菅政権は反戦平和の敵だ!

皇紀2670年(平成22年)11月15日

 北朝鮮に拉致された数多の日本人のうち、15日で横田めぐみさんが拉致されて33年にもなりました。ご家族のお気持ちを察するにあまりあります。女性の乳癌検診推進を目的とした「ピンクリボン」は付けても、決して拉致被害者の全員帰国を誓う「ブルーリボン」は付けない仙谷由人内閣官房長官のもとでは、一刻も早い救出を期待することが出来ません。

 仙谷長官は菅直人首相ともども、よく「極左活動家の出身」などと言われますが、彼らの主張は主として帝国主義の打破と世界平和の実現ではなかったでしょうか。護憲派は「憲法を変えて戦場に行こう、という世の中にしない」と訴えていますが、実は私はこれに主旨までは大賛成であり、しかしながら彼らのいずれも結論やその実行に向けた手段を間違えていると指弾せずにはいられません。

 私は何度も、天皇陛下の宮中祭祀によるほか、人類が無戦・無核の世界平和、或いは自然環境保護の実現を叶えることは不可能であると申してきましたが、共産主義革命派は打倒すべき帝国主義を「天皇制」に置き換えてこれを否定し、よって日本国家の転覆を企んできました。

 彼らは私の提起に対し、それでも日本が何度も戦争を体験してきたこととの矛盾を言うのですが、これらはすべて「國體論を右往左往させた民」の決断によって勃発したものです。このたび第5管区海上保安本部の海上保安官I氏組織に「申し分けない」としながらも、いわゆる「尖閣ビデオ」の一部を公開させたのと同じで、天皇陛下に敬礼しながらも、もはや実力行使しか国家を救い得ないと判断した日本政府によって皆が戦争を体験してきました。ですから、私の國體論に於いては必ずしも過去の戦争を全て肯定していないのです。

 I氏が公知性の高い・機密性の低い情報を内部告発したように、必ずしも「民の判断は間違う」というわけではありませんが、必ずしも人間の理性・意志・心情が正しいとも限りません。そのような「民」を至上とした小泉政権の愚かさは、まさしくここに集約されるのです。これは、少しでもエドマンド・バークの保守哲学に目を通した者なら誰でも分かるでしょう。

 そこで、菅政権はまさに桂政権の時の日露戦争勃発前夜をいたずらに作り出している、と私は追及します。露仏独による干渉に屈し、下関条約で割譲を受けた遼東半島を手放す国辱に甘んじた結果、世論は「ここまで三国干渉を主導した露国に日本は屈さねばならないのか」と盛り上がり、首相官邸に山と積まれた抗議文を前にして、いよいよ桂太郎首相は日露開戦を決断するのです。

 当時世界最強と謳われた露帝国は、弱小な大日本帝國との戦争を回避する理由などありませんでした。そうしてまんまと戦争は始まってしまったのです。先人たちの決死の努力により日本は勝ちましたが、「弱いこと」「屈すること」は、むしろ前世紀的帝国主義を前提とした価値基準によって規定されており、反戦を旨とする世界平和を主張するなら、菅首相も仙谷長官も法治に基づいた中露との対等外交を展開すべきではありませんでしたか。それに、占領憲法下の現政権にそもそも開戦の決断力はなく、ただ鬱憤だけを私たちに植えつけるのです。

 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00187887.html

 ▲FNN:APEC首脳会議閉幕 菅首相、「アメリカ重視」に回帰する姿勢鮮明に

 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101114-OYT1T00509.htm

 ▲讀賣新聞:「政治主導なんてうかつなこと言った…」枝野氏

 政治家として主張してきたこと・人々を説得してきたことと、やっていることがこうも違う民主党は、もう私たちが政権を維持させるに値しません。党の幹事長代理ともあろう者が「与党がこんなに忙しいと思わなかった。政治主導なんてうかつなことを言った」などと言い出すならば、もはや民主党に用はないのです。

 15日中にも、海上保安官I氏が逮捕されるかどうかの結論が出るとのことですが、もしもの事態に備え、元内閣安全保障室長の佐々淳行氏が「海上保安官に対する刑事処分に反対をするネットの会」を立ち上げられて署名を呼びかけておられます。

 http://www.sassaoffice.com/

 ▲佐々淳行ホームページ:佐々淳行より皆様へ 署名のお願い

 民間の私たちは間違いを犯すことがあります。同時にそれを正すことも出来ます。しかし国家基軸は常に天皇陛下にあり、ゆえに私たち人間の習性とも言える間違いや失敗は、安心してやり直せるのです。ところが、外交の失敗はそう簡単にやり直しがききません。

 それでも菅政権は私たちの訴えに耳を傾けようともせず、毎日のように会見で詭弁を弄し続けています。ならば彼らの言語で訴えるしかありません。「菅政権は反戦平和の敵だ!」という声こそ、最も彼らが耳にしたくない言葉に違いないのです。

遠藤健太郎講演会 動画8

 当日お越しいただきました皆様に、まずは心より御礼申し上げます。

 

 http://www.youtube.com/watch?v=d05n8Qqt2B0

 幾度も駐日大使候補にその名が挙がり続けるハーバード大学のジョセフ・ナイ教授も、「日本は米国の属国だ」と主張したズビグネフ・ブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官も、いわゆる「ソフト・パワー」または「スマート・パワー」戦略を提唱しており、日中戦争の勃発を米国に工作される可能性があります。

 この戦略を主導するとすれば、それは米民主党政権であり、極めてこれに従順なのが民主党の前原誠司外相や自民党の石破茂元防衛相らなのです。日米友好を前提としても、真に日本の存亡を考えるならば軽薄な交戦論と屈強な国防論はまるで違います西村眞悟元防衛政務官も主張しておられる通り、自民党も民主党も国家を危うくした同じ穴の狢にすぎません。

↓↓↓クリックして下さい!

人気ブログランキング

政治部門・映画部門の2カテゴリー登録になっています。ご了承の上、何卒ご協力下さい。

↓↓↓こちらもクリックして下さい!

FC2ブログランキング

▼北方領土の哀しい歴史を忘れるな!

映画『氷雪の門』オフィシャルサイト

スポンサードリンク

『菅政権は反戦平和の敵だ!』に5件のコメント

  1. ストリートマン:

    中共のコキントウと話すのに「紙」がなきゃ話せない・・死ぬきゃないでしょう・・「付ける薬も有りません」。自民党も「村山」「河野」「近隣」「男女」いろんな亡国法談話を取り消さなきゃ駄目でしょう。

  2. 普通の日本人:

    そもそも、海上保安庁が守るのでは無く、海の国境は、海上自衛隊が守るべきなのです。海上保安官は、国内を取り締まる警察官ですから。誰一人言わないとは、情けない話です。欺瞞に満ち溢れております。 自衛隊幹部は防人では無いのか?三島の訴えも通じる事なく、彼の自決からもう今年で40年。不惑の年になりますが。このまま目が覚めないのであろうか?それとも侵略されて初めて目を覚ますのだろうか?

  3. LINEAGE:

    保守論壇からこんな言葉が出てくるとは全共闘内閣は思いもしないだろう。日本の国体とは天皇陛下の祭祠に基づくことを確立しなきゃいけない。遠藤さんは過去の戦争を全て肯定していないとのことですが、天皇陛下に敬礼しながらも戦争に踏み切ったご先祖さまたちは、なぜそうしたとお考えですか?遠藤さんが打ち出された日本保守の無戦無核論との兼ね合いも含めて、ぜひご教授下さい。

  4. knnjapan:

     翌16日記事に少し触れていますが、簡単に申しますと「日本は天皇陛下の祭祀によるが他国はそうでない」ということが戦争の原因となります。たとえ日本が祖先祭祀を説き、自然祭祀に則ろうが、他国は全くお構いなしというのが現状で、私の提唱する新しい世界秩序とは、天皇陛下のもとに全人類が祭祀によって生きることです。 ところが、明治の近代化に於いても先人たちは國體論を定められませんでした。ましてバークの保守哲学を帝國大学で取り上げないようにしたのです。これが日本に於ける保守主義研究の立ち後れを招いたと言えるかもしれません。 日清・日露戦争と大東亜戦争の間には大きな世代交代があったことも要因としてあげられますが、天皇陛下の政治利用という点に於いて正しからぬことがあったと言えましょう。宮中祭祀を知って原則として戦争など出来るか、というのです。ですから、戦争という行為そのものは実は國體に反しています。それでもやらざるを得なかったのは、他国が個人救済や拝金を旨として生きていたからであり、仕掛けられた対立にわが國も絡めとられていったということでしょう。真に向き合った先人たちのご苦労は、筆舌に尽くし難かったに違いありません。

  5. LINEAGE:

    有難うございました。「新世界秩序」と聞くとついゾッとするけど、日本人が世界に果たす新たな役割と責任を知った気がする。なんならこれが困るので皇室を滅ぼそうと画策する勢力があるのかな。日本の左翼は荷担してるなら、9条をいいながらやはり世界平和の敵だ!