改憲の議論を混乱させる者

皇紀2676年(平成28年)1月20日

 http://www.sankei.com/politics/news/160119/plt160119……
 ▲産經新聞:緊急事態条項めぐり社民・福島氏「ナチスの国家授権法だ」 首相「限度を超えた批判」

 社民党の福島瑞穂参議院議員は十九日午前の予算委員会で、安倍晋三首相が日本国憲法(占領憲法)問題(特に改正)のきっかけとして選んだうちの「緊急事態条項」に対し、「ナチスドイツの国家授権法と全く一緒だ」などと批判し、激しく安倍首相に叱られました。

 福島議員は、昨年立法府が可決したいわゆる「安全保障関連諸法案」についても、当初から「戦争法案」などとミスリードし、半狂乱になって反対する人たちにこの言葉が愛されたせいか、またもその路線を狙っての発言と見られます。

 授権法とは、未曽有の大災害や他国からいきなり侵略されるといった非常事態に於いて、当然「みんなを集めて話し合っている間にも私たち国民から大量の死人が出る」わけですから、この場合は一定の権限を内閣に委ねる場合があってもよいと憲法に規定しておこうというもので、福島議員は、とにかく「ナチスドイツ」と言えばいいと思っているようですが、例えば米国にも仏国にもこれに相当する法律があるのです。

 占領憲法を改正することに意味があるかどうかはともかく、憲法問題そのものの議論を混乱させる「日本のことが嫌いな勢力(=一般に「左翼」と呼ばれる「ただの反日派」)」は、今後も安倍首相が「憲法」に対するハードルをとりあえず下げようとすることに出鱈目な批判を用いてでも反対するでしょう。

 http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160112/4985291.h……
 ▲日本放送協会(NHK):おおさか維新「地方自治体条例を法律で規制できなくするよう憲法94条を改正を」

 一方で、今夏の参議院議員選挙に立候補するらしい大阪府議会の浅田均議員(おおさか維新の会政務調査会長)は、地方自治体が法を無視して条例を制定できるよう占領憲法第九十四条を改正せよなどと提案しています。

 これは、十七日記事で取り上げたような大阪市の条例を、もっと勝手に作り市民に押しつけることができるようにするもので、昨年十二月十六日記事にある「住民投票条例(この場合は兵庫県明石市)」の類いも、地方自治体という公権力が改正前よりさらに作り放題になってしまうのです。

 実は初めから大阪府の松井一郎知事(発足当初は府議会議員)や浅田議員が主導する大阪維新の言う「地方主権」の正体がこれです。占領憲法の制定過程とそれに六十年以上飼いならされた私たちの現状が招いたとも申せますが、改憲論議の元凶は、ことほど左様におのおのが勝手に「自分の思い通り」という「国民主権」を行使するところから始まってしまいます。

 このような動きにも注意が必要です。

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『改憲の議論を混乱させる者』に2件のコメント

  1. passerby:

    憲法改正については、
    ①左翼の護憲論に対抗すると同時に、
    ②一部の見識の浅い右派が最近よく喧伝している憲法無効とか破棄といった無責任で非論理的な暴論への対抗も
    残念ながら必要となってきています。

    そうした真っ当な憲法改正論者のための理論武装ページとして下記の一読を願う

    ●日本国憲法改正問題
    http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/89.html

  2. すたかん:

    軍艦島や慰安婦合意の件で今改憲したら
    中韓に有利な憲法にさせられそうなのが心配
    自民は国益から外れぬ憲法を制定してほしい