話があべこべになる理由

皇紀2670年(平成22年)10月4日

 日本が逮捕していた中共人船長と、中共が急遽拘束した日本人ゼネコン社員。いつの間にか日中の立場が入れ替わったような印象を与えています。実際はそう単純なものではないのですが。

 なぜこのようなことになってしまうかと申しますと、中共内部の権力闘争疑惑はさておき、あくまで日本国内の利権の綱引きによって解決されるからです。民主主義の泣きどころをよく知る中共中枢に対する政治工作は米国でも難しいと言いますが、諜報機関を持たず国家戦略もない日本はただ中共に工作されるままでしかありません。

 民主党の細野剛志前幹事長代理が訪中したのは、確かに「個人的判断」だった、つまり首相官邸の意向ではなかったようです。仙谷由人内閣官房長官の密使だったりすると話としては面白いでしょうが、菅直人首相と仙石長官にとってはまったく面白くない話でしょう。

 http://sankei.jp.msn.com/world/china/101002/chn1010021942004-n1.htm

 ▲産經新聞:今月初めの首脳会談打診 細野氏が訪中時、戴氏に

 これは恐らく「後づけ」ですね。菅首相が細野訪中を「知らない」と言ったのが事実で、日中首脳会談などの打診は(たぶん中共側からの提案だろうが)どちらの発案かまでは不明なものの「体裁繕い」であり、本当は強制起訴されても平気な小沢一郎元幹事長の密使でしょう。

 細野代議士が言った「個人」とは「政府・与党とは直接関係ない」という勝手を意味しており、遺棄化学兵器処理事業利権に絡んで、中共に事業再促進を提示しに行ったに違いありません。かつてパシフィック・コンサルタンツを巡る不正疑惑があがって近頃は静かでしたが、キックバックは小沢元幹事長が受け取るのでしょうか。「脱小沢」だろうが何だろうが、政府・与党の知らぬ存ぜぬは通りません。それで何人の民主党所属議員が助かるのでしょうか。

 ですからフジタ社員3人の釈放は細野代議士の力で実現したものではありません。1人が残っているのも中共の計画通りで、わざわざ毒入り餃子事件を起こした天洋食品工場のあった河北省石家荘市だったことにやはり意味はあったと思うのです。

 日本がそのような中共の勝手な事情に振り回されることは決してないのですが、日本も国内の利権絡みで事を運ぼうなどとするからつけ込まれます。それで「うまく解決できたな」などと政治家が笑うから売国奴政治であり守銭奴政治なのです。こういうのを「国民にメシを食わせた」とは言いません。

 それにしても、米国防総省筋、或いはいくつかの米シンクタンクが日中の様子を見て随分と喜んでいますね。単に彼らは漁父の利を得るのか、または少し手を突っ込んだ結果なのか。非常に不愉快です。

 何度も申しますが、私たちに出来ることはまず日本の政治家に対するロビー活動です。近視眼的で、論外たる売国奴・守銭奴政治の蔓延を許してはなりません。訳の分からない連中ほど既に政治家の周辺をうろついていますから、純粋に国想う・共に民想う気持ちを政治実現の場へ届けましょう。

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『話があべこべになる理由』に2件のコメント

  1. まぐまぐ:

    二階堂さんとこではパシコン人脈の山田慶一の名前も出てましたが、小沢の密使の可能性はありますね。それに天洋食品でしくじった石家荘市当局に何らかのことをやらせた可能性もあります。藤田社員たちの素直なのも何だか不気味。創価学会とか勝共なだけの統一教会とかが政治家の周りをうろつくのはもっと不気味。本当に日本を守ろうの声を勝たせないと。遠藤さん頑張れ!

  2. ストリートマン:

    個人商店の集まりが「御都合主義」を「綱領」として民主党と言う「看板」を挙げている。外交を国家を通り越して、両国の友人同士で話を付ける???何を考えて居るんでしょうね。統卒じゃなくて卒倒しそうな話です。