す改憲派と「尊皇」を掲げていたはずの改憲派があたかも「薩長同盟」のように手を組んでしまう可能性すら、誰が否定出来ましょうか。皇族を選別するほど「偉い国民様」が「やむをえない」と言うに決まっているのです。

 秋篠宮の悠仁親王殿下に対する御教育は、文仁親王殿下と妃紀子殿下があまりに限られた御予算の中でも懸命に取り組まれており、皇位を継承されるに向けて、今上陛下も皇后陛下も御力を尽くされています。

 皇室典範も憲法も占領統治体制(安倍晋三元首相の言う「戦後レジーム」)を保守したいとするのが現下日本の保守主義であるなら、保守派を自覚されている方ほどこのような請願に署名してしまうのでしょうが、どうかおやめ下さい。「日本の皇室をお守りする会」の住所はデヴィさんのご自宅です。実体はあるのでしょうか。

 デヴィさんは、大東亜戦争を「侵略戦争」とせず、靖國神社への参拝も奨めてこられましたが、ご承知のように尼国が国交を樹立していることから北朝鮮との関係は濃密で、拉致事件に関して政治家に妙な口利きをしているきらいがあり、これがまさに目下日本の保守派の姿そのものです。自民党も結局はその程度だったではありませんか。

 もう一度申します。署名しないで下さい。

スポンサードリンク

『某芸能人の不敬な署名運動』に5件のコメント

  1. yuki:

    11月6日の「第9回憲法無効宣言東京大会(集会・デモ)」の動画が配信されています。

    http://youtu.be/UW2iCBfh2VY

    改めて拝見しましたが、集会での遠藤さんの名演説は是非皆さんにご覧になって頂きたいです。素晴らしい演説でした。 

  2. さくら:

    11月6日の日比谷での公演をお聞きしました。

    日ごろ雅子妃殿下がご公務にお出ましにならないことに
    不安を感じ、更には保守の中に皇太子ご一家を誹謗中傷する
    意見があることに戸惑っていましたので、先生のお話は
    心底嬉しかったです。

    誰が何を言おうと、正当に継承されていくことを支持します。

    デヴィ婦人の署名活動については、myNipponでも拡散されて
    いましたので、ここのアドレスを貼っておきました。

  3. 元気:

    こんばんは。

    本日、本屋さんで女性週刊誌に目を通しました。
    徳仁親王殿下を摂政にという記事がありました。
    女性宮家創設を急がねばならないという記事も見ました。

    NHKの王家の記述は、相関図の表面を変えたに過ぎず、
    王家の記述は残したままです。(注釈がついています)

    http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/cast/heike.html#h_kiyomori

    「王家」
    大河ドラマは専門家による時代考証に基づいて制作しています。専門家によれば、平安末期から鎌倉期にかけての中世史研究の歴史・学術的分野では、当時の政治の中心にいた法皇・上皇を中心とする「家」を表現する上で「王家」という用語が使われているとのことです。

    皇室を守るとか保守を自認される方のオウンゴールと、
    あらゆるマスメディアを利用しての(不敬な)周知工作。
    週刊誌的な好奇心と国民主権意識。
    危機感の劣化と知性の劣化。恥の概念の欠如…

    腹立たしく、哀しく思います。

  4. のの:

    初めまして。私はデヴィさんのブログを見て何か違和感を感じ色々検索してこちらにたどり着きました。
    一般人と皇族の違いくらい20年そこそこしか生きていない私でも分かります。
    ネットではデヴィ夫人の言葉を鵜呑みにし皇太子御一家を呼び捨てで誹謗中傷している人までいて日本人としてとても悲しくなりました。
    元からこういった人たちもいたのかもしれませんが・・・
    学習院の父兄の方がどうかはわかりませんが、子供って素直だから大人のこういった部分まで真似するんですよ。
    だから親が何気なく言った一言を、子供って悪気がなくとも本人に言ってしまうんですよ。
    愛子内親王もまだ小学生ですし、皇族と言っても普通の小学生の女の子と同じような心を持っていて傷つきます。それを大人たちが集団で悪口を言っているのを見て涙が出ました。集団虐めと何ら変わりありません。

    しかし、デヴィ夫人のブログへどんなコメントを残しても承認して頂けませんでした。
    プライバシーが守られている私たちでさえストレスで鬱になったり引きこもったり自殺してしまったりとたくさんの問題があり、これを皇族の方に当てはめて良いのかわかりませんが、小さな子供だって傷ついて命を落とす時代なんです。

    一般市民なのにあたかも皇室の関係者や天皇陛下のご意思であるかのような文章を書き、批判や自分とは違う意見はなかったことにする。しかも誰が書いているかもわからないようなコメントなのに、あたかも皇室の内部事情や学習院の内部事情を知っているかのようなデヴィ夫人に賛同する書き込みはしっかり目立つように残す。そんな都合のいいコメントだけを残していても、相手は有名人ですからたいていの人は疑わずに信じてしまいます。
    それどころか、自分たちが皇族とあたかも同等であるかのような勘違いを起している人が沢山いるんです。
    どこかの宗教の教祖より質が悪いです。

    このもやもやをどこにぶつけていいかわからず、長々とコメントしてしまいすみませんでした。

  5. こうこ:

    戦後の恥じるべき闇取引の手下であったデビィ・スカルノが明るい場所に出て、あたかも国民の代弁者、良識を問うような事は許せるものではない。
    児玉は韓国はじめ東南アジアと金で癒着してきた。こういう輩の論理が今だにまかりとおる日本に、本当に良識ある国民ならば、おおいに恥じるべきだ。