警察と消防が見た京アニの
京都アニメーション第一スタジオ(京都市伏見区)に対するテロで、極めて重篤な状態にある四人の被害者(重体四人、重傷二十五人)が未だ厳しい闘いを続けていることを忘れてはなりません。
そこで、京都府警察が亡くなられた方のご遺品一点をなくしてしまったというのですが、むろんそれは許されないことです。上記時事通信社配信記事への読者コメント(記事下)にも警察批判が掲載されていますが、皆さんに一つだけ、恐らく皆さんが知らない京都府警の苦労と想いをお伝えしようと思います。
実は京アニテロ事件を受け、府警の警察官たちは通常のご遺品管理以上の対応をしているのです。まっ黒にすすけたご遺品を、一つ一つ丁寧にぬぐい、できるだけご生前に使用していたのと近い状態にしてご遺族にお返しして差し上げよう、と。
さだめしこの別作業のために、通常ご遺体と必ず一体で保管しているだけでは起きにくい紛失事故が発生してしまったのではないかと思われます。
重ねて申しますが本来起きてはならないことであり、ゆえに府警はご遺族にお詫びをしているのですが、ただこの報を耳にして「お粗末な対応が多すぎる組織」と片づけないでほしいのです。彼らがいつも以上の人員と時間を割いてまで、この事件とどう向き合っているか、私たち国民も知っておくべきだと私は思いました。
通報からわずか二分で出動した京都市消防局の消防士たちも、まさかテロの犯人である青葉真司容疑者が火を放った三十秒後には全焼状態に陥った現場とは思いもよらず、到着して愕然としたに違いありません。通常の火災ではありえない現場だったのです。
それでも最後の最後まで諦めずに消火し、生存者を助け、被害者を探した彼らだけが見たこの世の地獄は、日ごろ「組合活動」と称した対日ヘイトスピーチ(政治活動の殻を被ったただの日本人憎悪差別扇動)に興じる「不法公務員ども」には決して分からないでしょう。
警察官、消防士、海上保安官、自衛官がなぜ尊いのか。それは己の権利よりも私たちを守ることを優先してくれる(その責務を負っている)からです。だからこそ彼らをむざむざ死なせるような政治にしてはいけません。私たちが平和を願うのは、そういうことなのです。
対日ヘイトのための「平和運動」ほど、そこに人の温かい想いが欠片もないものはありません。