ロシアもインドも承知の助

皇紀2675年(平成27年)6月30日

 http://www.sankei.com/world/news/150629/wor150629……
 ▲産經新聞:「極東の知事に中国人も!」ロシアで中国への農地貸与に反発広がる

 中共主導の亜州インフラ投資銀行(AIIB)は二十九日、北京の人民大会堂で設立協定の調印式を開きましたが、参加予定だった五十七か国のうちフィリピン、タイ、マレーシア、デンマーク、ポーランド、クウェート、南アフリカの七か国が署名を見送りました。

 親中ナジブ・ラザク政権のマレーシアが署名を見送ったのは意外でしたが、フィリピンが勿体つけたのは当然でしょう。南支那海域の領土・領海を中共に侵略されかかっている彼らの現状は、共産党人民解放軍が岩礁内の強引な埋め立て施設を「軍時利用」と認めたことで、この種の「インフラ投資」を中共主導で進められることの危険性を如実に表しています。

 どのタイミングで署名するかは七か国それぞれの間合いがあるのでしょうが、韓国が無理して大量出資(出資額順位五位)しても理事国入りはかなわぬ一方、欧州勢で一番乗りを表明していた英国はわずかな出資(同十位)に抑えました。また、独中「蜜月」などと言われてきた独国が理事国入りを敬遠して出資額を抑えたようです。

 結果として、中印露の出資額上位三か国が理事国になったわけですが、印国のナレンドラ・モディ首相は経済で中共と握手しながら裏で対中防衛策を強化しています。そしてそれは、露国のウラジーミル・プーチン大統領も全く同じなのです。

 産經新聞社配信記事には「国際的な孤立感を深めるプーチン政権が中国との“蜜月”を演出している」(原文まま)とありますが、これはプーチン大統領の方針を正しく記事にしているとは申せません。

 産經はまだ何となく「米ソ冷戦」の感覚を引きずっているのでしょうが、プーチン大統領がなぜ安倍晋三首相と心を通わせて七回も首脳会談を開いたかと申しますと、いわば同じ「美しい祖国を取り戻したい」「民族主義的」なところがあるからです。

 プーチン大統領の方針とは裏腹に露国内で中共または中共人民への警戒が高まっているかのような報じ方になっていますが、中共への警戒はプーチン大統領が最もしていることであり、中共人民のこのような土地の獲り方はわが国でも問題になり始め、いずれ日露で共闘して追い出しにかかるでしょう。そのためには年内のプーチン大統領の訪日が不可欠です。

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『ロシアもインドも承知の助』に1件のコメント

  1. きよしこ:

    日本の各メディアは、AIIBがどう転んでも上手くいかないことを隠せなくなったので、全く動向を報じなくなりましたね。日本は最初から参加しなくて大正解と安堵する一方、印国と露国の外交(特に対中)における「したたかさ」がとても羨ましく思えてます。

    また、本来なら昨年「G8」で「中共名指し批判」をすべきではあったのですが、安倍・プーチンの綿密な連携と生来の相性の良さ(?)にも助けられ、今年は拍子抜けするほどあっさりと日露首脳会談が実現するでしょう。果たして、中共は妨害を仕掛けてくるのでしょうか?してくるのであれば、いえ、そうでなくとも安倍首相は堂々と靖国神社に参拝して、祭祀国家・日本と英霊を侮辱することの恐ろしさを味わわせてやるべきです。

    http://www.sankei.com/politics/news/150630/plt1506300033-n1.html
    ↑注意受けた大西氏、「朝日報道、懲らしめないといけない」「何か問題ある?」
    さすがに「マスコミを懲らしめろ」はマズいだろうとは思っていましたが、大西議員は、過日先生が述べたのを知ってか知らずか、玉砕覚悟で前進し続ける道を選んだようです。それならば徹底的に大西議員には戦ってもらいましょう。先生の仰ったとおり、日本国で自由に活動を保証されながら、その国家に後ろ足で砂をかけるような報道機関を懲らしめるのは、許されるべきはずなのですから。