日本は米中に脅されている

皇紀2671年(平成23年)6月13日

 9日記事で、前日に中共の人民解放軍艦船8隻がわが国近海の公海上を航行したと取り上げましたが、海上自衛隊はその後もさらに3隻の航行を確認しています。

 そこで私は、中共がわが国近海の艦船航行を常態化させ、米国は裏でそれを認めていると指摘しました。米中は対立しているようで、実は経済を軸に連携し続けてきたのであって、今や米国がくしゃみをすれば中共が風邪を引き、中共がくしゃみをすれば米国が風邪を引くという関係になっています。

 問題は、わが国が自力でそれらに何ら抵抗しえない状態にあることです。分かり易く申せば、米国はわざわざ日本に向かってくしゃみをし、中共も日本の胸ぐらを掴んで引き寄せてからくしゃみをするのですが、自前の憲法を取り戻してもいないわが国は、それら薄汚い手を振り払う力すら法的に持ち合わせていません。

 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21615520110609……
 ▲ロイター:米国債デフォルトの場合、世界的な金融危機の再来も

 このロイター社の記事自体が日本に対するこけ脅し(ブラフ)ではないでしょうか。米国の債務不履行(デフォルト)話は何度も聞かされてきましたが、東日本大震災下のわが国にとって、今回ほど質が悪いものはありません。

 もはや菅直人首相が政権の延命を懸けて与謝野馨経済財政担当相らとともに増税路線を拡大させようとしているのも、米国を助けなければならないためだけに思えてきます。何しろ菅内閣は、被災者に義援金を配るより先に、自国に退避した中共人留学生への再入国支援を閣議決定したような政権ですから、決してありえない話ではありません。

 もし仮にも米国債が信用不安を起こせば、欧州市場も決して健全ではないため、またもや世界規模の金融危機を起こしかねず、このような博打打ちの資本主義経済がまかり通っている限り、文字通りもてあそばれて滅ぼされる国家も出てきます。その最下層にいるのが、東亜でいえば韓国でしょう。

 結果としてわが国の円高傾向は続き、さらに進む可能性があります。それは唯一まともな国家が日本だからなのですが、賭博の世界から離れて本当に健全な生産力と購買力を持つ日本になるには、特に食糧と資源を輸入に頼らず、技術力を磨いて守っていくことが最も重要になります。

 円高では輸出に不利だと言いますが、実際には円高が加速した9年前からわが国の輸出額は増加し続けており、いわゆる「リーマン・ショック」で一度は減った貿易黒字もすぐに回復しました。

 つまり、何度も申しますが、たとえ韓国企業が元気になろうが、中共が廉価消耗品を多売しようが、その中身は日本企業の部品であり、彼らが豊かになれば日本製品の顧客となるのです。わが国の政治家のほとんどは、日本自身が高級品店であることを自覚せず、そうであり続けるための政策も打っていません。

 米国財務省や世界銀行に「日本は俺らの貯金箱」と言われているようでは、わが国の内需を回復させることも出来ないのです。今なお米軍の占領統治を受け入れているようでは無理もありませんが、必死にはたらいている私たちの暮らしをよくしようと思えば、脅されて縮んでいるだけの政権には辞退願いましょう。

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『日本は米中に脅されている』に1件のコメント

  1. 枯れ葉:

    すぐれたご考察と拝します。

    リーマンショックのときの麻生政権は水際立った振る舞いでした。

    そのときは、「プロの政治家ってさすがにすごいな」とうなりました。

    しかし、ネットがなければ知ることもなかったでしょう。

    わかりやすく述べ伝え、わが国の人々を覚醒させていただきたいと祈念します。