藪中官僚主導外交の背景

皇紀2671年(平成23年)9月28日

 http://www.asahi.com/international/update/0927/TKY2011……
 ▲朝日新聞:オバマ氏広島訪問、薮中前次官が「尚早」 09年米公電

 平成21年11月に米国のバラク・オバマ大統領が初来日するにあたり、外務省の藪中三十二事務次官(当時)がジョン・ルース駐日米国大使に、大統領の広島市訪問は「時期尚早」と伝えていたことが26日、内部告発サイト「ウィキリークス」が公表した米国外交公電で分かりました。

 昨日記事では、わが国が中共の海洋調査を一部で許していたことを取り上げましたが、政治家の「平和ボケ」と民主党政権下で一層醜悪さを増す官僚主導型政治は、今すぐ止めなければなりません。

 それには、講和条約として有効である一方「憲法」ではない日本国憲法(占領憲法)を無効にするほかないのですが、この法の原則と危機感が立法府にないため、私たちが大きな世論を形成しなければならないのです。

 ここで単に藪中氏を責めても、何の意味もありません。かつて小泉純一郎首相も、ジョージ・W・ブッシュ大統領の靖國神社参拝をわざわざ断わっています。

 日中の政治的対立を煽るとした当時の日米関係でも、わが国に於いて最低限残されるべきとした「反米」の、その芽を摘み取りかねないことを、わが国政府自体が敢えて避けようとしてきたのです(その理由は後述)。

 藪中氏が言わんとしたことは、合衆国大統領が被爆地を訪問するのは望ましいが、それではわが国内での「反米」運動が終わってしまう、ということに違いありません。「訪問しても謝罪するとは思えないから」云々が、大統領に謝罪を要求することを意図しておらず、その証拠にルース大使に言われたのではなく藪中氏自らがそう断定しているのです。

 その背景にあるものは、日中や日韓、或いは日朝の致命的対立があり、わが国が中韓朝に迎合するには、国内に潜む「反米」が必要な要素だからでしょう。占領憲法第9条を堅持すべしと言いながら(確かに占領憲法のままではただの進駐軍だが)在日米軍を日米の良好な関係を捨ててでも排除しようとする「反米」運動が、およそ平和運動とは言い難いものであることからも明白です。

 彼らは、在日米軍に対する憎悪を扇動するわりには、人民解放軍に好意的で、例えば遥か彼方の利比亜(リビア)で起きたことに私ほどの怒りを表明していません。彼らの「平和」は、極めて視野の狭い「反米」でしかないのです。

 占領憲法無効論者を「反米」とする批判がありますが、本物の「反米」は破棄論者であり、法の原則に於いてこの2つは全く違います。現に、私はわが国の新しい資源開発に、時として米国を取り込むことの必要性を提案してきました。わが国が真に自立することと、米国に背を向けることはまるで意味の違うことなのです。

 外務省の中に、占領憲法を遵守するにせよ従米と屈中、媚韓・朝の売国勢力がそれぞれあり、私には藪中氏がその均衡を保とうとしたように見えます。

 いずれにせよ、その判断を大臣がしておらず、官僚に決定権を掌握されていることが、財務省に忠誠を誓うことで政権を維持させるとした菅内閣と野田内閣の姿勢にも如実に表れており、かくも歪んだわが国の政治を改めるべしと感じた方は、やはり今すぐ民主党を与党から引きずり下ろさなければならないのです。

◎ 9月24日記事の内容に於いて、真正保守政策研究所の調査結果を該当記事末尾に追記しています。念のためご確認下さい。

スポンサードリンク

Comments are closed.