不正を告発して逮捕なんて
自衛隊の吉田圭秀統合幕僚長が体調を崩し、念のため自衛隊中央病院(東京都世田谷区)に入院しました。南雲憲一郎統合幕僚副長が職務を代行します。
一月一日に発生した能登半島大地震の対応や日米合同演習などの激務が重なったためと伝えられていますが、衷心よりお見舞い申し上げます。吉田幕僚長は、東京大学工学部の卒業で陸上自衛隊に入り、防衛大学校出身者以外の就任(昨年三月)は初めてでした。
就任時から現在に至るまで、自衛隊内部の嫌がらせ(ハラスメント)とされる行為の解消に尽力させられてきたせいもあったかと思います。防衛省(背広組)の「他人事」のような圧力に加え、ともすれば「外様(防大出身者ではない)」の孤独もあったかもしれません。
或る自衛隊員は、左翼・極左による扇動でハラスメント騒ぎが起きるようになってから「自衛隊の劣化が始まっている」と言います。むろん不当な暴力を認めてはいけませんが、教育を目的とした有形力の行使(体罰)の否定に始まった「左翼・極左社会」は、わが国そのものを蝕んできました。
これを指摘すると必ず「価値観が昭和すぎる」「老害か」などと頭ごなしに否定する左翼・極左言論に出くわすのですが、人を痛めつけることを目的としたただの暴力と体罰の区別もつかないことをこそ恥じるべきです。
さて、かなり妙な報が入りました。大阪王将・仙台中田店(既に閉店)で、店内の不衛生と改善されない現状(当時)を内部告発した方が逮捕されるというのは、とんでもない話です。
これは、大阪王将と加盟店契約(フランチャイズ)していたファイブエム商事(仙台市若林区)が警察に被害届を出し、受理されてしまったためでしょう。どこの「変なの」が指南したのか知りませんが、とにかくとんでもない「逆ギレ」です。
ファイブエム商事は、この方の告発により武漢ウイルス(新型コロナウイルス)狂乱で発生した給付金の不正受給も明らかになっており、大阪王将から契約を解除されました。それが「告発によって業務を妨害された」などと、よく言えたものです。
現在も大戸屋ララガーデン長町店などを運営しており、不正発覚後も松川実社長がそのままになっています。それで告発者のほうが逮捕されるなど、あってはなりません。
これは、私が日本教職員組合(日教組)の不正(市税の流用など)を告発し、日教組に被害届を出されたのに少し似ています。兵庫県警察がそれを受理せざるをえなかったのは、日教組・自治労票を抱えていた兵庫県知事からの圧力だったことをのちに、被害届の提出圧力に抵抗してくれた教育委員会から聞きました。
ファイブエム商事(有限会社)にそれほどの「黒い政治力」があるとは思えませんが、宮城県警察が単なる「SNSなどによる被害事案」として受理した可能性があります。実際、インターネット上に書き込まれる誹謗中傷がある以上、警察の対応としては止むをえません。
問題なのは、これが誹謗中傷ではなく立派な内部告発だったことが立証されるか否かです。立証されれば、たとえ起訴されても有罪にはなりません。むしろファイブエム商事はどうなのか、という話です。
左翼・極左の「被害者面」にも、彼らの不正を告発したほうが莫迦を見るわが国の惨状にももううんざりです。