中国の思惑~日本と台湾が

皇紀2679年(平成31年)4月5日

 今月二十三日に開催される中共の共産党人民解放軍海軍創設七十周年観艦式(山東省青島)に、わが国の海上自衛隊艦艇が旭日旗をつけて問題なく参加し、韓国海軍は護衛艦を送る予定だそうです。

 仮にも旭日旗を掲げた海自艦艇と韓国軍艦艇が並べられれば、文字通り韓国の文在寅大統領(北朝鮮工作員)が大恥をかくことになります。

 中共はこれまで、多くの人とカネを注ぎ、さんざん北朝鮮を通して韓国人に対日ヘイトスピーチ(日本差別)を扇動してきたくせに、いざとなれば平気でこのような態度をとることも全く否定できない国なのです。文大統領のはしごを外すためなら、先述の仮定を実行に移すかもしれません。

 しかしながら中共が旭日旗で騒がない理由は、米中首脳会談が延期し続け(これが配信されるころには新しい日程の発表があったかも)、いわゆる「一帯一路」もつまずきかけているため、わが国に秋波を送っておきたいという薄汚い思惑があります。

 早い話が「カネ勘定」です。

官製再建、JDI迷走の7年 台中勢傘下に

経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は3日、台湾の電子部品メーカーなどで構成する台中連合3社から、最大800億円の金融支援を受け入れることで大筋合意した。外資が議決権の5割弱を握ることになり、

(日本經濟新聞 電子版)

 この話も似たり寄ったりで、これまで批判してきた「官製企業」の大失敗例であるジャパンディスプレイが台中勢に叩き売られたわけですが、台湾企業なら一安心だなんてとんでもありません。

 例えばシャープを呑み込んでもうすぐ吐き捨てる予定の鴻海(ホンハイ)精密工業について、私は平成二十八年二月二十九日記事で「外省人の郭台銘会長を相手にするときは、基本的に中共国有企業の董事長や総経理とでも話をしているつもりでいなければ莫迦をみます」と申しましたが、郭会長がシャープ買収を決める直前、臺灣の新北市(本社所在地)でも台北市でもなく中共の北京へ行ったことを忘れてはなりません。彼は、習近平国家主席に相談してから買収を決めたのです。

 中台は確かに緊張状態にあり、民主進歩党の蔡英文総統を敵視するがゆえに軍事的衝突も辞さないような脅迫行為や嫌がらせを繰り返してきましたが、基本的に台湾の大企業はほとんど中共に喰われています。すなわち中台は、相互依存関係にあるのです。

 そのため、思想対立を煽っておきながら裏では平気でつるみます。ここのところをよく理解しておきませんと、私たち日本人はまんまと中共人に騙されるのです。

 もとはといえば、商才のない経済産業省が血税を投入した挙げ句、ジャパンディスプレイの花を惨めに枯らせたのが諸悪の根源であり、シャープも台湾の裏に潜む中共に獲られた以上、もはや液晶分野の国策はもう成り立たちません。

 私たちはもう二度と、浅知恵の官僚が描いた国策の青写真にうっかり乗っかってはいけないのです。

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『中国の思惑~日本と台湾が』に1件のコメント

  1. 心配性@我は蛮夷なり:

    「旭日といえば、毛沢東のイラスト」というぐらいですので、中国は旭日旗批判はできないと思います。

    一方で、ドイツやフランスを舞台に「反日」をやって来た事は忘れません。(日本人=変態というイメージを植え付けて来た)

    中年ドイツ人男性が脱いだ下着のにおいをかいで、恍惚の表情を浮かべる、あまり美人とは言えない日本女性を描いたドイツ企業のCMが炎上しているようです。(悪趣味過ぎます。)

    そして、同じアジア系として、一部の韓国系住民も猛抗議されているとのこと。

    ドイツ企業のアジア人女性差別的なCMに声を上げないどころか、抗議をする韓国を揶揄する人々の愚かさ
    https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190404-00189459-hbolz-soci

    独仏などヨーロッパのメディアは、風刺画などを含め、アジア人の外見を誇張して嘲笑したり、偏見を助長する事が多いと感じますが、中でも日本人は頻繁に槍玉に上がると思います。
    中韓等の人々は、猛烈な抗議を行うので手強いですが、日本人は「事なかれ主義」の大人の対応に徹する傾向が強いので「虐めやすい」という‶利点”があるのかも知れません。